これまでファミリーキャンプを楽しんできた我が家。しかし子供が成長し、キャンプに付き合ってくれなくなったのをきっかけに、“ファミリーキャンプの道具を使ってソロキャンプに復帰する”という内容の記事を書きました。
↓ 前回の記事 ↓
【持て余す?】ファミリー用のキャンプギアでソロキャンプに復帰してみてわかったこと
なんとその記事に多くの反響をいただいたそうです。ファミキャンからソロキャンに復帰、あるいはこれを機に初めてソロキャンにチャレンジしたいお父さん、お母さんが多いのかもしれません。
そこで今回は、前回のキャンプで設営や撤収、さらに帰宅後のアフターケアに不便を感じたファミキャン用のテントを、ソロテントに買い替えてみようと思います。とはいえ、自由に使えるお小遣いは思ったより少ない…。
というわけで、お父さん、お母さんのお小遣いの範囲で購入可能なソロテントの選び方と、注意点などをご紹介していきます。
なぜテントから買い替えるの?
テントの買い替えを決断した理由は、二つ。
一つは、ファミキャン用のテントの設営、撤収、アフターケアの大変さは、気軽にソロキャンを行うのに少し足かせになります。
そしてもう一つ、大きな理由が。
ファミリーテントの重さと収納サイズの大きさは、移動手段を車一択にしてしまう事があげられます。
前回の記事にも書きましたが、親が1人でソロキャンへ出かけるのに車を使ってしまうと、残された家族が二日間も車を使えない状況になります。
これは、ちょっと肩身が狭いですよね。
そこで、電車やバス、自転車などの様々な移動手段を選択できるように、UL(ウルトラライトの略)キャンプの装備に変更していこうと考えてみました。
それにはまず、最もかさ張るファミリーテントをULソロテントにするのが効果的だと考えました。
数千円で買えるソロテント?!
キャンプギアの進化は凄まじく、特にテントは一昔前の常識とはかけ離れた品質の高い製品がたくさん発売されています。
Amazonや楽天といった大手通販サイトには、「軽い!コンパクト!設営カンタン!」と紹介されたソロテントが、リーズナブルな価格で溢れています。
しかし、スペックをよく確認すると、キャンプでの使用に不安のあるレベルの残念な製品も混じっているので、注意が必要です。
メーカーのサイトを確認したり、通販サイトやSNSの口コミやレビューを見極める眼力が試されますね。ちなみに個人的には、メーカーのサイトが日本語対応していない場合は、購入対象の候補から外します。
ソロテント選びの条件は?
最適なテントには大きな問題が……
キャンプ場での使用を考えると、結露を考えてダブルウォールのテントが理想だと思います。
そしてバックパックに収める事も考えると、軽量でコンパクトである必要があるでしょう。
これらの条件を満たすとなると、厳しい使用環境にも耐える山岳テントが候補に上がってきます。
しかしここで大きな問題が。
ダブルウォールの山岳テントはかなり高額になります。
家族のレクリエーションとしてのファミリーキャンプではなく、ソロキャンは親の完全な趣味の為、お小遣いの範囲内で収めたい、と言う声を多く聞きます。
ちなみに子育て世代のお父さんのお小遣いの平均を調べたところ、3万円から4万円弱だそうです。仮にお母さんでも使える金額はそう変わらないと思います。
つまり、その金額内でやりくりすると、ソロテントの購入予算は2万円前後が妥当ではないでしょうか?
高額なテントは選択肢から外れました。
機能、価格の次にクリアすべき条件は?
次にテントの収納サイズを考えていきましょう。
気軽に電車バスの利用を考えると、30リットル前後のバックパックに収まるサイズが理想です。
30リットルのバックパックは、高さ55センチ前後の物が多いので、テントの収納サイズは55センチ以下が良いでしょう。
自転車への積載を考えても、55センチ以下であればハンドル幅よりも短い(ドロップハンドルを除く)ので、積載しやすいと思います。
重量は、1kgを切るのが理想ですが、超軽量サイズということでお値段が張ります。予算との兼合いで1kg台前半に妥協しておきましょうか。
また、キャンプ場で1人でタープを張るのは結構面倒なので、前室のウォールが跳ね上げられて、キャノピーになると便利です。そこで調理や焚き火も可能になりますし、急な雨でも快適に過ごせますね。
※火花によるテント類の穴あきには十分注意しましょう。
意外な落とし穴、耐水圧
雨と言えば、テントの耐水圧も重要なチェック項目。
個人的には、最低でも3,000mm以上の耐水圧が欲しいと思います。
ただしここでも注意点が。
耐水圧の試験は、メーカーによっても様々です。
例えば、1,500mmと表記されていても、それが生地全ての面での耐水圧なのかわかりません。フライシートだけでなく、フロアの耐水圧も確認が必要です!
