都市部からも比較的行きやすく子連れでも楽しめるのが川キャンプ。この夏は川キャンプに挑戦したという方も多いのではないでしょうか。
実はこの川キャンプ、楽しいけれど危険が多いことはご存知でしょうか?
今回は筆者が偶然遭遇した事例と合わせて、河原でキャンプをする際の注意点と危険を避ける方法を紹介します。
河原でテント泊ができるキャンプ場へ
今回訪れたのは河原でキャンプができる人気のキャンプ場。アクセスがしやすく、春~秋にかけて人気のあるキャンプ場です。
今回は災害事例や防災に詳しい同僚と一緒に行ったので、事前に以下の点に注意して“川キャンプ”にのぞみました。
事前の天気予報をチェック
キャンプの数日前から何度も天気予報をチェックします。
梅雨が明けることを想定した時期を予定日としていたので、万が一雨予報であれば無理せずキャンセルをしようと考えていました。
予報は晴れ、ということでキャンプを決行することに。ただし、山の天気は変わりやすいので油断しないようにします。
テントの設営は川辺ギリギリを避ける
今回訪れたキャンプ場内の河原サイトは、川から段々になっています。キャンパーさんの中には川岸にテントを建てて冷たい水やせせらぎを楽しんでいる人もいます。
一方私たちは、同僚の助言に従って念のため段の上にテントを設営することにしました。理由は夏特有の「ゲリラ豪雨」が川の上流で降れば一気に増水する可能性を考慮したから。
今回のキャンプは子供たちも一緒です。当然川辺のサイトのほうが楽しいはずですが、不測の事態にもすぐ対処できるように川からは少し距離を置きます。
川遊びの準備は万端に
流れる川の冷たい水と自然に囲まれての川遊びはとても楽しいのですが、危険も伴います。
川は流れもあり、しかも真水は海水よりも浮き上がるのが難しいという特性があります。
また、川は深みに入らないければ大丈夫、と思い込みがちですが、浅いところも意外と流れが速い場合があります。
普段川で遊び慣れていない人は仮に水深が浅くても、滑って転んだりするとパニックになって溺れてしまうなんて事例があるそうです。
そういった悲しい事故のニュースを目にしていたので、安全のため子供たちのためにフローティングベストを用意しました。
アクシデント
天気予報をチェックし、テントの設置場所も工夫し、キャンプを楽しんでいましたが、やはり変わりやすい山の天気。
ここからキャンプ場の様子が一変します。
突然のゲリラ豪雨
一日晴れ予報のはずが、夕方頃からどんどん雲行きが怪しくなってきて……強い雨が降り始めました。
こまめに気象情報の雨雲レーダーをチェックしていると、どんどん強雨のエリアが近づいてきてます。そして次第に土砂降りに。
ゴーゴーと音を立てながら雨が降り、テントを叩きつける激しい雨音が響きます。
ここで気になるのが川の増水。この時点でまだ増水というほどの状態ではありませんが、油断できないため川の見守りを同僚にお願いします。
私は一度子供たちとテント内に退避しました。
テントの雨漏り
この日使用していたテントは、家族からもらった使い古したテント。なんと豪雨に耐えきれず天井やジッパーの部分から水が入ってきてテント内が濡れてしまいました。
タオルで拭いて、アルミマットを敷いて地面からの水の浸透を対策し、ずぶ濡れになりながらテントの上に余っていた小さなシートをかけました。
川の様子をチェック
テントの雨漏り対策に奔走していると、日が傾き少しずつ暗くなっていきます。「このまま暗くなるのは不安だな~」と思っていると、雨が小降りになってきました。
明るさが残っている内に安全な位置から川の様子をチェックします。
するとなんと川辺に設営されたテントが完全に浸水していました…。このテントの持ち主のキャンパーさんは早めに避難されていたので無事でしたが、この後の撤収作業が大変そうでした。
そうこうしているうちに、川の増水が収まりました。これで一旦安心でしょうか。
雨がおさまっても増水の影響は残る
翌朝は昨日の豪雨が嘘のように晴れていました。
川の様子を確認したところ、夜ほどの水量ではありませんが、まだ増水し混濁しています。川に入って遊ぶのは危険が伴うと判断し、断念しました。
川キャンプの注意点と対策
今回アクシデントに見舞われた初めての川キャンプ。これは気を付けたいと感じた注意点を紹介します。
川辺には絶対に設営しない
川から涼しい風が吹いてくるので、ついつい川辺にテントを設営したくなってしまいますが、絶対にやめましょう。
天気予報が晴れ予報でも、山は急な天候の変化があるもの。また、自分がいる場所に雨が降っていなくても上流で局地的に雨が降っていると急激に水位が上昇することがあります。
最近はゲリラ豪雨が多いので河原サイトでも、少し高くなっている場所にテントを設営するのが無難です。
中州でのテント設営やBBQは絶対NG
絶対にやってはいけないことは、中州に渡ってテントを設営したりBBQをすることです。
痛ましい事故事例もあります。川に囲まれているので増水した際に逃げられず、川に流されてしまう可能性があるのでやめましょう。
テントの性能をチェック
今回持って行ったのは家族からお下がりでもらったテント。だいぶ年季もはいっているので、大雨に耐えられる防水性能がありませんでした。
新しいテントを用意する、タープの下に設置する、防水スプレーをかけるなど、もう少し雨対策をしていけば良かったと感じました。
綻びが見られるテントなら、安全安心のために、思い切って買い替えるのも一つの手ですね。
雷が鳴ったら、頑丈な建物や車に避難
もし雷を伴う雨であれば、テント内も危険です。
管理棟などがあればそこへ一時退避したり、車の中に退避しましょう。
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フローティングベストは必須
泳ぎが得意な人でも溺れてしまうことがある川遊び。
大人も子供も川に入る際はフローティングベストがあると心強いです。特に子供は必須と言ってもいいと感じます。
そして当然ですが、子供が川に近づく際には必ず大人がしっかりと見守りましょう。
また、大人はBBQなどで飲酒をすることもあると思いますが、飲んだら川に入らない、ということも重要です。
早めの決断を
対策をしていても、天候は自然に左右されるもの。自然の中で小さい存在である私たちでは、どうにも歯向かうことができません。
もしも急に強い雨や落雷にあった際は、早めに撤収の判断をした方がいいなと感じました。
河川増水には、自分たちの地点で雨が降っていなくても上流の雨によるダムの決壊や放水、氾濫などによる鉄砲水などが起こり得ます。
雨が降ったり、水かさが増してきた場合はすぐに川から上がって高台に逃げましょう。
テントが浸水してしまったキャンパーさんに話を聞いてみましたが、増水してきたタイミングで危険を感じ、テントをそのままにして高い場所へ避難し、そこで一晩過ごしたそうです。
安全に河原キャンプを楽しもう
今回は災害に詳しい同僚のおかげもあって結果として事故に巻き込まれることもなく、安全に終えることができたキャンプでしたが、ここまで挙げてきた通り、河原でのキャンプは注意点がいっぱい。
「無理せず、早めに判断する」ことが大切だなと思います。今回のアクシデントは、とても良い教訓となりました。
今後も安全に気を付けて自然体験を楽しみたいと思います!
みなさんも、河原キャンプや川遊びを楽しむ際は、夏だけでなくオールシーズン気を付けましょう。