中部から西部へ!おしゃれすぎると話題沸騰!「FBI大山」でキャンプ
温泉で心身を洗い流したら、いよいよキャンプ場に移動します。中部エリアを離れて、西部エリアへ。1時間ほど車を走らせて、目指すキャンプ場は「FBI大山」。1300年の歴史を持つ日本最古の神山「大山」に2015年にオープンしたばかりの、おしゃれすぎるキャンプ場との噂ですが……。
到着するとあたりは真っ暗。受付のログハウスからやわらかな光が。
まずはチェックインせねばと、風合い豊かな木の扉を開けると……。
案の定、内装もとてもおしゃれ。カントリーな雰囲気がただよい、洋楽のBGMが流れていました。
どうやらここは、バーも兼ねているようです。
ミニマムなランタンや、松ぼっくりの照明。レンガや暖炉など、北欧を思わせるインテリアに囲まれて食べる料理は、おいしさをさらに引き立ててくれそう。
イラストで描かれたキュートなメニューを広げると、おいしそうなプレートメニューがずらり。ディナーはもちろん、ランチタイムも営業しており、キャンプではなくランチを目当てにやってくる一般客もいるとか。
テント、タープ、寝袋、ランタンなど、キャンプ用品は軒並みレンタルできます(有料)。燃料などの消耗品も購入可能。今回は、弾丸旅行だったため、準備品はほぼゼロでした。炭と着火剤を購入します。
トイレは、水洗の洋式トイレでした。トイレの中でもカントリーな音楽が流れていました。
予約していたテントに到着。テント内にはランタンも用意されており、キャンプ場の敷地内なら自由に持ち運べます。
すっかりお腹が悲鳴をあげていたので、まずは夕食をとることにしました。テント前に設置されたBBQコンロに、購入した炭を使って火を起こします。「FBI大山」はグランピングにも力を入れている施設ですが、基本的に食材は自分たちで用意するスタイル。4人以上の利用の場合のみ、食材つきのBBQセットを注文できます。
待ちわびた!
ここぞとばかりに「鳥取港海鮮市場かろいち」で購入した蟹を網にのせ火にかけます。蟹と一緒に購入していたサザエやイカも投下!素材の香りが立ち込める中、ワイルドに焼きました!
こんがりした焼き色に染まったアツアツの魚介類を、はふはふと口に運びます。おいしい。お昼に食べた蟹のうま味がよみがえります。
食事を終えて、テントに戻ります。今回お借りしたのは、6人用のティピー。
ティピーとは、アメリカのインディアンが利用した移動式の住居。天井が空洞になっているため、焚き火もできます。寒い季節のキャンプにはぴったりです。1点注意するなら、ティピーの中には電源がないため、注意しましょう。
横になって就寝。焚き火のおかげで、寒さに凍えることはありません。まぶたが落ちていくのを感じながら、鳥取県を大横断してきた一日を振り返ります。心地よい疲れに身を任せて、「明日はどんな冒険が待っているのだろう」とウキウキしながら、眠りに落ちていきました。
1日の疲れを癒したら……2日目スタート!
目を覚ますと、小鳥のさえずりと木々のざわめきが間近に聞こえます。
さわやかな気持ちでティピーを出ます。昨日は暗がりでわかりませんでしたが、足元にはきれいな紅葉の絨毯が敷かれていました。木々が枯れ、秋が冬へと移り変わっていく瞬間の、儚い美しさ。
今回、宿泊したのはグランピング向けのティピーでしたが、オートキャンプサイトもあります。夏場には、キャンパーたちのテントで場内が埋め尽くされるそう。
そのオートキャンプサイトには、巨大なトランポリンが!すぐにでもダイブしたかったですが、早朝に騒いではほかの宿泊客の迷惑になると思い、やめておきました……。
白い炊事場は清潔に保たれていて、かわいい雰囲気。洗剤は置かれていないため、ご利用の場合にはご注意を。
鳥取県西伯郡伯耆町小林706▶MAP
お問合せ先:0859-57-3428(FBI大山)
公式サイトはこちら
※2016年度の営業は終了しました。2017年度の営業開始日は4月下旬ごろになります。
大山の周辺をぶらりさわやか早朝ドライブ
せっかく早起きしたので、「大山」の自然散策のためにドライブに繰り出しました。
車で5分ほど走ると、「赤松眺海(あかまつちょうかい)展望駐車場」を発見。遮るものを高所から、米子(よなご)市の町並みと、雄大な山々を一望します。
車通りはほとんどなく、時間がゆっくりと流れています。朝の澄んだ空気がおいしい。東京の朝とはまるで異なる、のどかな一幕。
15分ほど走っていると「大山寺(だいせんじ)」への標識が。もちろん向かいます。目的地のない旅路が楽しい。
「大山寺」は、昭和3年に4度の火災に見舞われながら、昭和26年に再建された由緒ある寺院だそう。周囲の樹木は一本一本が太く、たくましく、威厳がただよっていました。
1時間ほどのノープランドライブを楽しみ、ふたたび「FBI大山」に戻りました。チェックアウトを済ませ、「大山」の自然を惜しみながら、ふたたび海へと向かいます!
