息子がキャンプに付き合ってくれなくなったことをきっかけに、ファミキャンからソロキャンへ復帰した筆者。ファミキャン用のアイテムでキャンプをしてみたところ、ソロキャン用のキャンプアイテムが欲しくなりました。
前回の記事では、複数の候補から新テントを買い替え、改めてソロキャンの計画を立てました。
↓ 前回の記事 ↓
【お小遣いの範囲内】パパはファミキャンからソロキャンへ!キャンプギアを買い替えてみた
都内から埼玉へ、MTBで自走キャンプに挑戦
筆者は48歳から、マウンテンバイク(以下MTBと略)を始めました。
MTB遊びの中で、何十年ものMTBキャリアを持つ同世代のレジェンドライダーの皆さんとも、ご一緒させて頂ける機会を得ていく中で、自分の体力の無さに愕然としました。
しかし同時に、アラフィフでもあんなに速く山を登れるんだ、と言う希望も見せつけて頂きました!
筆者は仕事柄、サプリメントをはじめ、いわゆるアンチエイジング的な生活習慣も取り入れていますが、脚力や持久力などは、やっぱり日々のトレーニングが重要になります。
そこで時間を見つけては、負荷のかかるMTBライドを積極的に行うように心がけています。
ですが、気が付くと、仕事や家事、暑さや寒さを理由にして、サボり気味になってしまうのが現実。。
今回、新調したソロテントを装備して、都内から埼玉のキャンプ場まで約40キロ弱の道のりを、MTBで自走する計画にチャレンジする事にしました。
チャレンジは計画と準備が大事!
実際の計画を立ててみました。
【旅の計画】
■都内自宅から“焚火会”が実施される埼玉のキャンプ場へMTBで自走
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■仲間と焚火会
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■ソロキャンプで1泊
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■輪行でさらに埼玉の山奥へ行き、里山でMTBライド
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■輪行で帰宅
さすがに自走での往復は厳しいと考え、帰りは輪行としました。
ちなみに“輪行”とは、自転車を電車やバスなどの公共交通機関に載せて運ぶことです。自転車を分解または折り畳み、専用の輪行袋に入れて、手回り品として車内に持ち込みます。
キャンプ場には仲間もいるので、ソロキャン装備は最低限度で良く、万が一トラブルがあっても助けてくれるので安心です。
50歳を過ぎてのチャレンジは、リスクヘッジしておくことも大切ですね。
とは言え、自転車で長距離を走った経験の無い筆者にとって、重たいMTBにキャンプ装備を積んで、一体何キロ走れるのか未知数でした。
練習で長距離走行に慣れる
いくらMTBでの走行自体には慣れていると言っても、40キロ弱の距離をぶっつけ本番で挑むのには無謀すぎると考えました。
そこで、多摩川のサイクリングコースを中心に、最初は20キロ、30キロと距離を伸ばしてMTBで走ってみる機会を作ってきました。
その結果、なんとか片道40キロ位なら、小休止を挟みながら無理なく走れる事がわかりました。
ソロキャン用に軽量化した荷物はそれでも15㎏
ソロキャンプ装備と里山ライド装備をパッキングすると、荷物の重量は15kgになりました。
今回使用するMTBは、荷台やパッキング用の器具が何もないタイプなので、パッキングには工夫が必要です。
過去に取材したバイクパッキングを参考に、可能な限り荷物を減らしてパッキングしてみました。
バックパックを背負うポジションにも注意
この写真は、到着後にバックパックを下ろしてから撮影した為、バックパックが下がってしまっています。
実際は、バックパックの肩紐を適度に締め、バックパックを高い位置にすると安定します。
いざ計画実行!約40キロを自走
梅雨の合間の二日間を狙って、計画を実行する日がやってきました!
残念ながら今回のキャンプ地は、先方の事情によりご紹介は出来ませんが、都内から約40キロ弱の埼玉県某所にあります。
知らない道を行くので、2020年にはじまった「Google Map」の“自転車ルート”というサービスを利用します。そこでは所要時間2時間20分と表示されていました。
今回の相棒に選んだMTBは、ハンドル幅が770mmと幅が広いもの。車が脇を高速で追い越すととても怖く、できるだけ交通量の少なそうな裏道を選ぶことにしました。
道がない?!Googleマップ自転車ルートの罠?!
