アウトドア×アイスクリームで感じる北欧の春。「食べる前には注意が必要!」という日本人には珍らしい“あの味”も紹介

公開日:2024 / 04 / 07
最終更新日:2024 / 05 / 13

北欧の冬は日照時間が短く、どんよりとした天気が多くなります。そんな暗くて寒い冬が明け春が来ると、晴れの日が増えてきて、日照時間も徐々に長くなってきます。そうなると、北欧の人々は待ってましたと言わんばかりに、太陽を求めてハイキングやウォーキング、サイクリング、そしてキャンプに繰り出します。

そんな北欧の春は、期間限定のアイスクリーム販売店がオープンする時期です。アウトドアのお供に大人も子供もアイスを味わって春の始まりを楽しんでいます。実は北欧の国々はアイスクリームの消費量が多く、例えばノルウェーだと年間消費量が一人当たり11.9Lで世界4位。フィンランドだと13.0Lでなんと世界3位なんだそう。ちなみに日本は年間消費量が6.0L。いかに北欧の人々がアイスが大好きでたくさん食べているかがわかりますよね。(※)

アイスクリーム販売店が少ない地域では、鮮やかな青色の移動販売車をよく目にします。長い冬に家にこもっていた人々がアウトドアレジャーに繰り出すと、春の訪れを告げる移動販売店がやって来るのです。みんながニコニコとしながらアイスクリームを買いに来るのを見ていると、こちらも何だか心が弾んできます。

アウトドア×ビール、アウトドア×コーヒーといった組み合わせが日本と同様に人気の北欧ですが、アウトドア×アイスクリームも同じように楽しまれています。太陽の下、陽射しの恵みを感じながらアイスを口にすれば、北欧の貴重な春や夏を感じることができるに違いありません。

というわけで今回は、北欧デンマークでの「春のアウトドア×アイスクリーム」の文化と魅力を紹介します。

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春はアイスクリーム販売店が続々オープン

春になると大人も子供も男性も女性も、ニコニコとアイスクリーム販売店に並んでアイスを買って頬張る、そんな姿がデンマークのあちこちで見られます。もちろん日本と同様にアイスクリーム製品の本番は夏ですが、春に販売店がオープンすると、アイスを買い求める人が多くなります。もちろん、スーパーなどでは年中アイスクリームを売っていますし、通年営業のアイスクリーム販売店もありますが、春と夏に季節限定でオープンするアイスクリーム販売店が多いのも、北欧の人々のアイスクリーム好きを物語っています。

日本でもアウトドアでのアクティビティで体を動かして、太陽の光をたっぷり浴びて食べるアイスは本当に美味しいですよね。日本と同様に北欧デンマークも酪農が盛んで、濃厚なミルクの風味を味わえるアイスクリームをお手頃価格で買えるのが嬉しいところ。

街のあちこちにある色鮮やかな外観をしたアイスクリーム販売店や、ハイキングコースの間など「ここでアイスを食べたい」と思えるスポットにある期間限定のアイスクリーム販売店を見掛けるたびに、心が沸き上がります。デンマークの人々も、きっと同じ気持ちではないでしょうか。

昔ながらのワッフルアイス

北欧デンマークのアイスクリームの定番といえば「昔ながらのワッフルアイス」と呼ばれる独特のアイス。これは大きなワッフルコーンに指定したフレーバーのアイスとマシュマロクリーム、ジャムを“ドンッ!”と乗せたもので独特の味わいを楽しめます。

筆者も何度か食べたことがありますが、マシュマロクリームがアイスとの相性がよく、大きいサイズながら飽きずにぺろっと食べられちゃうんです。

味わいだけでなく、カラフルな色合いも人気の理由の一つで、デンマークの夏の定番として現地で知られています。もちろん春にちょっとフライングして食べることもできますよ。デンマークを観光する機会があったら、ぜひ食べてみてください。

アイスクリームの移動販売車

アイスクリーム販売店が少ない郊外などでは、青色に塗装したカラフルでかわいいアイスクリームの移動販売車がゆっくり呼び込み音を鳴らしながら走っています。その音を聞いた人々は、大人も子供もウキウキとした様子でアイスクリームを求めて走ってきます。購入したばかりのアイスクリームを笑顔で頬張る人々の顔は心なしかみんな笑顔に見えます。

ちなみに、ここで買えるアイスクリームは、実はスーパーで売っているタイプの製品です。でも、出先で思いがけずアイスを買えるのは嬉しいですよね。日本の駅や道の駅、観光地などで見掛けるアイスクリームの自動販売機を見掛けると、つい買ってしまう感覚に近いかもしれません。他の北欧の国、例えばスウェーデンなどでもアイスの移動販売車が走っているそうなので、観光で北欧を訪れた際にカラフルな移動販売車を見掛けたら、気軽に買い求めてみてはいかがでしょうか。

日本人には珍しい!サルミアッキ味のアイス

ところで北欧でアイスを買うときには注意点があります。黒いコーティングのチョコレートアイス、と思って買ったら「サルミアッキ味」だった、ということがしばしばあるんです。

サルミアッキとはリコリスというハーブから抽出した成分で作られた味で、黒い「ハリボーグミ」で食べたことがある人もいるのではないでしょうか。慣れたら美味しいと感じますが、初めて食べると少々インパクトのあるお味。

このことをデンマークの友人に話したら「私も日本に行った時、チョコレート味だと思ったら“あんこ”だったことがあってびっくりした」と言っていました。こういう国ごとの「あるある」な味の勘違いを楽しむのもまた乙なものなんでしょう。

春を楽しむ北欧の人々

ここまで書いてきて、こんなことを言うのは気が引けますが、北欧の春は日本人がイメージする春よりも気温が低いんです。

北欧の春は天気が変わりやすく、さっきまで太陽が顔を出していたと思ったら、どんよりした雲が出てきて、冬のような寒さに震える、ということがしばしばあります。それでも春を楽しみつくす北欧の人々。気温が10度前後しかなくても、なんと水着で日光浴を楽しむ人もいます。それだけ冬が暗く厳しい、ということの裏返しかもしれませんね。

日本でも春の訪れとともに、アウトドアアクティビティを楽しむ人が増えますよね。サービスエリアや道の駅、最近ではキャンプ場などでも地域の名産品を原料やフレーバーにしたソフトクリームが売っていて、思わず買い求めてしまう人が多い印象です。なんだか遠い北欧との共通点が興味深いですね。もしかしたら、春のアウトドア×アイスクリームは、世界共通の娯楽なのかもしれません。

世界各国の1人当たり年間消費量|データでみるアイスクリーム

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みう

キャンプ、登山、ハイキングやスキーが趣味の元エンジニア。週末に車中泊仕様の愛車ジムニーに乗ってあちこち出かけています。

北欧の国デンマークで1年間、現地流アウトドアを現地の学校で学びながら満喫。

Instagram:@miu_jn3tbz
ブログ「デンマーク徒然日記」:https://note.com/miu945

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