海の幸に取り憑かれて。「境港水産物直売センター」へ
長い時間を過ごした山を離れて、ふたたび海へ!「FBI大山」より車を走らせること50分。次の目的地である「境港水産物直売センター」で昼食をとるために、あえて朝食を抜いて、腹ペコのまま向かいました!
入り口に入ると、なんと火曜日は定休日。看板こそ「営業中」と出ているものの、残念ながら2店舗しか営業していませんでした。
しかし、「市場は閉まっていますが、食堂は営業しておりますよ」と、山陰旋網漁業組合の井本慶子さんが案内してくれました。まるで天の声!
どでかい「営業中」という旗看板が、まるでサバンナのオアシスのように輝いてみえます(笑)。
井本さんがおすすめしてくれた「さかな塾」の看板メニュー、「海鮮丼」と「蟹丼」、「本日の刺身」を注文しました。
「本日の刺身」は、当日の漁獲量に応じて1~3種類の刺身が楽しめます。なにが提供されるかはその日のお楽しみ。本日は新鮮なマグロとイカでした。1日目からこれまで、魚介類しか口にしていません!
食事を終えたら、2店舗しか開いていない閑散とした市場へ。「さかな塾」で食べた蟹の味が忘れられなくなっており、「かろいち」のデジャヴを覚えます。
鳥取県の蟹のおいしさをだれかに伝えたい!おみやげとして、蟹を静岡県に住む祖母の家まで送ることにしました。どれにしようかな……。
これに決めた!
やはり、「蟹取県」はとれたての生の蟹がおいしいので。
「鳥取県の蟹はほんとうにおいしいですね。祖母に送ろうと思うので、こちらをひとつください」と、お店の方に声をかけます。「でしたら、お値引きしますよ!」とのお返事が。こういったやり取りも市場の魅力です。「株式会社ヤマヨ」さんありがとうございます。
運送費を含めてきっかり5000円。鳥取-静岡の距離を1日で届けてくれるらしく、新鮮な状態のものを送れました。
ここまでの道中、たびたび登場している蟹。実は、鳥取県のふるさと納税の返礼品としてもらうことができます。ご自宅でも鳥取の蟹を楽しめます。
鳥取県指定文化財の宝庫「正福寺」
正直迷っていました。このあとどこに行こうか。計画していた行き先は、すべて巡りました。
そんなとき、おすすめのスポットを先ほど「さかな塾」を紹介してくださった井本さんが教えてくれました。「ここは静かで穴場ですよ」と。それが「正福寺」です。「境港水産物直売センター」からわずか5分ほどの距離。さっそく向かいます!
「正福寺」は、天保6年(1835年)に建てられた弓ヶ浜地方の最古・最大の木造建築物です。宗名は曹洞宗(そうとうしゅう=禅宗)。寺宝は、「ゲゲゲの鬼太郎」の生みの親・水木しげるの記念碑や、「奥の細道」を執筆した文豪・松尾芭蕉の句碑などがおさめられています。
中でも有名なのが、「六道絵(ろくどうえ)地獄極楽絵」。井本さん曰く、「正福寺の『六道絵地獄極楽絵』はとても有名で、水木しげるさんの妖怪画の原点にもなった」とのこと。静寂に包まれながら、歴史を感じる筆達(ふでだち)をみていると、「三徳山三佛寺(みとくさんさんぶつじ)」で伺った六根洗浄の気持ちがよみがえります。
海を見わたす展望台に憧れて「夢みなと公園」を目指す
「正福寺」を出発しようとすると、天気が雨模様に。
雨でも楽しめる施設を探していると、境港(さかいみなと)市の周辺に来てからずっと気になっていたタワーを思い出しました。その名も「夢みなとタワー」。海沿いの広大な公園「夢みなと公園」の中に建てられている施設で、境港市のランドマークとも呼ぶべき存在。公園内には、西日本最大級の市場「境港さかなセンター」もあるらしく、花より団子の後押しを得て、次の目的地が決まりました。
「正福寺」から車で8分。「夢みなと公園」に到着します。「夢みなとタワー」に入る前に、「境港さかなセンター」へちょっぴり寄り道。
「境港水産物直売センター」がお休みだった反動から、勢いで入ってしまいました。この食欲はどこからやってくるのでしょう(笑)。
市場をぐるりと回って気になったのが、こちらのかにみそのびん詰め。境港市でとれた蟹から、かにみそをとってびんに詰めた、まさに素材の味をそのまま楽しめる商品。そそられます。
市場のお兄さん登場!
