「キャンプ情報メディアLANTERN」が2019年から企画・運営を行っている「LANTERN CAMPING FIELD」。
その1つで、長野県小谷村に位置する「雨飾高原キャンプ場」が、冬季休業期間を終えて2024年6月1日から今シーズンの営業を開始します。
すでに関東などでは初夏の陽気となっていますが、雨飾山には少し遅めの春が訪れています。
オープン準備に忙しいキャンプ場スタッフですが、多くのキャンパーの方々の来場を心まちに、日々キャンプ場の整備に取り組んでいます。
今回は、そんな春の訪れを感じる雨飾高原キャンプ場の、オープンまでの様子をお伝えしたいと思います!
オープンの準備
まだ雪が残り、遅めの春の訪れを感じる山。
そんな雪解けの季節からキャンプ場がオープンする準備が始まります。
雪に埋もれたキャンプ場
4月、関東では暖かい日が多い時期ですが、標高1,200mに位置する雨飾高原キャンプ場はまだ雪の中。
ネコヤナギが花を咲かせていました。ふわふわな猫のしっぽのような花が、少しずつやってくる春の気配を感じさせてくれます。
キャンプ場までの道を進むとまだ残雪で道路がふさがれているため、車を置いて歩いてキャンプ場に向かいます。
管理棟付近の雪が少しずつ解け始めていました。
雪解けが進み、山野の水辺や湿地で見られる水芭蕉が咲いています。毎年春の訪れを告げる可憐な花です。
訪れるたびに少しずつ雪解けが進み、雪が残っていながらもしっかりとした日差しの暖かさで桜や新緑が芽吹き、少しずつ春の訪れを感じる中、キャンプ場のオープン準備は進んでいきます。
標高が高く空気が澄んでいるため、雪をかぶった北アルプスを望むことができました。
雪が解けてまずすること
本格的に冬が始まる前には、雪の重みで壊れてしまわないようにキャンプ場の看板などを撤去して保管します。なので、キャンプ場のオープン前に毎年それらの物を設置しなければなりません。
まずは看板を設置していきます。
地道ですが、季節に合った準備を整えて自然の力と共存するのが山での暮らしのルールです。
カーブミラーも雪の重みで曲がってしまうため、撤去していました。キャンプ場のオープンに向けて、安全のため再度設置していきます。
設備の点検
冬の間、門が閉ざされていた受付棟を開き、施設内を清潔に掃除し、修復が必要な箇所は修復していきます。
こちらは受付棟のトイレ。今年も多くのお客様との出会いとなるキャンプ場の受付棟を、しっかりと整備しています。
雨飾高原は標高が高く上水道が整備されていないため、湧水をくみ上げて濾過・滅菌し、キャンプ場内の水道設備に使用しています。
冬の間に貯水槽に入ってしまった落ち葉などを取り除き、場内で綺麗な水を使えるようにしています。
施設の整備
キャンプ場の雪解けが進み、オープンに向けてさまざまな箇所を整えていきます。
雪の重さでウッドデッキが壊れてしまうのを防ぐため、シーズンオフの間は取り外しておいたウッドデッキを再度組み立てていきます。
風が通るデッキで、多くのお客様がくつろぐ憩いの場所となっています。
お越しの際はぜひゆったりと座って景色をながめてみて下さいね。
野焼きを体験
キャンプ場スタッフは、キャンプ場オープンに向けて慌ただしく準備をしていますが、小谷の魅力を発信していくためにも、地域の方々との活動にも積極的に参加しています。
今回参加したのは“野焼き”です。地元の方々と消防団がきちんと火をコントロールしながら、上から下へと枯れた草を燃やしていきます。
これは、茅葺屋根などに使用される「苅安(かりやす)」というイネ科の植物が生える土地で、野焼きによって表面の枯れた苅安などの草を燃やし、病害虫駆除や炭素が地面に定着することで、地面に残った根から新たな苅安が元気に育つのだそうです。
登山にも最適な雨飾山
新潟県と長野県にまたがる妙高戸隠連山国立公園の中に位置する雨飾山は、標高1,963m。日本百名山のうちの一つとされています。
登山コースは一般的に、長野県小谷村側の「小谷温泉コース」、新潟県糸魚川市側の「雨飾温泉コース」が整備され、キャンプ場は「小谷温泉コース」の登山口の入り口が位置しています。
6月の雨飾山は?
