みなさんはキャンプのギアをどう選びますか。ネットに情報があふれる時代、無数のレビューを見比べて、とりあえず無難なものを購入していた筆者。いつしか実物を手に取って選ぶ機会も少なくなりました。
そんな折、何気なく立ち寄ったのが個人経営のアウトドアショップ。選りすぐりのギアや珍しいガレージブランドなど奥深い世界が広がっていました。
ネットや量販店とは一味違う魅力を放つショップを巡る連載「ふらっとショップ探訪」。第18回は、京都市右京区のトレイルランニングセレクトショップ「Monkey Crew(モンキークルー)」を紹介します。
トレランのカルチャーを伝えるショップ
トレイルランニングのギアを中心に展開する「Monkey Crew(モンキークルー)」(通称:モンクル)。店のすぐ近くある西京極総合運動公園は、普段から多くの市民ランナーの姿が見られ、冬には全国高校駅伝で高校生たちが駆け抜ける舞台となります。
同店は2018年3月、小さなコンテナの2階部分から始まり、2023年5月にリニューアルオープンしました。吹き抜けのある広々とした空間には、トレランのシューズやウェア、バックパックのほか、調理器具や補給食といった小物まで幅広いアイテムが並びます。
京都出身のオーナー・上野洋路さん(55)は、東京で30年にわたりアパレル関係の仕事をしながら、休日には草サッカーやマラソンなど楽しむアクティブ派。ある時、同僚の誘いがきっかけでトレランにのめり込み、かねてから考えていた独立の道を進むことを決意しました。
上野さんは「自然の中を走るトレランは開放感があって、記録を追い求めるマラソンとは一味違う魅力があります。まだマイナーな存在ではありますが、数々のガレージブランドがあったり、独特のカルチャーが育まれていたりと、実は奥深い世界が広がっています」と話します。
裸足感覚が心地よいシューズが充実
店内に入ってすぐの大きな棚にはシューズがずらり。「ALTRA(アルトラ)」「TOPO Athletic(トポ アスレティック)」「XEROSHOES(ゼロシューズ)」など、裸足感覚に近いナチュラルランニングを推奨するメーカーを中心に取り扱っています。
これらのシューズの特徴について上野さんは「つま先とかかとの高さの差がない(もしくは少ない)作りなので、裸足でいる時のような自然な走りを引き出してくれます。最近ではトレランだけでなく軽登山に利用するハイカーさんも増えてきました」と語ります。
数あるシューズから適したものを選ぶにあたり、「意外と自分の足のサイズを正しく把握されていない人は多いんです」と上野さん。足の幅や甲の高さなど立体的に考えながら、脚の形とシューズの相性を見極められるようサポートしています。
アパレル畑で培った目利きが光るウェア
アパレル業界での経験を活かしたウェアのセレクトも注目したいポイント。山での行動に最低限必要なスペックは備えつつ、街中でも自然に着られるデザイン性にもこだわった品揃え。山でひとっ走りした後、そのまま電車に乗っても違和感のなく着られるものばかりです。
中心となるのが、オリジナリティあふれるトレラン系のガレージブランド。「Mountain Martial Arts(マウンテンマーシャルアーツ)」「ranor(ラナー)」「HungerKnockOriginals(ハンガーノックオリジナルス)」など、いつものアウトドアショップでは出会えないものばかり。
上野さんは「ガレージブランドには作り手の熱意やこだわりがダイレクトに伝わってくる良さがあります。関西や京都ではこの店でしか扱いのないものも多いので、ぜひご来店いただいて実物を試してみてほしい」と話します。
汎用性の高い軽量・コンパクトなグッズ
軽量化のニーズが高いトレランならではの軽くてコンパクトな小物も充実。簡単な湯沸かしができる調理器具や水分補給に欠かせないボトル、もしもの時の浄水器など、キャンプなど他のアウトドアにも活かせるグッズが揃います。
こちらはトレランで長距離を走る時に欠かせない補給食が並ぶコーナー。一般的にはジェルやサプリのイメージが強いですが、普段も気軽に食べられるようなものをセレクト。無添加のフルーツバー、砂糖不使用のチョコレート、コーヒーゼリーなど、日常にも取り入れやすいよう健康面も考慮されています。
オーナーのおすすめ3選
PAAGOWORKS(パーゴワークス)の「RUSH(ラッシュ)」
2023年春にフルモデルチェンジしたトレラン向けバックパック「RUSH(ラッシュ)」。レース向けの7、11リットル、ファンランナー向けのベーシックな10、20、30リットルのモデルが展開されています。
上野さんの一言メモ
「モノづくりに真摯に向き合っているパーゴワークスが手がける名作バックパック。試作とテストを繰り返して磨き上げられた機能性は一度使うと病みつきになります」
MOUNTAIN MARTIAL ARTS(マウンテンマーシャルアーツ)の「ボーダーTシャツ」
2012年に東京で生まれたトレランのガレージブランド・MOUNTAIN MARTIAL ARTS(MMA)。アクティビティも日常も行き来できる「走れるボーダーTシャツ」として開発された珍しい逸品です。
上野さんの一言メモ
「機能性の高いポリエステル生地に、古いボーダーTシャツの柄が転写プリントされています。織り目やシワといった細部にわたる表現によりリアルな味わいが楽しめます」
FLOAT OUTDOOR(フロートアウトドア)のサングラス
国産メガネの聖地・鯖江発のサングラスブランド・FLOAT OUTDOOR。サングラスが苦手な人でも気負わず掛けられる顔なじみの良いデザイン。使用時以外は首元に掛けられるネックホールド機能は非常に便利です。
上野さんの一言メモ
「超軽量でしなやかな素材が採用されており快適な掛け心地です。普段使いでも違和感のないデザインもさることながら、アウトドアシーンにも対応するフィット感でおすすめです」
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まとめ
モンクルに並ぶ機能とデザインを兼ね備えたアイテムは、トレイルランナーはもちろん、ハイカーやキャンパーにとっても役立ちそうなものばかり。トレランならではの珍しいガレージブランドは他では中々お目にかかれません。
店には上野さんやスタッフの方のほか、看板犬のあずきちゃんもお客さんをお出迎え。とても人懐っこくてマイペースな性格で、取材中にもお気に入りの試着室からこちらをじっと眺めていました。
同店では、毎週木曜に店近くの西京極総合運動公園でナイトラン、月に1、2回は朝活トレランイベントを開催されています。イベント終わりには店内のシャワー設備を500円で利用することも可能です。
「Monkey Crew」基本情報
所在地:京都市右京区西京極浜ノ本町38 アトリエイハウズ コンテナ2F
営業時間:12:00~20:00(土日は19:00まで)、不定休 ※詳細はホームページを確認
TEL:090-8140-2259
公式ホームページ:https://monkey-crew.com/
公式インスタグラム➀(店舗情報): https://www.instagram.com/monkey_crew_kyoto/
公式インスタグラム➁(商品情報): https://www.instagram.com/monkey_crew_recommend/
公式フェイスブック: https://www.facebook.com/kyoto.monkey.crew/