プライベートキャンプ場でベテランキャンパーと雪中キャンプ。“注意すべき点”を学んでみました

公開日:2023 / 12 / 03
最終更新日:2024 / 07 / 10

雪中キャンプでの注意点

美しい景色や雪遊びを楽しめる雪中キャンプですが、気を付けて欲しいこともあります。ベテランキャンパーである父から学んだり、事前に調査した注意点をまとめてみました。

初心者だけの行動はNG。過信も禁物

雪中キャンプはキャンプ初心者が行うには、命にかかわる危険が多いということを知っておきましょう。

雪中キャンプに限らず、秋冬キャンプで起きがちな事故として、ストーブや焚き火で暖を取ろうとしたら、一酸化炭素中毒を起こしてしまったり、テントに火が移ってしまい命を危険にさらすことも。

また、体の中から温まろうとお酒を飲み過ぎて、酔ったまま防寒対策をせずに眠ってしまい低体温症で命を落とした、なんて例もあります。

基本的に雪中キャンプは経験豊富なキャンパーさんと一緒に行い、十分に経験を積みながら自分自身が慣れていくことをおすすめします。

今回はベテランキャンパーの父と一緒に行ったので、寒さ対策や注意点などアドバイスをもらいながら安全に配慮して挑戦できました。

また、何度も雪中キャンプを行っていたとしても、想定外の事態が発生することもあります。真冬を避けたとしても、天候の急変などが予想される場合は、いつでも撤退する判断をしましょう。

管理人のいる雪中キャンプができるキャンプ場で行う

筆者のように、父のような雪山に慣れたベテランキャンパーが付き添ってくれて、プライベートキャンプ場があり、避難できる小屋まで用意されている、という恵まれた環境がある場合を除けば、基本的に時期にかかわらず雪中キャンプができるキャンプ場で行いましょう。

また、管理人さんがきちんとサポートしてくれることも条件に入れましょう。ただし、準備不足で管理人さんに迷惑を掛けないためにも、必ずHP等で注意事項を確認することを忘れないでください。

防寒対策


極寒シーズンではないといえど、夜の気温が氷点下まで下がります。多くのキャンプメーカーでは、テント内での一酸化炭素中毒の恐れや火事の危険性から、ストーブなどの火気の使用が禁止されています。それを踏まえた防寒対策が必要です。

テント内は、地面からの冷気対策のために、グランドシートの上にしっかりエアマットなどを重ねましょう。

最近は高性能なポータブル電源を利用して、小型のセラミックファンヒーターや電気毛布を使う人も増えています。ただし、大容量のポータブル電源でも使用時間には限りがあります。使い捨てカイロや湯たんぽ、局所的に温める電熱ベストなどを忘れずに用意しましょう。

比較的気温の上がる昼間も油断はできません。日が当たる場所は太陽がポカポカと暖かく感じますが、日陰はまだまだ寒いです。子供たちなどは遊んで汗をかいたままのインナーでいると、時間がたつにつれて体温が奪われるなんてことも。体温を調整できるよう、速乾性のある素材を使ったインナーを着たり、着替えを用意するのもおすすめです。体温調整できるよう重ね着の対策をオススメします。

今回行ったプライベートキャンプ場には三角屋根の小屋が建っているので、子供たちから「寒くて我慢できない!」と言われた時はここで休憩をとりました。無理は禁物です。

夜の室外にウォータタンクは置かない


先ほども紹介しましたが、夜の気温は氷点下になることも多いです。

筆者はウォータータンク等を外に置いておいたら、蛇口も中身も凍ってしまうという経験をしたことがあります。

そういったことのないように、タンクは室内に入れておいた方がいいでしょう。

車中泊も注意

テント泊を考えていたら、降雪量が増えてきたので車中泊に切り替えよう、なんてこともあると思います。しかしそこにも危険があります。

周囲に人がいないからとアイドリング状態で暖を取っていると、みるみる雪が積もってマフラーを塞いでしまうなんてことも。一酸化炭素中毒の危険性が高まります。もちろんそのような天候が予想される場合には、キャンプの予定を取りやめるか早々に撤退すべきですが、想定外ということもありえます。

