トマトとライムの爽やかなソースの鯛料理。メキシコの「ワチナンゴ・ア・ラ・ベラクルサーナ」【キャンプでつくる世界のレシピ vol.8】

公開日:2021 / 06 / 17

魚を丸ごとつかって作るアクアパッツァは、見た目も華やかで気分が盛り上がります。フライパンで煮込むだけで簡単に作れるため、アウトドアでも定番の料理となっていますね。

今回紹介するメキシコのワチナンゴ・ア・ラ・ベラクルサーナもフライパンひとつできる魚料理で、トマトとライムの酸味にハラペーニョの爽やかな香りが淡白な白身魚とよく合う、夏におすすめの料理です。

今回は入手しにくい生のハラペーニョの代わりに緑のタバスコを使って、本格的な風味を損なわずに作りやすいレシピでご紹介します。

地中海の影響を色濃く受けた、メキシコ ベラスクスの郷土料理

ワチナンゴはメキシコでとれる鯛の種類。ベラクルサーナはメキシコ湾にある“ベラクルスという都市のソース”という意味となります。

ベラスクルスはスペインがメキシコ征服するにあたり、メキシコで初めて植民都市とされた土地で、その後は西欧との交易の要となる都市になりました。

このような歴史のある土地の郷土料理ワチナンゴ・ア・ラ・ベラクルサーナは、トマト、オリーブ、ケッパーを使うなど地中海の影響を色濃く残しながらも、ハラペーニョやライムがメキシコの雰囲気を感じさせる料理です。

作り方は、魚と一緒にソースで蒸し焼きにする場合と、焼いた魚に後からソースをかけるバリエーションがあります。

今回は蒸し焼きをする方法を紹介しますが、魚がまるごと入る大きさの鍋やフライパンがない場合には、魚をグリルで焼いてからソースをかけるとよいでしょう。

また、鯛の骨は喉に刺さりやすいため、子どもがいる場合には骨を取りのぞいた切り身を使うとよいと思います。それぞれのスタイルに合った方法で作ってみてください。

材料(2人分)

  • 鯛:小さめのもの1匹(約400~500g)
  • 玉ねぎ:中1/2
  • トマト缶詰:1缶(400g)
  • ライム:1/2個
  • グリーンオリーブの実:8個
  • ニンニク:2かけ
  • タバスコ・ハラペーニョソース:小さじ2
  • オリーブオイル:小さじ2
  • 粗塩:小さじ1(細塩の場合は、小さじ1弱)

鯛は脂の少ない天然で小さめの鯛がのよいのですが、真鯛は価格が高くなりますので、チダイ(チコダイ)やレンコダイがおすすめです。また、イサキやメジナなどを使うのもよいでしょう。

今回は缶詰のトマトを使いましたが、生の完熟トマトを使って作るとまた違った美味しさがあります。

缶詰を使うとトマトソースのような濃厚さとなり、生のトマトを使うと軽やかな味わいになります。缶詰と生のトマトを合わせて使うのもおすすめです。

生のハラペーニョ(辛味の少ない青唐辛子)は入手しにくいこともあり、代用として緑色の「タバスコ・ハラペーニョソース」を使用しています。

スライスしたハラペーニョの瓶詰めなどもありますが、使いどころが少なく残してしまいがち。タバスコ・ハラペーニョソースはハラペーニョの香りがストレートに感じられるソースですが、開封しても悪くなりにくく、肉や魚のほかサラダなどいろいろな食材に合わせやすいのでおすすめです。

タバスコ ブランド以外の緑のホットソースはハラペーニョを使っていない場合がありますが、他のブランドのものを使っても大丈夫。ただし、辛味が強い場合があるので味見をして量を調整してください。

オリーブの実も使いどころがわかりにくかも知れませんが、そのままおつまみとして食べられます。アウトドアなどで食事の後にゆっくりお酒を飲むときによいおつまみとなります。

もし、ケッパーやイタリアンパセリがあれば蒸し焼きにする前に加えると、より地中海の雰囲気がプラスされます。

作り方

  1. 鯛はうろこを落とし、エラと内臓を抜く。表面とお腹の中にまんべんなく塩をすりこむ。

  2. ライム1/2個は飾り用に4-5枚スライスする。残ったライムを絞り、鯛の表面とお腹の中にかける。

  3. 玉ねぎは繊維に沿って2-3mmにスライスし、にんにくはみじん切りにする。

  4. フライパンにオリーブオイルを入れ中火でを温める。オイルが温まったらニンニクをいれ1分ほど炒める。

  5. 玉ねぎをいれ、透明になってしんなりするまで3分ほど炒める。

  6. トマト、オリーブの実、タバスコ・ハラペーニョソースを入れて沸騰するまで加熱する。

  7. 鯛をペーパータオルで拭きフライパンの中に入れる。鯛の上にソースをかけ、ふたをして強めの弱火で蒸し焼きにする。

  8. 途中10分くらいで蓋を開け、水分がなくなり焦げ付きそうになっていれば水を足す。

  9. その後、5~10分(合計15~20分)、鯛の中心に火が通るまで蒸し焼きにする。

  10. 飾り用にスライスしたライムをのせて出来あがり。

この料理のソースは、メキシコで有名なトマト、玉ねぎ、ハラペーニョ、香菜(パクチー)で作る「サルサ・メヒカーナ」を加熱して濃縮したようなソースです。

魚だけでなく鶏肉などいろいろな食材と合いますので、ぜひレパートリーにも加えてみてください。

また、タバスコ・ハラペーニョソースは、辛さが控えめで爽やかな風味を加えられるので、いろいろな食材と合わせやすい調味料です。香りの主張も強すぎないため、多用しても飽きないところも魅力です。
サルサ・メヒカーナのほか、いろいろなものに使えるので臆せず買ってみてください。

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小笹 翼

LANTERN 編集部の料理担当。

読む本の9割が料理本のレシピ本マニア。食べたことない料理や食材は Do It Yourself の精神で生きてます。

今まで読みためた知識を活かして、分かりやすく再現しやすいレシピを書きたいです!

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