前回、イベント取材を兼ねて輪行(自転車を分解して専用袋に入れ、公共交通機関に持ち込む)でのソロキャンプ旅に出かけた様子をお伝えしました。
↓ 輪行ソロキャンプ旅の様子はこちら ↓
キャンプには車がないとダメ?そんなことありません。電車+自転車の旅で「輪行ソロキャンプ」!
今回は、輪行ソロキャンプを実践している筆者が、おすすめの装備とパッキングを紹介していきます。
無数にある、自転車、キャンプギアの中から、自分の輪行ソロキャンプ・スタイルを模索するのも、また違った意味での「旅」と言えるかもしれません。
旅の相棒「自転車」を決めよう
ビギナーさんが自転車旅をするにあたって、まずは自転車を選ばなくてはいけません。
ロードバイクやクロスバイク、マウンテンバイク、折りたたみ自転車など、様々な種類があります。
今回は、自転車を電車に持ち込んでのソロキャンプをテーマとしていますので、分解または折りたたんで担いで歩くことが前提です。そうなると、重量が15kg(できれば10kg以下)の自転車を選ぶことをおすすめします。
折りたたみスポーツ自転車が最適?
折りたたみ自転車は、こだわると“泥沼”と言われるほど奥が深く、走行性能や携帯性、重量、折りたたみ機構など、とにかくピンキリです。
ベストな折りたたみ自転車を選べば、輪行もしやすく、キャンプ場までの移動そのものが楽しくなると思います。
筆者は、もともとBD-1(現在はBirdyと名称変更)という18インチタイヤの折りたたみ自転車を、20年近く愛用しておりました。
重量も10kg前後と軽量で、外装多速ギアを装備し、走行性能と携帯性を高レベルで両立させている名機です。
何度も輪行旅を行いましたが、電車への持込も、自走も、両方しっかり楽しめました。
他にも5LINKSと言う日本発の折たたみ自転車も、10年以上愛用しておりました。
16インチタイヤにシマノ製の小径車専用9速コンポを採用していて、重量も9kg台と軽量でした。
独自の折りたたみ機構で、15秒で縦長の形状に折りたため、転がして歩ける為、まさに輪行&自走が快適でした。
結局、ロードバイクが最強?
使い勝手がよく、輪行に最適とも言えそうな折りたたみ自転車ですが、あらかじめ注意すべき点もあります。それは、構造上、ロードバイクやクロスバイクと比べると剛性が弱く、走行性能で劣るということです。
速く遠くへ移動する為に設計されたロードバイクは、結果的に重量も軽く、分解すれば輪行に最適と言えるかもしれません。
自走での機動力も最強ですので、自走と輪行の配分も自由自在。何なら往路を全て自走、復路は輪行を織り交ぜるなんてプランも立てられます。
ただし、路面状態の悪い山道など、キャンプ地へ向かう移動手段としてはパンクやメカトラブルなどが不安です。
最近ではグラベルロード(砂利道などの未舗装道路)バイクという、多少の悪路も走行可能なロードモデルも注目されています。
グラベルロードバイクが自転車ソロキャンに向いている、という意見もよく耳にします。
マウンテンバイクはおすすめ?