雪が強まっている状態での車中泊は、状況によって危険だという認識をあらかじめ持っておきましょう。

路面凍結に万全の備えを

先ほど「道路の積雪量」が少ないからアクセスしやすいと述べましたが、だからといって全く油断できません。朝晩の気温はマイナスになる可能性が高いので、当然路面は凍結しています。また、郊外や山間部は橋やトンネルが多いです。橋の上やトンネルの出入り口はより路面凍結が起こりやすいので注意が必要です。

対策としては、氷上性能の高い冬タイヤを装着しましょう。また、場所によってはチェーンが必要な場合もあります。いつでも装着できるようにしておきましょう。

何より移動は気温の上がる日中にするのがいいでしょう。

ディーゼル車は注意

燃料の安さや走行性などで流行りのディーゼル車ですが、軽油には寒冷地仕様があることをご存じですか?

以前、ディーゼル車のトラックで冬のキャンプに行った際に、燃料が凍ってしまってエンジンがかからないなんて経験をしたことがあります。

そうなってしまった場合は、気温が上がるのを待つしかありません。

寒冷地に行く際は往路でのガソリン給油を調整し、到着した際に現地のガソリンスタンドで給油することをおすすめします。寒冷地のガソリンスタンドでは、凍結しにくい寒冷地用の燃料が給油できるそうですよ。

参考:三菱自動車 デリカD:5スペシャルサイト

春は雪解けによる雪崩や落雪が危険

初冬にキャンプができるなら、春先もキャンプができるのでは?と思ってしまいますが、そう簡単にはいきません。春の雪は、雪解けにより水っぽくてすこし重たい雪になっています。

キャンプ場内の木々の枝から雪の塊が落ちてくることもあるので、頭上を確認してテントを張る必要が出てきます。

また怖いのは雪崩です。春は雪崩が起きやすい時期でもあるので、雪解けシーズンに雪中キャンプに挑むには、安全面をよく検討しなければなりません。周囲に斜面のない、きちんと管理されたキャンプ場でしか雪解けシーズンの雪中キャンプは難しいと思っておいたほうがいいでしょう。

そしたさらに雪溶けが進めばキャンプ用品が泥まみれになる可能性もあります。近年は気候変動もあり、平年並みのペースで気温が推移する、とも言えなくなっています。雪を楽しみに行ったら雪がなく、道具や車を泥で汚して帰ってきたということもあるので、そういった状況も想定して計画を立てましょう。

いろんな季節のキャンプを楽しもう!


キャンプシーズンは春~秋にかけてだと思っていましたが、冬のキャンプもまたいい!雪中キャンプの注意点を数多く挙げてきましたが、裏を返せば冬だけしか味わえない魅力があるのも事実です。

筆者自身、冬の朝の凛とした冷たい空気や、澄んだ夜空に輝く星空を感じられる冬のキャンプに強く惹かれています。

実際に雪中キャンプをした日は、落ちていた丸太にチェンソーで切れ込みをいれて、スウェーデントーチに挑戦してみました。

寒空の下、火があるだけでなんだかホッとしますね。

また、この日の夜は流れ星を見ることができました!澄んだ星空は、冬キャンプの醍醐味でもあります。

子供のころから雪に接してきた筆者と違い、普段都会で過ごす子供たちは少しの雪でも大喜び。

子供を連れての雪中キャンプは、少しの雪で楽しめて、大人も無理なくキャンプを満喫できる時期をおすすめします。

↓ 父が造った山の中のプライベートキャンプ場の話 ↓


山ごもりをしている父。知らぬ間に“自分だけの”理想のキャンプ場をつくっていた話

↓ プライベートキャンプ場で野営グルキャン ↓


“水なし”、“トイレなし”のプライベートキャンプ場で、2泊3日の野営ソログルキャン|前編

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あやの

両親の影響で幼少期よりアウトドアに慣れ親しみ
小・中学生時代は長野県の山の中で過ごす
自然・アウトドア・車・料理など色々な事に興味があり
楽しいことが大好き

現在は2人の子育てに奮闘中で
子供達と一緒に日々楽しい事をさがしている

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