キャンプ場がオープンとなる6月1日頃、雨飾山は新緑のピークとなっています。
その年の積雪状況によって時期の変動がありますが、2024年は5月25日から雨飾山の登山口、鎌池、湯峠までの道路が開通し、登山口までのアクセスが可能となります。
キャンプ場のオープン前ではありますが、登山者用の駐車場は利用可能です。
まだ気温によって登山道には残雪が見られる時期なので、十分に安全に配慮した装備で登山に臨んでくださいね。
道路開通のための整備
雨飾荘より先の道路は冬季通行止めとなっていましたが、開通に向けて周辺施設が皆で協力し、雪解け後の道路整備を行います。
雪で道路が埋まっている間に落ちた枝や葉を片付けるため、まずは人力で側溝などにたまった落ち葉をかきだしていきます。
かきだされた大量の落ち葉や枝を、重機を使って片付けて、道路の開通準備が整いました。
小谷に来るならここに行こう!
キャンプに行ったら、せっかくなら楽しみたいのはグルメや観光、温泉ですよね。
雨飾高原キャンプ場周辺の、おすすめ施設を紹介します!
小谷村名産館
長野IC方面からキャンプ場に向かう道中にある「小谷村名産館」では、食事と買い物を楽しむことができます。
美味しいお蕎麦や、熊カレーがおすすめのお店です。
山菜や野菜の季節は、買い物スペースに小谷村産の食材が並びます。
道の駅おたり
車での旅と言えば、道の駅での買い物や食事が定番ですよね。
新潟方面から雨飾キャンプ場に向かう道中にある「道の駅おたり」では、地元野菜を購入できたり、食事や温泉を堪能できます。
春には山菜が手にはいることもあります。キャンプ飯の食材として取り入れてみてはいかがでしょうか。
雨飾荘
雨飾高原キャンプ場から約3kmで車で10分と最も近い場所に位置する雨飾荘。
山の奥の秘湯としては珍しい貴重な毎分240リットルという豊富な湯量を誇っており、男女別の内湯・露天風呂ともに、源泉かけ流しとなっています。
こちらの温泉は、雨飾山の湧水で加水されています。
雨飾荘の玄関側では雨飾山の湧水を汲むことができます。
キャンプはもちろんのこと、登山で訪れる際はペットボトルや水筒を持参して汲んでみるのも、雨飾山の恵みを存分に味わいたい方におすすめです。
雨飾温泉露天風呂
雨飾高原下の源泉からポンプで汲み上げて引湯された、雪のない時期限定の男女別露天風呂です。
こちらの入浴料は寸志(清掃協力費)となっており、登山帰りに入浴するお客さんが多いそう。
自然に囲まれた温泉は、のんびりと高原の風を感じることができます。
山田旅館
古き良き伝統が残る小谷温泉の名所ともいえる山田旅館。
建物は、登録有形文化財となっており、昔ながらの湯治場の風情が大切に残されています。
趣のある建物でゆっくりとくつろぎたい方におすすめの温泉です。
6月1日営業開始!萌えるような初夏の緑を楽しもう
ここまでお伝えした通り、標高が高いため気温が低く、キャンプ場には一足遅い春が来て、青々とした木々が力強く芽吹いています。
減る雪に合わせて少しずつ始めたキャンプ場オープンの準備も佳境となり、日々訪れるキャンパーの皆様との出会いに胸を膨らませながら準備をしています。
雨飾高原キャンプ場の2024年の営業は6月1日より開始!
豊かな自然に囲まれたキャンプ場で、ゆったりと過ごしてみませんか?
予約受付中
キャンプ場の予約は公式HPかなっぷから受付中です。
休業日やイベント開催での貸し切り営業などもあるので、営業カレンダーをチェックして、ご予約下さい。
公式HP:https://www.amakazari.com/reserve/
なっぷ:https://www.nap-camp.com/nagano/12310
アクセス方法
【中央道~長野自動車道】
安曇野ICから国道147号大町・国道148号白馬経由90分
【北陸道】
糸魚川ICから国道148号経由50分
【上信越自動車道】
長野インターから国道19号オリンピック道路白馬経由80分
雨飾高原キャンプ場へ向かう道中は、道幅が狭い箇所があります。
すれ違いの際は譲り合い、気を付けてキャンプ場までお越しくださいね。
皆様との出会いを楽しみにしています!