ところで“トイレなし”でどう過ごすの?
生活に必要不可欠なトイレのないプライベートキャンプ場。どのように過ごしているのか、気になる人も多いのではないでしょうか。
トイレ事情
トイレは気軽に持ち運びできません。答えは簡単、私有地ですから自然の中で用を足します。
しかも今回は男だけのキャンプだったので実にワイルド。スコップを持って草陰に消えていきますが、みんな気にも留めません。
ちなみに筆者が子供たちと、父の“自分だけのキャンプ場”に行く時には、こうは行きません。特に夜間などは子供たちに「暗くて怖い!」と言われてしまいます。
そんな時のために、非常用のトイレを持参しています。
長距離移動の時など、急に「トイレ我慢できない!!」と言われた時にもあると安心なので、バッグと車に常備しているアイテムです。災害時にも活躍してくれそうです。
多目的な簡易テントの中で一緒に使用すれば、即席の個室トイレを作ることもできますよ。
お風呂事情
水が貴重なプライベートキャンプ場。お風呂やシャワーに使えるような水は用意できないので、お風呂もありません。
今回は、肌寒い時期だったので近場の温泉に行ったそうです。
群馬県は温泉地が多く、日帰り入浴施設が近場に何か所もあり、お風呂には困りません。
ちなみに夏場は、ポリタンクを余計に持って行って水浴びで済ますこともあるそう。
プライベートキャンプ場の魅力
最近よく父の造った“自分だけのキャンプ場”に行っている友人たち。
時には父がいない時に行くこともあるようです。
そこまで友人たちを惹きつける魅力は何なのでしょうか?気になったので、聞いてみました。
時間に縛られない
前編でも書きましたが、プライベートキャンプ場なので、いつ行っても大丈夫。
「キャンプ場に行くと、翌日朝からバタバタと片付けするのが結構大変なんだよね。のんびり自分たちのペースで過ごせるのが最高だよ!」と友人。
チェックインやチェックアウトがないので、時間に追われることなく過ごせるのが魅力です。
周りの音が気にならない
キャンプ場で宿泊すると、マナーを守って過ごしているキャンパーさんが多いとはいえ、やはり静寂とはいきません。
人の物音がないので、動物の声や木々や風の音が良く聞こえます。
プライベートキャンプ場で注意すること
自由で楽しいプライベートキャンプ場ですが、注意するべきこともあります。
野生動物に注意
一番気を付けなければならないのが、動物との距離感です。父の造ったプライベートキャンプ場がある立地は、実は別荘地にほど近く、元々クマなどの目撃自体が少ない場所なのだそう。
とはいえ、最近は山中だけでなく、里や街にまで野生動物が現れるニュースをよく目にします。山の中で過ごす以上、楽観的になることはできません。
クマだけでなくサルやシカ、イノシシなど様々な動物が生息する山の中なので、彼らが寄ってきてしまわないよう、人が活動している間は音を出して、こちらの気配を野生動物たちに知らせます。
就寝前には、食べ物やキャンプ道具などを放置しないようにしています。しっかりと密封した上で、車の中に入れるなど、動物と人ができる限り出会わない努力をします。
また、自治体から熊など野生動物の出没情報が発信されることもあるので、ホームページをこまめにチェックするようにしています。
ゴミはしっかり持ち帰る
プライベートキャンプ場は、管理されていないので、自分たちが気を付けなければ無法地帯になってしまいます。
別荘地などであれば、ゴミステーションがあるところもありますが、基本的にゴミはしっかりと持ち帰ります。
そのため、キャンプに行く準備の段階で、ゴミを少なくするように意識していきます。
父と友人が仲良くなった理由
実は、父と、“アウトドア業界の中の人”である友人が、気の合う仲間になったのは、こちらの記事がきっかけ。
↓ 父が造った山の中のプライベートキャンプ場の話 ↓
山ごもりをしている父。知らぬ間に“自分だけの”理想のキャンプ場をつくっていた話
キャンプメディアLANTERNで父の記事を書いた際、キャンプ好きな友人に「良かったら読んでね~!」と記事のURLを送りました。
「そして、こんな人生の楽しみ方があったなんて!会ってみたい!」との事で紹介したのがきっかけ。
年の差はあれど、気の合った二人は、あれよあれよという間に仲良くなりました。今となっては筆者抜きで遊ぶほどの“仲間”になっています。大人になってからの出会いは、どこに転がっているかわかりませんね。
最高の休日を終えて
今回のキャンプを終えて、「こんなに最高のキャンプは初めて。人生で本当に大切な時間だった」と言っていた友人ですが、最後に、「ちょっとだけ困ったことがあって…」と教えてくれました。
プライベートキャンプ場から帰った後、別のキャンプ場へ遊びにいったところ、今まで全然気にならなかった周囲の音に対して敏感になってしまったそう。「静かなプライベートキャンプ場に耳が慣れてしまったんだろうね」と苦笑いしていました。
最後に、キャンプを終え山登りに向かったタフな友人から再び連絡が。
深夜に宿泊地から目的地の山までの道を、スマホのナビアプリで検索して向かったそうです。
その際、スマホアプリに「本当に車が通っていい道なの?」と思うような経路を案内されてしまい、深夜の山道を50頭はいるであろう鹿の群れと並走するという事態に出くわしてしまったそう。
「暗いし、道もわからないし、見渡す限り鹿だらけだし、怖かったよ……」と話してくれました。
聞いている分には笑い話ですが、実際にその場面になってしまったら怖いなと思います。何事も下調べが肝心ですね。
最後に来た連絡は「登頂しました!」との報告。本当にアウトドアが好きな友人です。
そして、楽しそうな友人たちのキャンプが羨ましすぎた筆者。
居ても立ってもいられず、そのあと弾丸スケジュールで子供たちを連れて山ごもりに向かいました。
父の造った“自分だけのキャンプ場”は、相変わらず静かに私たちを出迎えてくれました。
動画でもキャンプの様子をチェック
今回の友人と父とのキャンプの様子は、彼のYouTubeチャンネルで公開しています。併せてチェックしてみてくださいね。