クーラーボックスの保冷剤は、1泊2日のキャンプなら心配ないけれど、2~3泊となると保冷力が低下して、食材が傷むのではないかという心配があります。だからキャンプ中の食材はまとめ買いせず、毎日買い出しへ出かけている、というキャンパーも多いと思います。
でも電気さえあれば保冷できるポータブル冷蔵庫があれば、そんな心配はいりません。冷蔵庫と聞くと消費電力量が多く、サイズも大きくて重いから使い勝手が悪いのではないかと思いがちですが、実はコンパクトなモデルもあれば、消費電力が想像以上に少ないモデルもあります。
そこで今回は、EENOURの最新モデル「車載冷蔵庫D10」を例に、ポータブル冷蔵庫の活用術を紹介していきましょう!
AC・DC・バッテリーの3ウェイで使える
EENOURの最新ポータブル冷蔵庫「車載冷蔵庫D10」は、容量10Lとコンパクトサイズのモデルです。サイズは約37.5x26.2x43.5cm、重量は約7.5kg。女性でも片手で持ち運ぶことができる重さです。
電源はAC100V・DC12V/24V・専用バッテリー(別売)の3ウェイ。コンプレッサー式を採用していて、パワフルに冷却できるのが特徴です。自宅のAC100Vコンセントはもちろん、クルマのDC12V/24Vシガーソケットを電源に使用することができるので、車内でも使うことができます。
電力消費量はMAXモードで28W、ECOモードで23Wと省エネ設計。ペルチェ式に比べて冷却力が高いのも魅力的です。断熱材には高密度発泡ウレタン、フタのパッキンには環境性や断熱性に優れたEPDMフォームを採用。断熱材を厚く使用することで、より効率よく庫内を冷却します。
容量は10Lで、500mlペットボトル8本を縦に入れることができます。350ml缶なら12本、1L牛乳パックなら5本が入ります。
正面下部にあるコントロールパネル。中央にLEDディスプレイがあり、左には電源ボタンと設定ボタン、右には温度調節ボタンを配置しています。
フタにはロック機構を備えています。ロゴのある取っ手部分に手をかけることでロックが外れ、フタを開けることができます。
フタは着脱が可能。取り付け位置を変えることで、フタの開閉方向を簡単に変えることができます。コンセントの位置などで置き方が限られることがある車内では重宝する機能です。
専用バッテリーは必須のオプション
前述のようにこのモデルの特徴のひとつは、別売りの専用バッテリー「車載冷蔵庫用バッテリー DB01」でも稼動するということです。バッテリー容量は170.82Wh(15600mAh)と大容量。環境や使用状況にもよりますが、約6時間冷蔵庫を稼動させることができます。
またバッテリーを取り付けておけば、ACやDCでの給電が途切れても、自動的にバッテリーからの給電に切り替わるので、キャンプ場へ出かける途中にサービスエリアやスーパーへ立ち寄った際、クルマを停車させて給電がストップしても、冷却を続けてくれるので安心です。
充電方法は、冷蔵庫に取り付けてAC電源コードで充電する方法と、バッテリーのUSB-AかUSB-Cポートに直接ケーブルをつないで、市販のUSB充電器で充電する方法の2通りです。
中央に電源ボタン、左にはUSB-Cポート、右にUSB-Aポートを配置。インジケーターも装備されているので、電源のオン・オフや充電の状態などがひと目でわかります。
冷蔵庫の側面にバッテリー取り付け口があります。バッテリーを装着する際は、カバーを取り外します。
バッテリーを取り付ける際は、ハンドルのレバーを握りながら装着。最後まで押し込んで手を放せば、ロックされる仕組みです。
バッテリーを装着したら、電源ボタン長押しするとオンの状態になります。これで電源コンセントがなくても、冷蔵庫を冷やすことができます。
庫内が-20℃になるまでの時間を検証
食材を入れて「車載冷蔵庫D10」をアウトドアへ持ち出す前に、ACコンセントであらかじめ庫内を冷却しておきます。電源を入れるとコンプレッサーが動き始めるのですが、作動音はわずか43dBほど。図書館ほどの静かさなので、音はまったく気になりません。
10~-20℃のあいだで温度設定ができるので、冷やしたい食材や飲み物に応じて設定温度を調整できます。一般的な冷蔵庫の温度設定は、冷蔵室が2~5℃、冷凍室が-18~-20℃、野菜室が3~8℃なので、これらの温度を目安に設定しておくといいでしょう。今回はアウトドアでヒエヒエのアイスクリームを食べたいので、-20℃まで庫内温度を下げておきます。
-20℃になるまで、どのくらいの時間がかかるのでしょう? 室温約25℃、庫内温度24℃の状態から冷却を開始して、-20℃になるまでの時間を計ってみます。
起動させてから約15分後、庫内温度は0℃になりました。肉や野菜などの食材、飲み物を入れるのであればこれでOKです。約30分後には-13℃を表示。もうすぐで-20℃に到達です。……と思ったのですが、約45分後の庫内温度は-17℃、約60分後は-19℃。ここへ来て伸び悩んでいます。最終的に-20℃に到達したのは約70分後でした。気温にもよると思いますが、これを目安にして冷やし始めるといいでしょう。
庫内にカップのアイスクリーム2個、冷凍フルーツ1袋、ロックアイス400gを入れて、いざ出発です!
アウトドアで実際に使ってみよう!
準備が整ったところで、さっそくアウトドアへ持ち出してみることにしましょう。まずはラゲッジにあるシガーソケットへ電源コードを接続。これで移動中の車内でも庫内を冷やせます。コンパクトサイズなのでほかの荷物を積む際もジャマにもなりません。
そしてアウトドアでは、専用バッテリーで稼動させます。ポータブル電源を持っている人は、そちらを使って稼動させてもいいでしょう。
ちなみにバッテリーは冷蔵庫へ給電するだけでなく、スマホなどへのUSB充電も可能。モバイルバッテリーとしても使用できるので、電源のないアウトドアでも安心です。
日差しの強い昼間でも見やすいLEDディスプレイ。近くまで行ってのぞき込まなくても庫内温度やバッテリー残量を確認できます。
フタを開けると自動点灯する庫内灯付き。暗いと中が見えにくく、お目当てのものを取り出すのに時間がかかってしまいます。すると庫内温度が上がり、食材を傷めてしまうことにもつながります。でも庫内を明るく照らしてくれれば、食材や飲み物を素早く取り出せます。
気温34℃の日でも、庫内のものはすべてカチカチに凍ったまま。というわけで、持ってきたアイスクリームにチョコソースをかけて、冷凍フルーツをトッピング。これでSNS映えするデザートのできあがりです! もちろんアイスコーヒーの氷も冷蔵庫に入れてきたものです。真夏の日差しでほてった体も、一気にクールダウンできました。
クルマでの旅行や車中泊にも最適!
シリーズ中もっともコンパクトな10Lモデルの「車載冷蔵庫D10」。食べ物や飲み物にもよるけれど、ソロキャンプなら1泊分の食材や飲み物は入れられそう。肉や魚などの食材だけなら2泊分は入りそうなので、飲み物は別のソフトクーラーに入れて使い分ければ、十分に活用できそうです。
また冷凍まま、あるいはや保冷しなければ持ち帰れないお土産は、遠方だとなかなか買って帰れないですが、これさえあれば保冷剤の心配がいらないので安心して購入できます。コンパクトで車内の足元にも置けるから、車中泊にも便利に使えます。専用バッテリーがあれば市販のソーラーパネルでの充電もできるので、活用の幅も広がりそうですね。