三重県と滋賀県の県境に位置する鈴鹿国定公園の「宇賀渓(うがけい)」。そんな豊かな自然に囲まれた場所で、2023年4月にオープンしたアウトドア複合施設「Nordisk Hygge Circles UGAKEI(ノルディスク ヒュッゲ サークルズ ウガケイ)」が今回紹介するスポットです。
プロデュースするのは、デンマーク発のアウトドアブランド「ノルディスク(Nordisk)」。それだけに、デンマークならではの豊かな暮らしの秘訣でもある「Hygge(ヒュッゲ)」という考え方が施設のコンセプトとなっています
さまざまなニーズに応えるキャビン棟やグランピングテント、キャンプサイトは見どころ満載。日常から離れてくつろぐための工夫が各所に取り入れられています。実際に現地で取材したので魅力を紹介します。
宇賀渓の自然と調和するHyggeな空間
シロクマのロゴでお馴染みのノルディスクは創業100年以上の老舗ブランド。テントやキャンプ用品などを幅広く展開。デンマーク語で「居心地がいい空間」や「楽しい時間」を意味する言葉であるHyggeの考え方の浸透も図っています。
一方の三重県いなべ市は、「GCI-グリーンクリエイティブいなべ」を提唱。豊かな自然などのローカル資源を活用し、積極的に地域振興を図ってきました。そこで、以前よりイベントを通じて関係を深めていたノルディスクと協定を締結。その第一弾として、「宇賀渓の自然でHYGGE を描く」をコンセプトとした同施設が誕生しました。
両者のほかにも、デンマーク⼤使館、宇賀渓観光協会、デンマークを拠点とする建築会社のサードネイチャー、日本のエンジニアリング会社ストラクチャードエンバイロメント、サステナビリティアドバイザーとしてヘンリックイノベーションも参加しています。
ここからは施設の見どころを詳しく紹介していきます。
自然と融合したデザインが光る「Hygge CABIN」
まず紹介するのが、デザインが特徴的な「Hygge CABIN」。ユニークな円形とヒノキの皮で覆われた屋根がひと際存在感を放ちます。キャビンは2棟あり、4人まで宿泊可能です。
1階部分の側面をぐるりと囲むように設けられた大きな窓。視界には常に木々の緑や自然光が入り、何もせずとも心が落ち着く居心地の良さがあります。
室内に配置されている多くの家具は、デンマークで愛される家具メーカー「カール・ハンセン&サン」のもの。北欧テイストのナチュラルなデザインで上質な雰囲気を演出してくれます。
個室スペースに入るとちょうど窓から木漏れ日が降り注いでいました。ソファに腰かけて自然との対話を楽しむという贅沢な過ごし方もおすすめです。
階段で2階に行くとシングルベッド4台が横並びになっています。ここで注目なのが、天井に設置されている丸窓。夜は星空を眺めながら眠りにつき、朝は太陽の光で目覚めるという特別な過ごし方ができます。
キャビンにはあえてテレビや時計は置かれていません。自然が織りなす時の移ろいが感じられる、まさにHyggeを体現したような設計が宿泊する人をもてなしてくれます。
そのほかにも、広々としたキッチンスペースやバスルーム、トイレなどを完備。自然に囲まれながらも、ラグジュアリーで特別な空間に身を置き、ゆっくりとした時間を過ごしたいひとにおすすめです。
ノルディスクのテントでグランピング体験「Hygge TENT」
次に紹介するのは「Hygge TENT」。常設のノルディスクのテント8棟でグランピング体験を楽しめます。ノルディスクが手がけるナチュラルな質感のコットンテントは、 近年のグランピングブームの火付け役と言われているほどです。
テントはタイプ別に定員4人が2棟、定員2人が6棟となっています。各テントには広々としたウッドデッキスペースも設けられています。ここからは各タイプのテントを1棟ずつ紹介します。
巨大なお城のようなテント「Vanaheim 40(ヴァナヘイム)」
こちらのVanaheim40は床面積が40㎡もあり、通常のキャンプなら約20人を収容できる広さ。それが定員4人となっているので贅沢に利用できます。
こちらにも一部に「カール・ハンセン&サン」の家具を使用。ゆったりとイスに腰かけながら外の景色を眺めることができます。
寝具へのこだわりも魅力のひとつ。ベッドはセミダブルのものが4台、羽毛布団は表参道布団店の別注モデルを使用。冷蔵庫や湯沸かしポットなども備え付けられ、ちょっとした飲食ならテントで完結します。
ワンポールで存在感のある「Asgard 19.6(アスガルド)」
ノルディスクの代表的なテント・Asgard 19.6は定員2人で利用できます。グランピングブームの始まりになったのはこのテントとも言われています。
ワンポールテントならではの特別な雰囲気が漂う内観。約20㎡の空間に定員4人のテントとほぼ同じ設備が備わっています。
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