知っておくべき秋山登山の注意点4選
日照時間が短い
「最近、日が暮れるのが早くなったなぁ」と感じる方もいると思います。灯りの少ない山では、顕著にそれを感じます。
秋山シーズンは紅葉で大人気の涸沢のような高山だけではなく、近郊の低山へ行く方も多いのではないでしょうか。
春や夏に何気なく歩いていた樹林帯なども、日照時間の短い秋には15時頃でもとても暗く感じます。その為、コースタイム含め山行計画をしっかりと立てる必要があります。
また、ヘッドライト等の装備品は必ず持っていきましょう。
気候の急変
上記でお伝えしたように秋になると日照時間が短くなります。
そのため、気温が低下し、天候も急変しやすく、冷たい雨が降ることもあります。
標高3000mを超える高山では10月でも降雪することがあるほどです。激しい寒暖差に備えて、服装には十分注意をしましょう。
服装
寒暖差が激しい季節でもあるので、脱ぎ着を基本に快適温度を保ちましょう。
冷え込みに備える薄手のフリースやライトダウンのような防寒着は必須となります。
ビーニー(ニット帽)やグローブ、ネックウォーマーなどの小物類は、防寒の面でもあると安心できます。
また、通常であればポリエステルなどの化繊素材は、乾きが早いため登山に最適ですが、気化熱によって体温を奪います。秋山など寒い季節では、乾くスピードがゆっくりで保温性にも優れたメリノウール製のベースレイヤーを着用するのをおすすめします。他にも、ウールと化繊の混紡素材の物は程よい乾きの速さと耐久性があります。
※レインウェアに関しては、季節や行く山に関係なく常に持ち歩きましょう。
野生生物の脅威
秋山登山で注意が必要なのは気候の急変だけではないんです。
山に生息する生き物にも細心の注意を払う必要があります。特にクマとスズメバチの脅威があるので、下記を参考にしてみましょう。
【クマ】
冬眠に備えて、食欲が増しているクマは特に注意が必要です。
普段よりも気性が荒いことが多いので、クマ鈴を活用するなどして近づかない工夫をしましょう。
遭遇してしまったときは、基本的に目線を離さずゆっくりと後退してその場から離れましょう。
実際に私も、過去に2回、谷川岳などでクマに遭遇したことがありますが、上記の方法で回避することが出来ました。
万が一、襲ってきたときはクマスプレーやポール(杖)があると安心できます。
大声を出し続けて、威嚇するのも効果的です。
【スズメバチ】
秋になるにつれ、蝶や蛾の幼虫などのエサの不足や女王バチを守るために気性が荒くなる季節です。
遭遇してしまっても、大騒ぎせず姿勢を低くしてその場を離れるようにしましょう。
万が一、刺されてしまった時のためにもポイズンリムーバー(毒抜き)と絆創膏などを入れた救急キッドを持ち歩きましょう。
登山の豆知識
登山に必要な水分の量は?
脱水量の7割以上を取るのが理想です。
下記の数式で必要な水分量を知ることができます。
ポイント
行動に対して必要な水分量
行動時間(h)×体重(㎏)×5mex)65㎏の人が7時間歩く場合
7×65×5=2,275㎖
→約2Lの水分を取るのが望ましい。
理想的な歩行ペースは?
最大心拍数を超えないペースが理想です。
具体的には、呼吸が楽な状態で会話ができる状態です。
下記の数式でご自身の最大心拍数を知ることができます。
ポイント
最大心拍数を導く数式
(220-年齢)×0.75=最大心拍数ex)27歳の場合
(220-27)×0,75=144/m
まとめ
今回は秋山登山の魅力と注意点について紹介しました。
多くの山で木々が色付きはじめ、紅葉シーズンを迎えます。紅葉狩りなどをしながらのんびりと登山を楽しめる半面、寒暖差や野生生物の脅威など注意すべき点が意外と多い季節でもあります。今回の記事を参考にして、ぜひ秋山へ行ってみてください。
今後の記事では、実際にLANTERN編集部員が秋山登山に行った様子などを発信するので、ぜひチェックしてくださいね!