みなさんはキャンプのギアをどう選びますか。ネットに情報があふれる時代、無数のレビューを見比べて、とりあえず無難なものを購入していた筆者。いつしか実物を手に取って選ぶ機会も少なくなりました。
そんな折、何気なく立ち寄ったのが個人経営のアウトドアショップ。選りすぐりのギアや珍しいガレージブランドなど奥深い世界が広がっていました。
ネットや量販店とは一味違う魅力を放つショップを巡る連載「ふらっとショップ探訪」。第22回は、京都市中京区のキャンプギアショップ「REVOLVE(リボルブ)」を紹介します。
築100年以上の古民家で営む隠れ家的ショップ
京都市中京区の閑静な住宅街、白い外壁にスカイブルーのドアが印象的な「REVOLVE(リボルブ)」。築100年を超える古民家を利用して、2021年10月にオープンしました。烏丸御池から歩いて5分と、観光のついでに立ち寄りや
すい場所にあります。
店を切り盛りするのは、プロダクトデザイナーとしても活動している寺島壮一さん(29)。大学卒業後、岐阜県で家具職人としての修行を積み、20年1月にガレージブランド「Wildingout(ワイルディングアウト)」を設立しました。
ショップは寺島さんの母親が経営していたカフェの跡地を引き継ぐ形でスタート。寺島さん自身が手がけるプロダクトはもちろんのこと、国内外のガレージブランドからナショナルブランドまで幅広くラインナップされています。
インドアとアウトドアをボーダーレスにつなぐ
古民家を改装した売り場スペースは決して広くないものの、テント、シュラフ、焚き火台、調理器具など、アウトドアで役立つギアが網羅的に扱われています。寺島さんが描く「インドアとアウトドアをボーダーレスに繋ぐ」というコンセプトに沿ったセレクトが特徴。機能性はさることながら、日常にも溶け込むデザイン性の高いアイテムが多く並びます。
1階奥にはバック類も充実。軽量で革新的なギアを展開する韓国ブランド「ZEROGRAM(ゼログラム)」、アメリカ発のサステナブルなブランド「Cotopaxi(コトパクシ)」など、まだまだ実店舗での取り扱いが少ないブランドもラインナップ。背負い心地を試しに登山やハイキングをするお客さんもよく訪れるそう。
古民家ならではの急な階段を慎重に上ると、2階には木製のチェアやテーブルの展示スペースが現れます。並ぶのは、国内家具メーカーが展開する「IKIKI(イキキ)」、愛知県一宮市を拠点とする「0229」などの個性的な品々。そして、寺島さんがデザインするWildingoutのチェアの姿もあります。
店主こだわりの職人技が光るアイテム
Wildingoutの看板ともいえるのが、組み立て式キャンプチェア「chair1987」。寺島さんが下積み時代から温めていたアイデアを形にした一脚です。驚くべきことに、 プラスチックや金具は一切使わず、木材のパーツと帆布を組み立てる構造が採用されています。
寺島さんは「キャンプギアだからこそ自然にやさしいモノづくりにこだわりました。もしも山に忘れて帰っても100%土に還ります。インテリアとして室内でも使えるよう試行錯誤しながら2年がかりで完成させました」と語ります。
木材には耐水性と軽さに優れた栗の木を採用。そのため、無垢の木材でありながら重さは約3kg、分解すれば約13×13×65cmの袋に収納できるので持ち運びにも便利。あえて無塗装の状態のまま販売するのは、「お好みでオイルや蜜蝋を使ってメンテナンスしてもらい、愛着を持って末永く使い続けてほしい」からだそう。
オーナーのおすすめ3選
Wildingout(ワイルディングアウト)の「chair1987」
寺島さん自らが手がけるブランド・Wildingoutの組み立て式キャンプチェア。職人の手仕事によるクラフトマンシップあふれる逸品。「サステナブルなアウトドアライフをデザインする」 べく、木と帆布のみで構築するという挑戦的なアイデアを形にした唯一無二のプロダクトです。
寺島さんの一言メモ
「軽くてコンパクトになるのはもちろん、人間工学に基づいて設計しているので、ゆったりとした座り心地でくつろげます。今後は重厚感のあるオーク材を使ったバージョンも検討しています」
nate.(ネイト)の「borderless 01(ボーダーレス ゼロワン)」
Wildingoutと0229がタッグを組んで生まれたプロダクトラインnate.による第一弾がこちらの組み立て式テーブル。脚を穴に挿して、紐を締めるだけで素早く展開できます。サイズは600×450mm、高さ420mmとソロでもファミリーでも扱い易いサイズ感。メラミン合板の天板は水や汚れに強く、エッジに配したオークがやわらかい雰囲気を醸します。
寺島さんの一言メモ
「ロープの張力で強度を出すという今までにはないギミック。天板には木材ではなくメラミン合板を使うことで耐熱性、耐水性、防汚性を強化しています。リビングからアウトドアまでシーンを選ばないまさに”borderless”なテーブルです」
ZEROGRAM(ゼログラム)の「LOST CREEK UL 40(45L BLACK)」
UL志向の強いテントやバックパックで注目を集める韓国発のアウトドアブランド・ZEROGRAM。X-Pacを採用し、本体重量はわずか600g。ロールトップ型ながら古オープンできるサイドジッパーにより荷物へのアクセスも良好です。
寺島さんの一言メモ
「ウエストベルトポーチは取り外し可能で、シーンや荷物の量に応じて軽量化できます。フロントとサイドに大胆に配されたメッシュポケットは、行動時でもさっと荷物を出し入れできて便利ですよ」
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まとめ
店名のREVOLVE(リボルブ)は直訳すると「回転、ぐるぐる回る」という意味。そこには「作り手と使い手の橋渡し役を担い、アウトドアカルチャーを回していきたい」という思いが込められているそう。古民家ならではの趣深い雰囲気の中、一生モノの道具を探しに訪れてみてはいかがでしょうか。
「REVOLVE(リボルブ)」基本情報
所在地:京都府京都市中京区小川通姉小路上る西堂町508番地
営業時間:11:00~19:00(土日祝は18時まで)、火水定休
TEL:070-8339-8758
Wildingout 公式ホームページ:https://www.wildingout.net/
REVOLVEオンラインストア:https://www.revolvekyoto.com/
nate.公式ホームページ:https://www.natedesign.net/
公式インスタグラム➀(Wildingout):https://www.instagram.com/wildingout_products/
公式インスタグラム➁(REVOLVE):https://www.instagram.com/revolve_outdoor/
公式インスタグラム③(nate.):https://www.instagram.com/nate._design/