Google Mapの自転車ルートのナビを頼りに走っていると、何度もUターンを連呼する事態が発生。
「自転車を除く一方通行」を「一方通行」と判断して逆走と判断しているのか、あるいは遠回りでも大通りを選択するのか、結局ロジックはよく分かりませんでしたが、かなりのUターンと迂回路を提案してきました。
※自転車ルートを検証するサイトでは、標識通りにナビすることもある様子。今後の改善が待たれます。
残念ながら、今回のコースではナビとして機能しなかったので、同じくGoogle MAPのサービスである“徒歩ルート”に変更する事にしました。
しかし苦難は続きます。ナビに従って黙々とペダルを踏んで都心部を抜け、徐々に疲労が溜まってきた頃、突然目の前に立ちはだかったのは……なんと階段!
そりゃ徒歩ルートですから、階段も出てきちゃいますよね……。
嘆いても仕方ないので、最車体の重量13kgに加え、15kgのキャンプ装備を担いで階段を上ります。これで結構な体力を消耗しました。
やっとの思いで階段をクリアしたのもつかの間、それでも“徒歩ルート”は容赦無く、階段や自転車禁止の遊歩道、陸橋や横断歩道橋などを、目の前に“召喚”してきます。
最初は正攻法の「担ぎ上げ」で応戦しましたが、徐々にマップと睨めっこして、迂回路を探すように。
この作業、地味に体力と気力が奪われていきました……。
キャンプ場に到着!大人の持ち寄り焚火会!
ルート選択問題をクリアしつつ、なんとか予定の時間にキャンプ場に到着しました。
既に仲間が到着しており、焚き火の準備を始めていました。
とりあえず、走り切った充実感と疲労感を噛み締めつつ、ビールで乾杯!
実は筆者以外はデイキャンプの為、ノンアルコール。「ごめんなさい」の気持ちで美味しくビールを飲み干します。
ビールを楽しんだら、パッキングを解き、ソロテントを設営&寝床の準備をして、焚火会を楽しむことに。
それぞれ持ち寄った焚き火台やストーブ、食材のお陰で、とても豪華で楽しい焚火会となりました!
ソロキャン装備を実際に使ってみてわかったこと
今回、初設営のおろし立てのソロテント「MOBI GARDEN LIGHT KNIGHT 1 JP」ですが、別記事用に撮影をしながらでも、10分ちょっとで設営完了しました。
ファミリーテントと違い、小ぶりなサイズなので一人での設営も簡単で、自走の疲れが残っていても苦もなく設営ができました。
装備の軽量化も特に問題なし
上記写真はファミキャンとソロキャンの装備一式の比較画像です。見てわかる通り、左側がファミキャン、右側がソロキャンのギアです。見た目の装備量が全く違います。
重量は、左が18.1kgに対し、右が4.4kg。しかも今回は荷物を最小限にする為、椅子も持って行かずにお座敷スタイルにチャレンジしました。
実際に過ごしてみると、レジャーシートにマットでも、十分にくつろげることがわかりました。
“100均のキャンプギア”も大活躍
以前、100円ショップギアの記事でも紹介した、ダイソーのメスティンセットやセリアのソロ焚火台も持参しました。
今回は仲間との焚火会でしたが、完全なソロキャンだったとしても、メスティンとアルコールストーブがそれぞれ2つ、加えてセリアの焚き火台で、十分に楽しい夕食と焚き火を楽しめると思いました。
準備と後片付けの手軽さがすごい
ソロキャン装備の一番の強みは、撤収時と帰宅後の後片付けの楽さでした!
翌朝、輪行里山ライドが控えていたので、朝の時間は撮影と撤収が忙しかったのですが、それでも撤収に関してはびっくりするほど短時間で終了。
今回宿泊したキャンプ地は湿度が高く、テントはフライシートもグランドシートも結露でびしょ濡れでしたが、ソロテントはサイズが小さいので、それぞれシートを両手で広げて何度か振り払う事で、ある程度の露は払えてしまいました。
今回は撮影もありましたが、それでも20分もあれば、収納まで完了しました!
