「アウトドアと相性抜群の本」のその前に…
――と、その前に「快適に本を読む環境」のお話をさせてください。
まずは本を読む場所を確保しなければいけません。確保と言っても、椅子とテーブルを置けば完成です。椅子は好みによるのですが、可能な限り実際に座って買うことをおすすめします。と言うのは、有名ブランドの椅子や高価な椅子が自分にとってベストであることは少ないからです。
読書に限らず、キャンプは多くの時間を椅子で過ごします。できる限りブランド名に囚われずに座り心地の相性で選んでいただければと思います。僕は「Byer of Maine(バイヤーオブメイン)」というアメリカの椅子が最近のお気に入りです。
コンパクトさには欠けますが、高さと広さがずっと探していたそれでした。
読書ができる場所は何も自分のキャンプサイトだけではありません。
ハイキングコースの途中にあるベンチや切り株でもいいし、砂浜でもいいし、芝生の上でもかまいません。人様に迷惑がかからず、ゆっくり座ることができればどこでもいいのです(キャンプ場の共有部は管理人さんに確認しましょう)。
つまり、先ほど「椅子さえあれば」と書きましたが、座ることさえできれば椅子すらもいらないのです。
他にも必需品があります。5~9月は蚊取り線香です。場所によっては10月でも蚊はいます。痒みは集中力を削ぎます。
蚊取り線香ホルダーは百円ショップでも色々な種類が売っているので、できればたくさん用意して自分の周囲に魔法陣のように並べ「これでもか」というくらい景気よく炊きましょう。
蚊取り線香の香りの中で行う読書、大変集中できます。
ピンクの蚊取り線香は「パワー森林香」という商品です。一般的な蚊取り線香よりも厚みがあります。さらに虫除けの有効成分が従来品よりもたくさん配合されているプロ仕様です。
僕はパワー森林香の煙の中でポトリと落ちる蚊を何度か見ていまして、非常に厚い信頼を置いています。ホームセンターで手に入りますが、最近はアウトドアショップでも売っているのを見かけるようになりました。
金色のケースは「PUEBCO(プエブコ)」のものです。蚊取り線香ホルダーと持ち運び用のケースを兼ねています。アウトドア用品ではありませんが、美しい佇まいが森の中で際立ちます。
海辺のキャンプ場は読書にはうってつけのシチュエーションです。重要なのは海水浴場のシーズンオフに行くこと。
ビーチは貸し切り状態です。ひとり、波の音を聞きながら本の世界に没頭できます。水温が冷たくない時期であれば満潮に注意しながら足だけ海に入れても気持ちいいです。
「読書の秋」と言いますが、アウトドアにおいても秋が読書のベストシーズンです。
秋は直射日光が弱くなるので、タープを張らなくても良いのです。夏と違って想定外の雨も少なく、虫も少ない。早めに弱めの焚き火をして、ゆっくり読書ができます。
写真のチェアは「Hilander(ハイランダー)」のハイバックリクライニングチェアです。ハイバック&ヘッドレスト仕様の椅子、おススメです。
キャンプでは雨が降ることもあります。でも、本さえあれば雨も気になりません。逆に雨だと「もう読書くらいしかすることないな」と割り切れるので僕は雨が嫌いではありません。
タープをピンと張って、その下でゆっくり本を読む。タープは念入りに強めに張るとタープを叩く雨音が心地良く感じます。