北欧デンマークは「パンケーキのような国」と呼ばれるほど平らな国土が広がっており、標高も一番高いところで170m程度しかありません。そのため、小さな丘の上からでも遠くまで景色を見渡すことができます。
寒冷な気候と乾燥した空気、さらに強風などの影響で枯れ色の草原が広がり、その中に高山植物を思わせる低木が育ち、まるで山の上にいるかのような景色が広がっています。
そんなデンマークには、あちこちにハイキングコースが整備されています。厳しい急登がなく、高度なトレッキング技術や装備を必要としないことから、気軽にハイキングができるんです。
また、ハイキングコースのあちこちには、焚き火エリアやベンチ、テーブル、ゴミ箱など、自然に影響が及ばないよう様々な整備がされているため、デンマークの人々は安心して「ハイキング×デイキャンプ」を楽しんでいます。
今回はそんなデンマークでの、ユニークなハイキングコースやデイキャンプの楽しみ方、魅力を紹介します。
街のすぐ近くに整備されているハイキングコース
日本に比べて人口密度が低いデンマークは、街と自然の距離がとても近く、都市部のすぐ近くにハイキングコースがたくさん整備されています。
デンマークの人々は散歩をするのが大好きで、このようなハイキングコースを軽く1~2時間歩くことが多いんです。軽食やコーヒーを持って出かけて、景色のいいところでちょっと休憩することもしばしばあります。
日本人の感覚では散歩というより、もはや「ハイキング」。「ちょっと散歩に行こうよ」と誘われて、1時間以上歩いた時はとてもびっくりしました。
北欧の冬は薄暗く、曇りや雨の日が多いので、デンマークの人々は太陽がのぞけばここぞとばかりに出かけていきます。
ハイキングをしながらたくさん太陽光を浴びて、途中、休憩がてらにゆっくりとコーヒーを飲む。デンマークの人々にとってハイキングはメディテーション(瞑想)の側面もあるようです。
あちこちに整備されているハイキングコースや、日常的に1時間を超えるハイキングを楽しむ人たち。デンマーク人のハイキングに対する思い入れを知ることができました。
家畜の放牧場でハイキング
平らな国土を持つデンマークは酪農が盛んな国。特に豚肉の生産量が多く、人よりも豚の方が数が多いほど。なんと日本にも豚肉を輸出しているんです。
酪農が盛んなデンマークでは、土が家畜の糞尿により肥沃な大地となり、牧草地が充実するサイクルを利用して、環境や家畜にかける負担を軽減させています。これが結果的に人的コストや飼育コストを減らし、持続可能な農法として放牧が普及しています。
家畜の放牧場は電気柵で覆われていることがあるんですが、なんとハイキングコースがその電気柵の内側に続いていることがあります。
家畜の放牧場でハイキングができるユニークなコースでは、扉を開けて放牧地に入っていきます。人間も動物もデンマークの雄大な自然の恩恵を一緒に享受していることを実感します。
ちなみに家畜はおとなしい性格で、人を襲うことはほとんどありませんので安心してハイキングを楽しめますが、授乳中の母牛などは少し気が立っていることがあるので、注意しましょう。
家畜と一緒にハイキングを楽しむデンマーク。とてもユニークな経験ができます。
驚くことに馬に乗ってハイキングを楽しむ人います。そんな時は、慌てずそっと道を譲ることもあります。
デンマークは乗馬が盛んで「馬と一緒に歩けます」という標識が立っているハイキングコースが多いんです。愛馬と一緒にゆったりとデンマークの自然を楽しみながら歩く。なんだかとても素敵ですね。
ハイキング×デイキャンプを満喫
ハイキングコースの脇には焚き火のできるスペースやベンチ・テーブルが設置されていることが多く、コーヒーやサンドイッチを持ってゆっくり過ごしたり、ハイキングコース近くにある焚き火エリアでバーベキューができます。
休日、思い立ったらスーパーで食材を買って、近くのハイキングコースへ。歩いて自然を満喫して、程よく疲れたら焚き火エリアに行ってランチタイム、なんてちょっと優雅な休日を過ごせます。
キャンプ好きにとっては焚き火エリアが数多く整備されているのが嬉しいところ。気負わずに思い立ったらすぐにハイキング&デイキャンプに出かけられます。
春から夏にかけては、たくさんの人が太陽の下でハイキングとデイキャンプを楽しんでいます。
酪農が盛んなので乳製品が豊富なデンマーク。ミルクをたっぷり使ったアイスクリーム屋さんや、バターをたっぷり使ったパン屋さんがあちこちあるので、ハイキングの為の軽食やおやつも簡単に調達できます。どんなスタイルでも、誰でも、気軽にアウトドアを楽しむことができます。
世界各国でパンデミックを起こした新型コロナもだいぶ落ち着いてきた為、デンマークでは現在海外旅行客を受け入れています。
デンマークで人気のハイキング×デイキャンプは、旅行客でも気軽に楽しめるアクティビティ。ユニークなハイキングコースを探して、自分好みのデイキャンプを満喫する計画を立ててみるのも楽しいですよ!
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