キャンプ旅の相棒としては、舗装道路や未舗装でも比較的に走りやすい道であれば、前後のサスペンションの無いモデルが軽快に走れます。
また、前サスペンションのみのハードテイルと呼ばれるモデルなら、オフロードも気にせず走れる為、キャンプ先での楽しみの幅も増えるでしょう。
筆者は、山の中をマウンテンバイクで跳び走ることもキャンプでの楽しみのひとつとしているので、ハードテイルモデルを選択しています。
ただし、太めのブロックタイヤに、しっかりとした剛性の車体は重量も重く、長距離走行には向きません。
見てきた通り、こだわっていくと用途別に自転車が増えていきがちです。細かいことは気にせずにお気に入りの自転車を見つけて、旅を楽しみましょう。
輪行ソロキャンに向けて、新たなギア紹介
筆者は、クルマキャンプでも、小型車に荷物を工夫して積載しています。
自転車ソロキャンをはじめてからは、キャンプギアの更なる軽量化、携帯性が必要になりました。
そこで、新たに装備した軽量コンパクトなギアの一部を紹介します。
あぐら専用チェア
自転車ソロキャンで、椅子を使わない「お座敷スタイル」を何度か試しました。
これはこれで十分メリットがあるのですが、やはり焚き火をしながらくつろぐ際に、椅子が欲しくなります。
そこでローチェアをAmazonで見つけたので、購入。使ってみました。
背もたれに寄りかかって足を投げ出して座れる為、まったり焚き火タイムに最適でした。
850gと軽量なので、キャンプ場での時間を優先したい時は、持っていく装備に加わりました。
輪行ソロキャンに最適な寝袋?!
これまで寝袋は化繊のものを愛用していました。
化繊寝袋のデメリットとしてかさ張るということがありましたが、それ以上のメリットとして家庭で手軽に洗濯でき、濡れても安心で、家族分を揃えても財布に優しいという点から、これまで大切に使ってきました。
しかし、自転車でのソロキャンプに持っていくには、化繊寝袋の重さとサイズに不満が出てきたので、これを機会により軽くコンパクトに収納できるダウンの寝袋を検討していました。
いくつか候補はありましたが、以前より気になっていたモデルがありました。それが、モンベルのダウンハガー800#3ハーフレングスです。
その名の通り、みぞおちから下半分にしかダウンの入っていない、とても尖ったコンセプトの寝袋です。
寒い時期にはダウンパーカーなどの防寒アウターも持ってきているのだから、就寝時もそれを着れば上半身分のダウンを削り、より軽量コンパクトな寝袋にしようという、面白いアイディアのアイテムです。
興味が湧いたものの、購入することを決めかねていた筆者は、周囲のキャンプ仲間たちに相談。するとキャンプ仲間たちは首をかしげながら、口々に「やめたほうがいいのでは…」と言います。やはり「ダウンハガー800#3ハーフレングス」のコンセプトが尖り過ぎているというのです。
しかし最終的に筆者は「ダウンハガー800#3ハーフレングス」を購入しました。決め手は、この寝袋を工夫して使うことに、ちょっとワクワクしちゃったから(天邪鬼ですいません……)です!
実際に、モンベルのアルパインダウンパーカーと組み合わせて使ってみましたが、5度まで気温が下がった霞ヶ浦でも問題なく就寝できました。
このアルパインダウンパーカーは、フィルパワーが800と、寝袋と同程度のダウンを使用しています。
フィルパワーとは、ダウンの「かさ高さ」を数値で表したもので、数値が高くなるほど膨らみ、高品質なダウンと言えます。
寒さの許容範囲には個人差がありますので、寝袋を新調する場合、ぶっつけ本番ではなく、予め試しておきましょう。筆者も事前に、八ヶ岳での車でのソロキャンプで、上記の装備を試しました。
出発前に確認していた天気予報が大きく外れ、秋口にもかかわらず気温は0度近くまで下がり、夜中にまさかの雪が降るアクシデントに見舞われました。
最悪、寒くて眠れない状況になったら車の中で暖を取れるよう、小型のセラミックヒーターも準備していきましたが、使用することもなく眠れました。
「ダウンハガー800#3ハーフレングス」+「アルパインダウンパーカー」なら0℃近い環境でも問題ないことがわかりました。
使ってみた感想としては、ハーフレングス寝袋は、合わせるダウンパーカー選びが重要になるということ。初心者が何も考えずにぶっつけ本番で使うのはおすすめしません。
しかし、一緒に使うダウンジャケットや防寒アイテムを工夫することで、軽量コンパクトな機能性を活かすことができる、面白い装備だと思いました。筆者はこれからもどんどん使っていきたいと思います。