子供の熱中症の症状の見分け方・応急処置・予防対策を、救急の現場で約20年勤務し、週末は息子2人を連れてのアウトドアライフを楽しむママ小児科医が、アドバイスします。
小さな子どもの熱中症が疑われる症状
急におとなしくなったり、不機嫌になってぐずぐず言い出したら要注意です。
言葉を話せる年齢の子どもであれば「頭痛い…」「気持ち悪い…」と言い出す状態と考えましょう。
急に足が痛い!!(歩けない!)と泣き出す場合もあります。
いわゆる「足がつる」という状態で、これも熱中症の症状のひとつです。
“なんとなく気になる” が大切!
乳児の熱中症の症状を調べると「おしっこの量が少ない」とか「顔色がわるい」など書いてありますが、そうなる前に気づくことが大切です。
いつもと同じ状態のうちからこまめに水分補給をしたり、からだに霧吹きをかけましょう。
「普段より泣き方にハリがない。」「身体が少し熱い。」「大量に汗をかいている。」…など
なんとなく気になる時点で熱中症の手当を始めましょう。
乳児や幼児・小児の熱中症の応急処置
涼しいところに移動して仰向けに寝かせる
外であれば日陰に移動し、風があたるところを探しましょう。
風がなければあおいで風を作りましょう。
キャンプ場であればタープの下や木陰などが良い環境ですね。
服をゆるめて、保冷剤で首のまわり・脇の下・足のつけねを冷やす
これらの部分は、体表近くに太い血管が走っているため、体温を下げるのに効果的です。
霧吹きなどで肌に水をかけたり、水で濡らしたタオルでふいたりしましょう。
水が蒸発するときに周りの熱を奪うことを「気化熱」といいます。
霧吹きは、水を霧状にして細かい粒にすることで、温度を下げる事にも効果的です。
子どもの熱中症 3つの特徴
1. 背が低い分、地表の熱の影響を受けやすい
幼児の背丈だと、大人と比較して、3度くらい高い環境ですごしています。
2. ことばで症状をうまく伝えられない
移動中に、普段よりも些細なことでイライラする、泣き出す……こんなときは要注意です。
3. 遊びに夢中になって体の変化に気が付かない
小学生でも「さっきまで元気だったのに、急にぐったりして……」という事がおこりがちなのです。
水遊びをしていると、冷たくて気持ちよいので、本人たちも油断しがち。
大人が意識して水分をとるよう声かけしましょう。