ちなみにファミリーテントの場合、インナーテントのボトムを乾かす作業をすると、撤収に1〜2時間は必要になります。
この差はとても大きいですね。
帰宅後も楽ちん
帰宅後にアフターケアとして、テントを洗って干すのですが、ソロテントならベランダに置いたシンク内で十分に洗えました。
ざっと洗ってそのまま干せるので、実際に30分で完了しました。
これがファミリーテントだと、半日がかりになってしまいます。
準備、撤収の作業の手軽さに、その都度「ソロテントいいなぁ」という気持ちになりました。
焚火会のその後で。ソロキャンのススメ
仲間との楽しい焚火会も終了し、デイキャンプの仲間を見送った後のキャンプ場はなんと貸切状態!
明日に備えて眠る選択肢もありましたが、もう少し夜を楽しみたい気持ちになってきました。夜風も気持ちよく、またちょっと寂しくなった事もあり、ソロで焚き火を再開しました。
焚き火を見つめながら、虫の声を聞いていると、たった一人、自然の中で過ごせる贅沢な時間であることを実感します。
自分の子供がまだ小さかった頃、一緒に過ごしたファミリーキャンプの時間も、同じようにとても貴重なものでした。
しかし、仕事や家庭、日々の様々な事に追われる中で、一人で心の中を整理する時間は、とても必要な時間だと思います。
特に自分のような50代は、人生の後半戦をどう過ごすか、どんな準備をしていくか、ゆっくり考える時間も必要なのではないでしょうか。焚き火を見つめる時間は、そんな考え事をするのにぴったりの時間だと思いました。
しみじみしながら、もう少しだけ晩酌
ソロキャンで一人、焚き火を見つめながら好きな肉や干物、燻製などを焼くのも良いですよね。ちなみに筆者は子羊肉のグリルが好きなのですが、家族が羊の匂いが苦手な為、家では焼いて食べる事はできません。
ソロキャンの焚き火で、子羊の肉を焼いて食べるのが、筆者のちょっとした楽しみにもなっています。
そんな自由に気ままな時間を過ごせるのも、ソロキャンプの醍醐味だと思います。
50代の働き盛りは仕事が忙しく、家庭のことで自由な時間など取れない日常ですが、時間をやりくりして思い切ってソロキャンに出かけてみると、人生の見え方も変わるかもしれませんね。
翌日は里山でライド!アクティブに楽しむ
翌日早朝、一人で撤収をし、パッキングを済ませて最寄駅まで自走し、更に山奥へ輪行します。
下車駅のコインロッカーにキャンプ装備を一式預けて、里山ライド集合場所まで自走で行きました。ちなみに山間部の駅には、コインロッカーが設置されている場所も少ないので、事前に調べて確認しましょう。
今回、小型ロッカーしか設置されていませんでしたが、長さ40cmのソロテントだから、余裕で預ける事ができました。
まとめ
50代での自転車ソロキャンチャレンジでしたが、実際にやってみると想像以上の楽しさで「もっと早くやっておけばよかった」と言うのが、正直な感想でした!
50代は、仕事や家庭、子育てなどの場面が、色々と変化する時期でもあると思います。
そんな中、自分の脚力だけでキャンプ地まで走り切り、一人で焚き火をし、自分をリセットする体験は、「まだまだやれるぞ!」という心の活力が湧いてくるようでした。
ソロキャンは、軽量コンパクトなギアを使うことで、本当に気軽にできる部分が多いので、チャレンジのハードルを下げてくれるのも良いですね。
二日間、キャンプ場と里山を走り回って帰宅すると、なかなかキャンプに付き合ってくれなくなった反抗期の始まった息子のことがいつもより可愛く感じられたのも、良い効果でしょう。
ソロキャン復帰や、デビューを検討している方は、ぜひチャレンジしてみる事をオススメします!