「境港水産物直売センター」で蟹を値引きしてもらった一件から、「今回も値引きしてくれないかな」と、厚かましい期待を抱いてしまいます(笑)。
値段交渉をしようと思ったら、ついつい雑談に花を咲かせてしまいました。鳥取県に訪れた経緯や、現地のお話など。ひと通り笑いあったところで、「では、税抜き価格の800円にお値引きしますね」とお兄さん。
お話を楽しませていただいたうえに、こんなに手厚いサービスまで……。鳥取県を旅していると、都会では忘れがちな人のあたたかみに触れられます。お兄さん、ありがとうございました!
そして、目的地である「夢みなとタワー」に。
展望室は地上43mの高みに位置し、窓いっぱいに日本海を望める、360度の大パノラマです。
登ってみると、やはり悪天候の影響から、曇り空が広がっていました。しかし、アクシデントや環境変化を楽しむのも旅の醍醐味。「夢みなとタワー」で楽しめるのは景色だけではありません。
ほかにも、中国やモンゴルなど対岸諸国6地域の生活・文化が展示されている「環日本海諸国展示」や、鳥取県の魅力を迫力の大スクリーンで楽しめる「夢みなとシアター」など、屋内施設も充実しています。
怪しい雲行きの中、妖怪の住まう「水木しげるロード」へ
さて、楽しかった鳥取県大横断も、終わりの時間が近づいてきました。
最後に訪れたのは、「水木しげるロード」。本来は、観光地として活気にあふれる有名な「水木しげるロード」も、雲行きの怪しく、薄暗い雰囲気だからこそ、すごみがあふれてきます。
境港市は、「ゲゲゲの鬼太郎」の作者・水木しげるの故郷。153体にものぼる妖怪のブロンズ像が配置されています。到着時間が遅かったこともあって、人の気配が希薄。少し雰囲気が怖かったです……。
妖怪もお金はほしいのですね(笑)。道中は、妖怪を用いたジョークにあふれており、観光客を飽きさせない仕掛けが随所にほどこされていました。
しばらく歩きましたが、開いているお店がほんとうにない……。ゴーストタウンに迷い込んだかのような気分に陥ってきました。到着時間が遅かった自分が悪いですね。
ようやく明かりの灯ったお店を発見!
名前は「妖怪食品研究所」。うん、たいへんな研究ですね。恐る恐るベルを鳴らしてみると……。
中からあらわれたのは、白衣を着た男性。ネームプレートを一瞥すると、「目玉ドクター」の文字が踊っていました。そこに目を向けないようにしつつ、お話をしてみると、とても気さくな方であることが判明。閑散としていた「水木しげるロード」での恐怖体験を吹き飛ばすような明るさでした!
「目玉ドクター」に、キャンプの情報メディアとして取材に訪れていることを伝えると、「『大山』でキャンプして、翌日に『水木しげるロード』を観光するキャンパーも多いですね」と教えてくれました。
商品の「妖菓目玉おやじ」は、見た目とは裏腹に、とても食べやすいおやつでした。中になにが入っているのかは行ってみてのお楽しみ。
最後に、自分のためのおみやげを。海鮮にはじまり、海鮮に終わる旅でした
「水木しげるロード」を抜けて、いよいよ帰路につきます。羽田空港行きの飛行機に乗るため、旅のゴールである「米子鬼太郎空港」に向かう道中、1件のお店を発見しました。
テイクアウトのお寿司屋さん。境港市でとれた新鮮なネタが詰まっています。
ここまで、海鮮づくしの旅路でした。鳥取県の新鮮な海の幸は、これからもきっと忘れられないほどおいしかった。幸せな食事を提供してくれた鳥取県に感謝を込めて、最後の最後まで海鮮料理を食べることに決めます。
海鮮にはじまり、海鮮に終わる。今回の旅は、そんな旅。
帰りの飛行機で「いただきます」。
鳥取県の海の幸を、ついに最後まで堪能しました!
編集後記
最後までご覧いただきありがとうございました。
「【編集部レポ】砂丘に山そして、蟹!鳥取の隠れた名所を求めて鳥取県東京本部へ!!」で急遽決まった鳥取県の東部・中部・西部を巡る大横断旅行。紹介した場所を自分で巡ったからこその発見がたくさんありました。
2日間の滞在を経て一番印象に残っているのは各地の観光スポット、そして一番記憶に残っているのは鳥取県に住む人々の温かさでした。
鳥取県の皆さん、本当にありがとうございました。
この記事を読んで「鳥取県に行ってみたい!」と思った方に朗報です!現在、ANAグループと鳥取県地域振興部交通政策課が共同で「鳥取応援プロジェクト」を実施中。旅行の際に活用できるお得な特典が満載です。この機会にぜひ一度、鳥取大横断旅行を体験してみてはいかがでしょうか。
「鳥取応援プロジェクト」のお問い合わせ窓口
鳥取県地域振興部交通政策課
TEL:0857-26-7099