アウトドアから普段使いまで。センス溢れるセレクトショップ「UTILITY(ユーティリティ)」【ふらっとショップ探訪 #14】

公開日:2023 / 05 / 03
最終更新日:2023 / 05 / 03

みなさんはキャンプのギアをどう選びますか。ネットに情報があふれる時代、無数のレビューを見比べて、とりあえず無難なものを購入していた筆者。いつしか実物を手に取って選ぶ機会も少なくなりました。

そんな折、何気なく立ち寄ったのが個人経営のアウトドアショップ。選りすぐりのギアや珍しいガレージブランドなど奥深い世界が広がっていました。

ネットや量販店とは一味違う魅力を放つショップを巡る連載「ふらっとショップ探訪」。第14回は、大阪の南堀江にあるアウトドアセレクトショップ「UTILITY(ユーティリティ)」を紹介します。

アウトドア一筋17年のセレクトショップ

服屋やカフェ、雑貨屋が点在する大阪の南堀江。その一角で2006年から店を構えるのが今回紹介するUTILITY。細長くコンパクトな店内には、国内外を問わず幅広いジャンルのアイテムがひしめき合います。

店主の植田尚宏さんがプロダクトの質を見極めてセレクトしたラインナップは見応え十分。ウェアやザックはシンプルかつ機能的で街中でも快適に使えるものが多く並びます。シューズや調理関係の小物なども個々にこだわりが感じられるアイテムばかり。

アウトドアファッションに魅せられて

植田さんは奈良県生駒市出身。幼少期は里山に秘密基地を作り、クワガタ採集に夢中になったそう。成長するにつれて山から離れていたものの、大阪のアメ村でセレクトショップに勤務していた20代の頃に転機が訪れました。

1990年代当時、アウトドアファッションのブームが到来。米ブランドを中心に独特なカラーリングやデザインを取り入れたアイテムが注目を浴びました。植田さんもファッションとして楽しむうちに、本来の機能性も試してみたいとフィールドに通うように。

登山、クライミング、マウンテンバイク、フォールディングカヤック…。時にキャンプ場をベースに泊りがけで遊びながら、アウトドアギアの魅力を知り、理解を深めていったそう。その後、アウトドアショップ勤務を経て、自分の店を持つにいたりました。

ユニークな国内ブランドの数々

店内を見回していて気づくのが国内ブランドの取り扱いの多さ。「山と道」、「RawLow Mountain Works(ロウロウマウンテンワークス)」、「AXESQUIN ELEMENTS(アクシーズクイン・エレメンツ)」、「Teton Bros.(ティートンブロス)」、「and wander(アンドワンダー)」など豊富な品揃えです。

店内に並ぶウェアの7割は国内ブランドだそう。「アウトドア用品といえばインポートアイテムが主流なイメージもありましたが、国内ブランドのクオリティやデザインの進歩が目覚ましく、ここ数年でさらに積極的に扱うようになりました」と植田さんは話します。

国内ブランドの魅力について植田さんは「日本の国土や風土に沿った機能性、日本人の体型に馴染むデザインがあります」とし、「ユニセックスのものが多いのでサイズさえ合えば性別に関係なく誰でも着られます」と語ります。

こだわり重視のラインナップ

クッカーやバーナーなどの調理器具、シューズやソックスなど小物類も充実。一方で、テントや寝袋など大型のアイテムの取り扱いは控えめ。ハイカー向けのラインナップが多い印象ですが、軽くて機能的なアイテムはソロキャンプなどでも十分に活用できます。

植田さんは「店内の空間が限られていることもあり、アウトドア用品が一式全て揃うというより、大型ショップにはないようなこだわり重視のセレクトをしています。加えて日常使いもできるようなデザインの汎用性も大切にしています」と話します。

オーナーのおすすめ3選

Gossamer Gear(ゴッサマーギア)の「MINIMALIST 19 DAYPACK」

米カリフォルニア州で1998年に誕生したULのパイオニアブランド・Gossamer Gear。ラインナップの中でも最軽量のMINIMALISTは散歩やハイキング、タウンユースまで幅広く使えるアイテム。機能的なメッシュポケットが複数付いていて便利です。

植田さんの一言メモ
「山登りの初心者にこそおすすめしたいバックパックです。はじめは意外と容量が大きいものを選びがちですが、日帰り程度なら軽くてコンパクトな方が扱いやすいですよ」

山と道の「UL All-weather Coat」

山と道が手がける全天候型の超軽量コート。山だけでなく街でも着たくなるスタイリッシュなデザインが光ります。新素材パーテックス・シールドエアにより高い通気性は、同ブランドが「完全防水ウインドシェル」と謳うほど。一度は試してみたいこだわりの一着です。

植田さんの一言メモ
「なんといっても通気性が抜群。防水ウェアにありがちな蒸れをほぼ感じません。両裾のサイドスリットはパンツのポケットへのアクセスも楽々。大きな胸ポケットに収納できるパッカブル仕様なのもうれしいポイントです」

AXESQUIN ELEMENTS(アクシーズクイン・エレメンツ)の「ソフトシェルのパンツ」

身近な山を楽しむためのアイテムを手がける国内ブランド・AXESQUIN ELEMENTS。こちらのソフトシェルパンツは薄手で高い通気性があり、蒸し暑い季節のハイキングでも快適に歩けます。

植田さんの一言メモ
「腰から膝にかけて太く、膝から裾に向かってテーパードしたシルエットでカジュアルな雰囲気が特徴的。大き目のサイドポケットは内部で二つに仕切られていて収納力にも長けています」

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まとめ

UTILITYはオンラインショップも運営されていますが、ぜひ実店舗に足を運んでもらいたい魅力が詰まっていました。商品入荷の情報などはインスタグラムで発信されているので要チェックです。時々、植田さんの愛犬のコーギーの愛くるしい写真もアップされており心が癒されますよ。

「UTILITY」基本情報

所在地:大阪府大阪市西区南堀江2-10-26 南堀江コーポ1F
営業時間:12:00~19:00、不定休
TEL:06-6531-0105
公式サイト:https://www.utility-outdoor.com/
公式インスタグラム:https://www.instagram.com/utility2006/?hl=ja

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ブッシュトモロー

アウトドアライター。新聞記者を経てフリーに転身。アウトドア業界や野外活動の現場で取材執筆に携わる。主に夏は登山、冬は狩猟という生活スタイルで、ネタと獲物を日々追っている。
Twitter:@bush_tomoro

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