10月に入り、少しずつ秋めいてきました。秋雨や台風のシーズンも間もなく終わり、昼間はよく晴れて暖かい一方、日が傾き始めると一気に空気が冷えてきて焚き火が恋しくなります。美味しい秋の味覚にも恵まれ、キャンプ飯づくりにも力の入るこの時期は、キャンプにぴったりの季節です。
この機会にテントやタープを買って、本格的なキャンプデビューを考えているビギナーさんも、たくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
でも、ちょっと待ってください。
テントやタープは、素材によってキャンプ中に穴が空いたり、メンテナンスを怠るとすぐにダメになってしまうことはご存知でしょうか?
今回はテント・タープで使わることの多い「ポリエステル」と「ポリコットン(TC)」の2つの素材について、メリット・デメリットをご紹介します。
ビギナーさんはもちろん、買い替えを検討しているキャンパーさんも、テント・タープ選びの参考にしてみてください。
テントの王道!「ポリエステル」
最初に紹介するのは「ポリエステル」素材のテントです。
キャンプのテントといえば、コールマンやスノーピークのドームテントなど、ポリエステル素材のテントを想像する方も多いかと思います。
ポリエステル素材のメリット
ポリエステル素材のテントの特徴は、薄手で軽く、雨に強いことです。
雨や結露で濡れても、しっかりと水を弾き、乾くのも早い為、撤収や管理も簡単にできます。
コスト面では、他の素材のテントに比べるとリーズナブル。初心者の方はもちろん、メンテナンスにあまり手間を掛けたくないキャンパーの方にはぴったりの素材になります。
ポリエステル素材のデメリット
とはいえ、メンテナンスをしなくていいわけではありません。雨に濡れたまま放置してしまったり、よく乾いてない状態で保管を続けると「加水分解」が起こり、テント生地にベタつきやシームテープ(テントの縫い目からの雨漏りを防止する為のテープ)が劣化し剥がれてくるなど、テント全体の劣化や消耗が早くなってしまいます。
また、焚き火やBBQをしたいと考えている初心者キャンパーの方は、火の粉に十分配慮する必要があります。
ポリエステル素材は火に弱く、焚き火や炭火の火の粉で簡単に穴が空いてしまう為、テント周辺での火の取り扱いには注意しましょう。テントから少し離れた場所で焚き火を楽しむ、風のある日は焚き火をやめるなど、様々な配慮が必要になります。
近年人気急上昇中!「ポリコットン(TC)」素材
もうひとつは「ポリコットン(TC)」素材のテントです。
ここ数年、ポリコットン素材、通称「TC素材」のテントが多く見られるようになりました。そんな人気のあるTC素材のメリット・デメリットを解説していきます!
TC素材のメリット
TC素材のメリットは、遮光の能力が高いためポリエステル素材に比べて濃い日影を作ってくれること。さらに通気性にも優れていてテント内の風通しもよく、夏の灼熱の暑さにはもってこいのテントになります。
透湿性も優れていて結露しにくいのも特徴です。
火の粉にも強い素材になっているため、ポリエステル素材に比べて、TC素材のタープやテントの近くで焚き火を楽しむことができます。
多少の火の粉が生地に飛んでも、穴が空いたり、燃え広がることや焦げ付くことはほとんどありません。ただ、燃えない素材ではないので、テントに近づけすぎたり、タープの直下で焚き火やコンロを取り扱う行為はやめましょう。
テントとしては1年を通して快適な環境が得られ、焚き火を楽しみたい方や結露に悩まされたくない方におすすめな素材になっています。
ポリコットンならではの柔らかい質感や色味は、キャンプスタイルにおいてもサイトを雰囲気を演出してくれます。
TC素材のデメリット
デメリットとしては、ポリコットン素材の名前にあるようにテントの生地の繊維にコットンの素材を混ぜて作っているため、ポリエステル素材に比べると基本的に生地が重たくなります。
さらに、キャンプ中に雨が降ってきた際には、生地の繊維が膨張することによってしっかりと雨は弾いてくれますが、その分生地はしっかり水を含みますのでさらに重たくなってしまいます。
ポリエステル素材に比べると耐水圧は低く、雨が強くなると不安です。
また、撤収やメンテナンスも手間が掛かります。
例えばテントを濡れたまま保管すると、カビが生えてしまうなど劣化が早くなってしまいます。しっかりと乾かせる環境と時間が必要になります。
まとめ
今回はテント・タープでよく使われる生地、ポリエステルとポリコットンのメリットとデメリットをご紹介しました。
ポリエステル素材は、雨に強くメンテナンスが楽なので、初心者や比較的コストを抑えてキャンプ道具を揃えたい方におすすめの素材となります。
ポリコットン(TC)素材は、濃い日影を作り、風通しもよく、結露がしにくく、火の粉にも強いです。快適な環境や焚き火を楽しみたい方におすすめの素材になります。
素材の特徴を知っていれば、当日の天候やコンディションを見極めて、異なる素材のテントやタープを使い分けるなんてこともできたら上級者ですね。
形や色だけでなく、素材にも注目してテント選びをすると、よりキャンプを楽しめるようになりますよ!
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