突然ですが「ファン付き作業服」「ファン付きウェア」というと、どのようなイメージをお持ちでしょうか?
風船のように服が膨れたようなスタイルで、おしゃれとは正反対だけど、熱中症対策には有効という印象をお持ちの方も少なくないでしょう。
また、普段着というよりは作業服というイメージもあるかもしれません。
そんな中、LOGOS(ロゴス)のウエストポーチ型のボディエアコンが、普段着のまま気軽に使えて好評だとの噂を聞きつけた自転車愛好家の筆者。今回は気温が上がり始めた春から梅雨時期、そして酷暑の真夏まで、実際に自転車に乗る場面を中心に使ってみましたので紹介します。
そもそも、「ファン付きウェア」ってどうなの?
通常の「ファン付きウェア」は、専用の服の両脇腹などに電動ファンが着いており、モバイルバッテリーで駆動するのが主流です。
外の空気を洋服内に取り込み、汗を蒸発させることで熱を放出するという構造です。
その為、身体と服の間に空気の層が必要になり、これにより風船のように服が膨れた、独特のマッチョ系シルエットになっているのがおしゃれとは正反対に思える原因でした。
筆者も従来品の「ファン付きウェア」を実際に試したことがありますが、機能性においても外気温が30℃くらいまでなら、それなりに効果を感じられる一方、昨今の日本の夏の様な酷暑の中で長時間過ごすのは厳しいな、という印象でした。
もちろん汗を乾かし発散させるので、不快感を軽減する効果はあると思います。
ウエストポーチ型で、手軽に使えるボディエアコン
今回紹介するLOGOSの「野電 ボディエアコン・ツインクール」というウエストポーチ型のボディエアコンです。
こちらのアイテムが気になった理由は、通常のTシャツやパーカーなどを、簡易的な「ファン付きウェア」に変えてしまうというアイデア・ギアだったからです。
製品の構造と仕組みは、ウエストポーチの底に2つの電動ファンを装備し、下から吸い上げた空気を、ポーチ上部に開けられた排気口から噴出するようになっています。
この上部の排気口をTシャツやパーカーの裾の中に入れる事で、背中や脇の下に空気の流れを作ってくれるんですね。
ポーチの内部に、モバイルバッテリーを装着できるポケットと、保冷剤を入れるポケットも装備。
左側にスイッチがあり、長押しで電源ON OFF。さらに弱、中、強で風量の強さを3段階で切替ることが可能です。
筆者は今年の4月に、アマゾンにて購入しました。
では、実際に様々なシーンで使ってみた様子をお伝えします。
キャンプやアウトドアシーンで使ってみた
Tシャツで使用してみた画像です。風量を強にするとTシャツ全体が膨れ上がり、風の流れがあるのがわかります。
今年は、春でも25℃近くまで気温が上がる日もあり、まずはウインドウブレーカーと併用してみます。
25℃以下の気温であれば、風量は弱でも背中から適度に体が涼しくなるのを体感できました。
続いて、マウンテンバイクで片道15キロ程の移動の際に、着用してみました。
走っている時は、筆者自身が強い風を受ける為、あまり効果を感じられませんでしたが、信号待ちなどで止まった時、背中から脇の下にかけて空気の流れを体感できました。
「これは、心地が良い!」
さらに、キャンプの際にも着用しましたが、気温が上がり日差しも強かったので、そこまで涼感はなかったものの、日陰に行けばかなり心地よく感じました。
またテント設営のような汗だくになる作業の際は、ボディエアコンを作動させながらだと少し楽な印象でした。
ムシムシした不快な梅雨のレインウェアも快適
梅雨の時期、雨の中での小一時間の自転車移動の際にも使用してみました。
レインウェアを着て、ボディエアコンを装着。
筆者はゴアテックスのレインウェアを使っていますが、ボディエアコンを使うと汗がより発散され、蒸し蒸しする不快さが軽減されました。
気温が25℃程度だったこともあり、かなり快適でした。
なお自転車での使用時には注意点も。
公式サイトでは吸気ファンが下向きに付いているので雨が内部に入らない、という触れ込みで、確かにその通りだと思います。
一方、泥除けのついていない自転車では、後輪が巻き上げる泥水がファンにかかる場合があります。その点は注意が必要でしょう。
このように限定的なシチュエーションでは注意したいですが、キャンプなどのアウトドアシーンなど、レインウェアを着用する場合の快適度がとてもアップすると思います。
猛暑の中で効果はある?正直な感想
今年の夏も、危険とも言える猛暑が続きました。
そんな中、自転車移動の際にボディエアコンを使ってみました。
気温は35℃を超え、陽の当たる場所は40℃近くに達しています。
吸湿速乾機能のあるメッシュ素材のインナーを着て、その上にTシャツを着用し、ボディエアコンを装着しました。
あくまで筆者個人の感想ではありますが、結論から言うと、真夏の日差しが照り付ける環境下では、自転車で走行中、風量を最大にしても、期待していたほどの効果は感じられませんでした。
一応、背中と脇の下を暖かい風が通るので、何も無いよりはマシかなぁという印象でした。
ただし効果を感じる場面もありました。
コンビニなどの冷房の効いた場所に入ると、冷えた空気が入ってくるので、迅速に体温を下げてくれました。これにはちょっと感動するほど。やはり外気温に大きく左右されてしまうようです。
保冷剤を入れれば効果がある?
