長野県北西部に位置する「小谷村」。面積の88%が森林のこの村には、北アルプスを望む国立公園が2つあります。そんな大自然を堪能できる野外アクティビティが豊富にそろい、鮮やかで色とりどりの四季の美しさを魅せるスポットはアウトドア好きを虜にします。モンベルフレンドヴィレッジ第1号として、モンベルと提携している宿泊施設やお土産店などが多数ある、今ひそかに注目を集めている土地です。
小谷の魅力を満喫 -おすすめスポット-
日本有数の高層湿原 ~中部山岳国立公園 栂池自然園~
標高1,900mに広がる栂池高原は、数十万年以上の時間をかけてできた日本有数の高層湿原。約100haの広大な湿原にはイワカガミやコバイケソウなど、およそ370種の高山植物が自生します。おすすめは、自然園の最奥にある展望湿原から眺める白馬大雪渓と北アルプスの絶景です。
栂池自然園入口付近には「栂池山荘」と「栂池ヒュッテ」の2つの山小屋があります。宿泊者は早朝と深夜に栂池自然園を楽しむことができます。満天の空をみたいなら宿泊必須です。来年には同エリア内のビジターセンターがリニューアルオープンします。
小谷村MOVIE「栂池自然園」
LANTERN編集部が行く 霧が満ちて幻想的な「栂池自然園」
栂池パノラマウェイのゴンドラリフトとロープウェイを乗り継ぎ、目指すは「栂池自然園」。冬、この辺りは広大なゲレンデになります。若いころからスキーをしに小谷を訪れ、ついに数年前移住を決意した観光連盟・道村さんに案内していただきます。
ロープウェイを降り、少し歩くと栂池自然園の入口に到着。人が手を加えない、まさに自然のままの世界が先の先まで続いています。ちなみに自然園の冬の積雪量は6mを超えるそう。一体どんな世界になるのでしょうか…想像もつきません。
途中、大きな岩に囲まれた穴を発見。火山活動の名残でできた、風穴(ふうけつ)です。通年ひんやりとした冷気が吹き出す、自然のクーラーのような存在だそう。この時の風穴内気温は10℃で、ほどよい冷気を感じました。
深い霧で数メートル先が見えないこともしばしば。自然園の中間地点・わたすげ湿原を過ぎ、楠川に辿り着いたところで折り返します。入口からここまで、片道約30~40分といったところでしょうか。帰りは、行きとは違うルートを折り返し、自然園の半分をぐるっと一周し、ハイキング終了です。
自然園の入口付近には歴史を感じさせる雰囲気の建物がありました。70年以上も前からある「栂池ヒュッテ 記念館」。北アルプスの登山者のベースキャンプとして使われていた施設だそう。施設が移転新築されたため、現在は歴史を伝える場所としての役割を果たしていました。古くから使われてきた登山・スキーの用具、栂池の写真などがずらりと。古くから現在まで、小谷を愛し続け、小谷に魅了された人々の軌跡を感じます。
お昼は、栂池山荘・吉澤さんおすすめの「白馬三山そば」をいただきました。筆者としては、天ぷらの配置が白馬三山、真ん中の卵はゲレンデをイメージしているように見えたのですが…(※答えは確認できていません!笑)。
―――栂池自然園を訪れて
標高1,860mの湿原の草木は、少しずつ紅葉し始めているようでした。山の湧水でできた小川は、透き通り清流に棲むイワナの姿も。その綺麗な水が村の麓まで流れています。湿原の草木が生き生きと育ち続けるのも人々が豊かな暮らしができるのも、始まりは自然が生み出す恵みのおかげなのだと実感しました。
ちなみに栂池山荘に宿泊すれば、ロープウェイの動いていない早朝と深夜に栂池自然園を巡ることができるそうです。特に夜の星空は想像を絶する美しさだとか。次訪れる際は是非見に行きたいですね!
小谷村MOVIE
「いちばん美しいところ 栂池自然園」