スキーにスノーボード、スノートレッキングなど、冬ならではのアウトドアアクティビティが楽しめる時期になりました。冬のアウトドアは白銀の景色を眺めながら体を動かせる一方で、特別な装備やスキルが必要になりがちです。
冬の北欧は高緯度地域に位置するため日照時間が極端に短く、どんよりとした天気が続き、そして寒いために憂鬱な気分になりがちです。そんな北欧の国々に住む人たちは、そんな憂鬱な気分を吹き飛ばすために冬もアウトドアアクティビティを楽しんでいます。
北欧の国々の中で最も南に位置するデンマークは、“パンケーキのような国”と呼ばれるほど平らな国で、基本的に山と呼べる場所がありません。そんなデンマークではノルウェーやスウェーデンのように氷点下20度の極寒にさらされることや、山の中で遭難する危険が無いため、高度な技術や特別な装備がなくても、気軽に冬のアウトドアを満喫できます。
今回は、観光客でも気軽に楽しめるデンマークの冬のアウトドアアクティビティの紹介や、サウナや寒中水泳などデンマークなど北欧の冬の文化を紹介していきます。
冬ハイキング
前述の通りデンマークには山がないため、冬のハイキングにピッケルやアイゼンなどの特別な装備がなくても気軽に楽しめます。雪が降っても滑落の心配がなく、丘陵や森の中を散歩でき、時には放牧されている家畜たちと雪遊びの場所を共有できます。
地形に高低差が少なく、曇りがちのどんよりした天気の日が多く、それでいて雪が降ることの稀な冬のデンマークは、他の北欧の国々とはまた違った、独特の景色を楽しめます。
人工的な街と森や草原といった自然の距離が近いデンマークは、市内から少し足を伸ばせば無料で気軽に楽しめるハイキングコースがあります。国内のあちこちにそのようなコースが整備されており、コースに近い街には無料案内所もあるので、観光中に気が向いたらハイキングを体験できるのが魅力です。
注意する点としては、風の強い日が多く、小雨が降ることも多いので、ハイキングシューズと防寒具だけでなく、ウインドブレーカーやレインウエアを準備して冬ハイキングに出かけましょう。
「北欧の国なのに雪が降らないの?」と疑問に思う方も多いと思います。実はデンマークで雪が降るのは稀です。それでも全く降らないというわけではないので、珍しく雪が降った時には、特別な雪のハイキングが楽しめます。冬のデンマーク観光で、貴重な降雪や積雪に巡り合わせたら、近くのハイキングコースで雪景色楽しむ散歩に出掛けてみましょう。
サイクリング
デンマークは起伏が少ない地形のため、自転車移動に適していて、多くの国民が自転車を利用しています。かつて近隣諸国に舟で渡り交易を行っていたviking(ヴァイキング=交易民)からbiking(バイク=自転車乗り)へというキャッチコピーもあるほど、自転車大国として知られています。
そんなデンマークでは植林中の森の中やゴミの埋立地など、国内のあちこちにサイクリングコースが数多く整備されています。これらのサイクリングコースはもちろん無料で利用でき、気軽にサイクリングを楽しめます。
レンタサイクルのショップも充実しており、マウンテンバイクだと1日399dkk(デンマーククローネ。1dkk=21円計算で、約8,400円)程度で借りることができます。ヘルメットのレンタルができるショップもあるので、観光客でも幻想的な冬のデンマークの森の中や丘陵を駆け抜けることができます。
前述の通り、デンマークでは雪が滅多に降りませんが、積雪すれば雪景色を見ながら、森の中を疾走することができます。スキーなどのスノーアクテビティの代わりに雪中サイクリングを楽しむ人も多いです。
デンマークは北欧の国々の中で最もサイクリングアクティビティに適した国で、多種多様なコースを自分のレベルに合わせて駆け抜けることができます。
デンマーク観光の際にも気軽に楽しめる冬サイクリング。暗くてどんよりした独特なデンマークの冬の景色を、自転車に乗って眺めてみるのも良さそうですね。
クリスマスマーケットで外ご飯作り&限定ビール
北欧の人々は冬になると全力でクリスマスを楽しみます。11月ごろからあちこちでクリスマスマーケットが開催され、賑わいを見せています。
