毎日を彩るハイセンスなアウトドアギアに出会える「GOOD DAILY HUNT(グッドデイリーハント)」【ふらっとショップ探訪 #33】

公開日:2024 / 07 / 28
最終更新日:2024 / 09 / 10

みなさんはキャンプのギアをどう選びますか。ネットに情報があふれる時代、無数のレビューを見比べて、とりあえず無難なものを購入していた筆者。いつしか実物を手に取って選ぶ機会も少なくなりました。

そんな折、何気なく立ち寄ったのが個人経営のアウトドアショップ。選りすぐりのギアや珍しいガレージブランドなど奥深い世界が広がっていました。

ネットや量販店とは一味違う魅力を放つショップを巡る連載「ふらっとショップ探訪」。第33回は、「GOOD DAILY HUNT(グッドデイリーハント)」(福岡県糸島市)を紹介します。

日常にワクワクを届けるショップ

福岡県糸島市のJR筑前前原駅から歩くこと約5分。こじんまりとしたビルの2階で営まれているのがグッドデイリーハント。店名には、より良い日常を積極的に捕まえにいく、という思いが込められています。

糸島は博多駅から乗り換えなしの約40分でアクセス可能です。海が近く自然豊かな糸島は家族連れにも人気があり、近年は移住者も増えている注目のエリアです。

代表の林博之さん(49)も移住者。元々は東京でアウトドア・キャンプ用品の輸入販売会社・エイアンドエフに勤務。その後、新天地を求めて2012年に家族で糸島に移住しました。

移住してからはアパレル、バッグ、アウトドア、木工、雑貨ブランドの営業代行を生業とし、それらを実物で見られる場を設けようと2016年に同店をオープンさせるに至りました。

前職で培った林さんの目利きで国内外から取り寄せたギアは、どれも実用的でデザイン性が高いものばかり。アウトドアシーンはもちろん、日常使いや災害時にも役立つものが多数並びます。壁面には有孔ボードなどを活用し、一覧性の高いディスプレイとなっています。

ジャンルにこだわらない便利グッズ

林さんのセレクトの基準は「自分が熱をもってお客さんにおすすめできるかどうか」。プロダクトの魅力だけでなく、ブランドの背景や取り組みへの共感も大切にされています。さらにアウトドアを軸にしつつも、ジャンルに捉われないブランドの選定が特徴的です。

こちらは、350ml~2Lと幅広いサイズに対応するという今までにないボトルケース「WRAPii(ラッピィー)」。カバンを持たない人でも気軽に飲み物を持ち出せるおしゃれで便利なケースです。

超コンパクトなエコバッグ「INBENTO(インベント)」はコンビニのレジ袋をモチーフにしたもの。底に施されたマチによって弁当を入れても傾きにくいのもうれしいポイント。日常を彩るアイデア満載のギアの数々は見ているだけでも飽きません。

海と山を考えるきっかけ作り

店内中央のテーブルに並ぶ色とりどりの雑貨の数々。実はこれ、神奈川県横浜市にあるプラスチック加工メーカーである「テクノラボ」さんが立ち上げた、海洋プラごみを使ってモノづくりするbuoy(ブイ)というブランドなんです。海洋ゴミ問題に関心を持ってもらおうと、日本各地の海岸に漂着したプラスチックから、コースターやトレイ、キーホルダーなど美しい工芸品を製造しています。

ラベルをよく見ると、「呉」「粟島」「若狭湾」などの地名が記されていることに気付きます。これは、材料となった海洋ゴミがどこで拾われたかを示しており、しっかり「糸島」のものも並んでいました。

林さん自身もビーチクリーンに参加しているだけでなく、海ゴミを使った工作体験イベントなどを毎年主催するなど、海と人をつなぐ活動に積極的に取り組まれています。

さらに林さんは、「山の問題を多くの人に知ってもらいたい」という思いから2017年、仲間と共にイベント「THINNING(シニング)」をスタートさせました。以来、荒廃林の問題や間伐の必要性などを全国各地で発信しています。

店では、糸島の間伐材を使ってアルファベットや数字の文字を作っているプロダクト「KINO5108(キノコトバ)」を購入することも可能。自由自在に組み合わせられるので、DIYをする人などに人気を集めています。

代表のおすすめ3選

romoの「WERKE」

「シンプルで使い勝手の良いものを作る」というコンセプトでモノづくりをされているromo。こちらの木製アロマ加湿器・WERKEは、オーク材の温かみのある質感に、洗練されたデザインが特徴です。

林代表の一言メモ
「小ぶりなサイズ感なので出張先で卓上使いしても邪魔になりません。アウトドアシーンならアロマオイルを垂らせばして虫よけとして使うのもありですよ」

ROOMSWINGS(ルームウィングス)のエプロン

ROOMSWINGSは「着ごこち・着やすさ・着がるさ」をモットーにオリジナルのワークエプロンを製作しているメーカー。キャンプをはじめ、DIY、ガーデニングなど色んなシーンにマッチする工夫が満載です。

前面と背面それぞれにポケットとハンガーループを配置。それでいてシンプルで洗練された印象があり、プロダクトとしての完成度の高さを感じさせます。男女兼用フリーサイズで使う人を選ばないのも魅力的なポイント!

林代表の一言メモ
「ワークエプロンと言えば帆布や革を使ったヘビーデューティーなものが主流ですが、こちらは綿100%なので日常使いできる軽やかさがあります。自宅で気軽に洗えて、すぐに乾いてくれるので便利です。」

MiiR(ミアー)のステンレスマグボトル

アメリカシアトル発のMiiR。保温・保冷力に優れたダブルウォール真空断熱材で作られており、夏でも冬でも年間を通じて飲み物の温度を長く保ってくれるボトルです。マットな質感に控えめなロゴで洗練されたデザイン。カラーバリエーション豊富で毎日持ち出したくなる逸品です。

MiiRの全製品にはGive Codeと呼ばれるトラッキングナンバーが刻印されているのが特徴。購入者はQRコードからその製品が支援している社会問題のプロジェクトを知ることができるという仕組みが採用されています。

林代表の一言メモ
「購入者が目に見える形で支援を追跡できるので、参加している感が増して問題意識がより広がるはず。単なる寄付ではなくエビデンスまで示してくれるという仕組みは一歩先を行っています」

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まとめ

今回の取材では山や海を取り巻く様々な環境問題に向き合う林さんの姿勢が印象的でした。アウトドア業界は豊かな自然があってこそ。そんな当たり前のようで忘れがちな原点に立ち返るショップ探訪となりました。

「GOOD DAILY HUNT(グッドデイリーハント)」基本情報

所在地:福岡県糸島市前原西1-7-20 矢野ビル 2階
営業時間:12:00〜17:00、日月定休
TEL:092-332-8994
公式インスタグラム:https://www.instagram.com/gooddailyhunt/

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ブッシュトモロー

アウトドアライター。新聞記者を経てフリーに転身。アウトドア業界や野外活動の現場で取材執筆に携わる。主に夏は登山、冬は狩猟という生活スタイルで、ネタと獲物を日々追っている。
Twitter:@bush_tomoro

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