同じく炎天下の中、保冷剤をボディエアコン内部のポケットに入れて使用してみました。確かに何もないよりは冷気を感じられますが、涼しさを体感できる程、冷たい空気を感じられなかったので、筆者個人としては気休め程度に感じました。
実際に使ってみて良かったこと、気になったこと
20,000mAhのモバイルバッテリーで長時間使用
今回筆者は、20,000mAhのモバイルバッテリーを繋ぎ、風量を弱から中で6時間近く着けっぱなしにしました。
それでも半分以上はバッテリー充電が残っていました。これであれば1泊のキャンプシーンでも充分に活躍すると思います。
座ると空気の取入れ口が塞がる場合も
ウエストポーチの下側に空気取入口がある為、背もたれのついた椅子などに座ると、空気取入口が塞がって使えません。
ポーチの位置をずらすなど少し工夫が必要になるので、この点の使い勝手はあまり良くないかもしれません。
上着の丈に注意
装着時の注意点として、洋服の裾が長過ぎると、ポーチ下側の空気取入口を塞いでしまいます。
その場合、ポーチ側部についている2つのフックに洋服の裾を挟み、空気取入口にかからないようにできます。
ただし、背中側の裾をフックに挟むので、手が届かなかったり見えなかったりと筆者はかなり手間取ってしまいました。使用時はあらかじめ適度な着丈の服を選ぶ方がいいと感じました。
インナーウェアとの併用がおすすめ
夏場の使用では、Tシャツ1枚ではなく、汗の発散を促すインナーウェアとの併用をお勧めします。
素肌にTシャツだけだと、汗で肌とTシャツにへばり付き、空気の流れが作れずボディエアコンの効果が得られにくい状態に。
速乾性のあるインナーウェアは、サイクルウェアや登山ウェアなど、各ブランドから発売されているので、そちらと合わせるといい思いました。
服の生地素材を確認
通気性の高い生地のものだと、ボディエアコンから噴出される空気が繊維の間を通過してしまい、風の流れが作れず汗を上手く発散させられない場合も。
猛暑時のTシャツ選びでは、通気性の高いものを選びがちなので、注意が必要です。
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まとめ
普段着に気軽に着用して、「ファン付きウェア」のように使えるアイデアは、とても素晴らしいと思います。
実際に使ってみても、猛暑の炎天下以外なら、十分涼しさを感じることができると実感しました。
特に筆者のおすすめは、梅雨の時期など雨天時のレインウェアとの相性が抜群だったこと。また、真夏でも雨天時は気温が大きく上昇しないので、その際のレインウェアにはもしかしたら最強と言えるほどの相性かもしれません。
一方で、真夏の最も効果を期待したい炎天下の環境では、期待には届かなかったという個人の感想を持ちました。
ただし、例えば真夏に屋外で熱中症になりかけた人を、冷房の効いた環境に移した状態で「野電 ボディエアコン・ツインクール」を使用すれば、受診までの応急措置として体温を下げる効果はあるかもしれません。
興味のある方は、試してみる価値はあると思える製品ですよ。
LOGOS「野電 ボディエアコン・ツインクール」製品概要
総重量:350g(約)サイズ:幅34cm × 奥行20cm × 高さ10.5cm(約)
対応ウエストサイズ:53cm~106cm(約)、付属延長ベルト使用時 + 20cm(約)
作動時間:強/5時間(約)、中/7時間(約)、弱/13時間(約)※10,000m Ahのモバイルバッテリー使用時
電源:USB
入力電圧/電流:5V/2A
主素材:ABS、ポリエステル、TPUポリエステル