条件を整理
条件を整理してみましょう。
- お小遣いの範囲内。2万円前後
- バックパックや自転車に積める軽さとサイズ。1.5キロ以内で、収納長さ55センチ以下。
- ダブルウォールで前室がキャノピーにもなる
- しっかりとした耐水圧。最低3,000mm以上
ULソロテント候補
4つの条件の中から、今回は4製品をピックアップしてみました。
モンベル ムーンライトテント1
画像引用元:モンベル公式サイト
リーズナブルなULソロテントの定番アイテムです。
モンベルのテントの中でも入門アイテムに位置付けられている印象で、初心者へのお勧めにも必ず候補にあがるロングセラーですね。
価格は30,580円(税込)。条件からはややオーバーしました。
本体重量は1.49kgと、条件にぴったりです。
収納サイズは本体が長さ30cm、ポールが長さ56cmと若干長く、耐水圧は2,000mmです。
残念なのは、前室のフライをキャノピーとしてタープ代わりにできない点。
今回の条件にあげた予算からは少しオーバーしますが、高い機能性やメーカーとしての安心感を考えると、とてもリーズナブルだと思います。
モンベル ステラリッジテント1
画像引用元:モンベル公式サイト
インナーとフライが別売りの本格的なULソロテントです。
価格は44,000円(税込)とだいぶオーバーしています。
本体とフライを合わせた重量は1.14kgと、かなり軽量です。
収納サイズは本体が29cm、ポールが41cmとかなりコンパクトで、耐水圧は1,500mmです。
ただしこちらも前室をキャノピーとしては使えません。
防寒用のスカート付きスノーフライも別売りしているので、至れり尽くせりです。
しかし、平地かそれに近いキャンプ場で使う分には、ここまでの性能は不要かもしれません。価格的にも、ハイスペックな分、ムーンライトテントと比べて高額です。
今回の条件からは大きくオーバーすると判断しました。
Naturehike Cloud Up 1 UL
画像引用元:ネイチャーハイク公式サイト
Naturehike(ネイチャーハイク)は、ネット通販で良く見かける中国製テントの中で、日本公式サイトがあり、筆者の周りのキャンプ仲間の評判も良いメーカーです。
素材の違いで幾つかのモデルがあり、重量や耐水圧、価格が変わります。
今回チョイスしたテントの価格は14,900円(税込)。
軽量モデルは、1.52kg(本体重量は記載なし)と、この値段でこの軽さは魅力的ですね。
収納サイズは長さ45cmとコンパクトで、耐水圧は4,000mmです。
やはりこちらも前室をキャノピーとして使えません。
縫製の雑さや、ファスナーの噛み込みなど、品質にばらつきがあるようですが、価格を考えると納得でしょう。
MOBI GARDEN LIGHT KNIGHT 1 JP
画像引用元:モビガーデン公式サイト
MOBI GARDEN(モビガーデン)も、ネット通販でよく見かける中国製テントメーカーです。
こちらも日本公式サイトがあり、また、日本向けに各部を見直して作られた「日本仕様モデル」が存在するのが嬉しいですね。
通常モデルは15,000円前後で販売されています。
今回選んだ日本仕様の「JPモデル」は、インナーテントの生地やポケット、ポールの長さ、フライの止め方など、微細な部分が実際のユーザーの声を反映して、使いやすく改良されています。
価格は21,800円(税込)。条件とマッチします。
本体重量は1.22kgとムーンライトテントを下回りかなり軽量です。
収納サイズは長さ40cmと、群を抜いてコンパクトで、耐水圧は4,000mmです。
しかもこちらの製品は前室のフライシートをキャノピーとして、タープ代わりに使用できます!
この機能、なかなか無いんですよね。
MOBI GARDEN LIGHT KNIGHT 1 JPに決めた理由
出典:モビガーデン公式サイト
ここまで挙げてきた製品の中から、筆者はULソロテント「MOBI GARDEN LIGHT KNIGHT 1 JP」を選びました。
「前室のフライをキャノピーとして使う」という点は、焚き火を楽しむソロキャンには重要な要素だと筆者は判断しました。
他のメーカーでも、キャノピーとして使えるテントはあったのですが、どれもキャンプ用品としての性能や品質に不安なものでしたので、こちらに決めました。
特筆すべきは、このテントの生地はポリウレタンコーティングではなく、防水性が高く、生地自体の強度も高くなるシリコンコーティングという点です。
一般的には、安価なポリウレタンコーティングで耐水コーティングされている生地が多いのですが、経年劣化しやすいと言われています。
この価格帯のテントで、シリコンコーティング生地を使っているテントは珍しいと思いました。
荷物の量の変化
ソロテントが届いたので、いよいよソロキャン装備を作ってみました。
ファミリーキャンプギアでのソロキャン装備と比較してみましょう。
テントが変わるだけで、荷物の量が大きく減ったように見えます。
ただ、これだけだとすべてをバックパックに積み込むのはちょっときついかも知れませんね。
装備を軽量にして次なるチャレンジは?
装備が軽量コンパクトになると、移動手段の選択肢が増え、旅の計画の自由度が上がります。
さらなる軽量化に向けて、次に買い換えるのは、寝袋あたりかな……。
ところで、筆者は子羊の肉が好きなのですが、家では家族が臭いと言うのでなかなか焼けません。「1人でのんびり焚き火で子羊をグリルし、お酒を飲むソロキャンプをしてみたい!」などと思い始めていました。
というわけで実は筆者、なんと無謀にも、50過ぎのおじさんがマウンテンバイクで、都心から埼玉のキャンプ場まで自走ソロキャンプにチャレンジしてみようと計画しています。その様子は別途レポートする予定です。どうなることやら……。
それでは、今回の記事はここまでにいたしましょう。