アウトドアで電気を使うことが当たり前になってきた昨今、ポータブル電源を準備して出かける人も増えています。さらに防災グッズとしてもポータブル電源は人気があるので、今では一家に1台備えておきたいとも言われています。しかしポータブル電源だけでは、電力に物足りなさを感じている人もいるようです。そんなときにあると便利なのが発電機です。
しかし発電機は、ほとんどのキャンプ場で使用が認められていません。また使用を禁止していないキャンプ場でも、隣のサイトが近いとキャンパー同士のトラブルの原因にもなるため、積極的に使う人もあまりいないようです。発電機はポータブル電源のように「レジャー+防災」といった活用は難しいのでしょうか?
そこで提案したいのが、BBQやデイキャンプでの発電機の活用です。キャンプでは静かに環境を楽しむ傾向が強いですが、BBQやデイキャンプなどの日帰りレジャーは、仲間や家族と賑やかに過ごす傾向があります。設置する場所など、周辺への配慮は必要になりますが、騒音レベルの低い設計のモデルなら、周囲を気にするほどの騒音にはなりません。
見た目だけでなく機能性も抜群!
そんなBBQでおすすめしたいのが「インバーター発電機GS1800i-B」(以下、GS1800i-B)。発電機を使ったことがない人でも気軽に使える、カセットガスを燃料としたモデルです。ガソリン仕様と違って燃料が入手しやすいので手軽に使えます。また燃料の管理が楽にでき、ガソリンのように臭いも気にならないので、家での保管に向いています。スペック上の騒音レベルは、通常の会話程度の59dBと静音設計なのも魅力です。
一見、発電機とは思えないほどスタイリッシュな外観。サイズは約約473×263×413mm、重量は約16kgです。カセットガス式はガソリン式に比べると低出力だと言われていますが、このモデルの定格出力は1300W(瞬間最大1400W)と業界最大級を誇ります。
スイッチ類やコンセント、インジケーターなどが集まるコントロールパネル。AC100Vコンセント×2口、USB5Vポート×2口、DC12Vシガーソケット×1口も、ここに集約されています。
さっそく起動してみよう!
それでは実際に「GS1800i-B」を起動させてみましょう。でもその前に、やっておかなければならないことがあります。発電機はエンジンを動かして電気を発生させる機械なので、自動車やオートバイ同様、エンジンオイルを入れなければなりません。
本体横にあるオイルメンテナンスカバーのネジをドライバーで緩めてからカバーを外します。そしてオイルプラグを外し、付属のオイルジョッキでエンジンオイルを給油します。エンジンオイルの種類は、4サイクル用エンジンオイルSAE10W-30もしくは10W-40、API分類SE級以上のオイルを550ml使用します。
準備ができたらさっそく起動します。まずカセットボンベを本体上のカセットボンベホルダーに2本セット。使用できるカセットボンベは「イワタニカセットガス」のみ。ただし、同じイワタニブランドでも「パワーゴールド」「ジュニア」は使用できません。
ガスボンベをセットしたら、接続機器に合わせて周波数を切り替えます。東日本の場合は50Hz、西日本の場合は60Hzとなります。
エンジンスイッチを[ON]にし、発電機が起動できる状態にします。
そしてチョークレバーを[起動]の位置に合わせます。ただし、再始動する場合や気温が高いときなど、エンジンが暖まった状態であれば[運転]の位置でもOK。
リコイルスターターグリップを引いてエンジンを起動させます。
起動後にエンジンの回転が安定してきたら、チョークレバーを[運転]の位置にします。
コントロールパネルの出力表示ランプが緑色に点灯していたら、発電されています。これで家電を使用できるようになりました。
実際にどれくらいの音が出るのかを検証
「GS1800i-B」は静音設計ということですが、実際にスマホの騒音計アプリで音量を計測してみましょう。発電機を起動していないときは43.7dB。静かな図書館の40dBに近い環境です。
では「GS1800i-B」を起動させて、約1m離れた場所で計測してみます。すると音量は64.2dB。洗濯機や掃除機が60dBほどなので、少々うるさく感じる音量です。
では距離を約5mまで延ばして計測してみます。すると54.4dBと表示されました。換気扇の50dBよりも大きく、洗濯機や掃除機の60dBよりも静かな音量です。
さらに距離を約10mまで伸ばして計測すると48.6dBと表示されました。50dBといわれる換気扇や静かな事務所より少し静かな音量です。
スイッチひとつでBBQ&映えアイスクリーム!
では具体的に「GS1800i-B」をBBQやデイキャンプでどのように利用すればいいのかを紹介していきましょう。おすすめしたいのは、家電を活用した野外料理です。ポータブル電源と違って出力が大きいので、ホットプレートや自動調理鍋など、調理家電の使用が可能。また炭の火おこしや後片付けが面倒だという人やアウトドア料理に慣れていない人でも、簡単に外ごはんが楽しめます。
カセットコンロを使ったBBQも手軽ですが、風が強いと火が消えてしまうこともあります。その点ホットプレートなら、風の影響を心配する必要がありません。
もちろん調理器具だけでなく、ポータブル冷蔵庫の使用も可能。BBQ食材だけでなく、冷凍機能があればアイスクリームの保存もできるので、BBQのあとにシメのアイスクリームを楽しむこともできます。
カセットボンベ2本で定格負荷時なら約50分、1/4負荷時なら約1時間20分の連続運転が可能です。別売りの「カセットボンベ外付け用ソケット」を準備すれば、さらに長時間運転することができます。ポータブル電源と違って時間をかけて再充電する必要がなく、ガスボンベさえ取り替えればすぐに使えるようになるのも便利な点です。
ホットプレートと冷蔵庫の電源プラグをAC100Vコンセントに接続。これで家と同様に家電を使うことができます。
ホットプレートのスイッチをONにします。電源が入っていることを示す赤いランプが点灯しました。これでいつでも調理できます。
「GS1800i-B」の出力を超えないよう、消費電力1000Wのホットプレートを準備。電源を入れてほんの数分でBBQが始められます。野菜もすぐに焼き色が付くので、ストレスは感じません。
マイナス20℃まで温度設定ができるポータブル冷蔵庫の消費電力は28W。ホットプレートと一緒に使っても、1300Wを超える心配はありません。中のアイスクリームは、カチカチに凍ったままです。
カップのバニラアイスにチョコレートソースと冷凍フルーツをトッピング。真夏のアウトドアでも、こんなにSNS映えするアイスクリームが食べられちゃいます!
ワーケーションにも最適なスペック!
インバーターを内蔵しているので、調理家電やカメラのバッテリー、スマホの充電だけでなく、パソコンの電源としても使用可能。アウトドアでワーケーションを行うこともできます。
さらに発電機は、防災アイテムとして非常に頼もしい存在です。ポータブル電源のように事前に充電をする必要がなく、いざというときにカセットボンベだけですぐに発電できるので、充電し忘れなどの心配がありません。
またポータブル電源は、バッテリー寿命を延ばすため定期的に充電する必要がありますが、発電機はメンテナンスの必要がなく、使用しないときは放置し続けても問題ありません。
もちろんポータブル電源にも電力を供給できるので、停電時でもポータブル電源を充電することができます。ポータブル電源+発電機の組み合わせで備えておけば、防災グッズとして最強ですね。