デンマークをはじめとする北欧のクリスマスは、1年で最も日が短い冬至を祝う冬至祭に由来します。この冬至祭はデンマーク語でJul(ユール)と呼び、今ではクリスマスを意味する言葉になっています。
北欧は独自のクリスマスである「Jul」の文化を育んでおり、クリスマスマーケットでは北欧ならではのクリスマスフードやドリンクを売られ、その雰囲気に浸ることができます。各クリスマスマーケットによっては、焚き火コーナーが設置されていて、「焚き火パンケーキ」を焼いて食べることができます。
クリスマスマーケットでパンケーキ作りや焚き火が体験できるのは嬉しいですよね。他にもデンマークならではのクリスマスフード「エイブルスキーバー(Æbleskiver)」北欧版ホットワイン「グリュッグ(gløgg)」も売られているので、マーケットを楽しみつつ、食べ歩きするのもおすすめです。
また、クリスマスの時期には限定ビールが売られているので、焚き火にあたりながらビールを楽しむことができます。クリスマスの雰囲気だけでなく、焚き火や北欧ならではのフードも楽しめるデンマークのクリスマスマーケット。この時期にデンマーク旅行をする際には、ぜひ足を運んでみてください。
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冬キャンプ
日本と同じくデンマークでも一般的なキャンプシーズンは夏です。一方で、冬ならではのキャンプを楽しむ人も日本と同じように一定数いて、中でもデンマークでは“クリスマスキャンプ”が人気です。さらにこれも日本と似ていますが、デンマークでもコロナ禍の自粛期間中にキャンプ人気が高まり、冬でもキャンプ場が満場になっていることもあるのだそうです。
デンマークには、国内のあちこちにシェルターキャンプ場があります。「シェルター」とは、屋根のある木製の宿泊スペースです。テントがいらなくなるので観光客でも少ない装備で気軽に冬キャンプを楽しむことができます。
人気の観光シーズンは夏というデンマークですが、あえて冬に訪れてキャンプを楽しみ、その曇天の下で独特な雰囲気に浸るのも楽しそうです。
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サウナ&寒中水泳
サウナ発祥の国のフィンランドだけでなく、デンマークでもサウナは人気です。熱した石に水をかけて水蒸気を出すロウリュ式サウナが一般的で、日本ではキャンプなどアウトドアレジャーやアクティビティ帰りに温泉へ行くことが多いですが、デンマークではサウナに行って疲れを癒します。
冬の温泉が最高に気持ちいいのと同じ感覚で、サウナは冬が一番と言う人が多いそうです。特に冬のデンマークでは、あえて寒い中、冷たい海に浸かるという独特な海水浴を楽しむ人が多く、その後にサウナに入って体を温めるスタイルが人気です。
日本では、サウナで体を温めてから水風呂・外気浴することで「ととのい」を楽しみますが、それとは逆の手順で楽しむデンマークの冬の「海水浴×サウナ」。ほんの数十秒から2分程度、海水に浸かってサウナに入ると、鬱々とした気持ちが飛んでいき、リフレッシュできるそうです。
デンマークには海沿いに”Harbor Bath”と呼ばれる海水浴スポットに更衣室、シャワー、時にはサウナまで備わった施設がいくつかあります。街のツーリストインフォメーションや自治体のウェブサイトに情報が乗っており、観光客でも無料(もしくは安価)で利用できるのが嬉しいところですね。
冬のデンマークでハイキングやサイクリング、キャンプなどのアクティビティの後はデンマークサウナでゆっくりヒュッゲな時間を過ごしてみるのも良さそうです。
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北欧アウトドア『C. Gateway Aps』では、普通の観光では味わえない、北欧の自然とアウトドア文化を体験できる北欧ネイチャーツアーを日本人向けに提供しています。現在、2024年の夏休みにデンマークでハイキングやサウナを楽しめるネイチャーツアを企画中です。
ツアーでは日本の温泉文化と似ているようで、ちょっと違うデンマークのサウナ文化も体験できる予定です。良ければ弊社Webサイトで「デンマークのハイキングVlog」を見て北欧アウトドア気分を味わってみて下さいね!