2017年で創設10年を迎えたふるさと納税。
しかし今、その本質的な意義や目的と現状の狭間に様々な課題を抱えていると言われています。
「都市」と「地方」には、人口・税収・雇用・情報・環境など、それぞれに抱える問題は異なります。
その中でも「ふるさと納税」がどのような存在にあるのか。今あらためて考えてみたいと思います。
ふるさと納税の現状について
応援したい自治体に寄附ができる制度「ふるさと納税」。収入などで決まる限度内なら、寄附額から原則2,000円を引いた額が所得税・住民税から控除されるうえ、寄附金の使い道を選び、都道府県・市区町村へ寄附することできます。
寄附のお礼として、自治体の特産物が送られ、寄附者のもとに返礼品として届きます。寄附金の使い道は、自治体によって様々ですが、少子化対策、子育て支援、雇用対策、被災地支援などに活用されています。
しかし、ふるさと納税の返礼品について、地元特産品とは関係ない高額なものや、換金性の高いものなどが含まれ、自治体間で返礼品を巡ったお得競争が起きています。
そこで4月1日から、ふるさと納税返礼率上限が納税額の「5割」から「3割」に引き下げという通知が、総務省から各自治体に渡りました。
ふるさと納税の仕組みを詳しくはこちら
応援したい都道府県・市区町村への寄附金のお礼として、返礼品が届く制度「ふるさと納税」。返礼品のお得競争が起きている今、本来の意味とは違った活用がされているように感じられます。
返礼品の価格見直しのタイミングがあった今だからこそ、あらためて考えるきっかけが必要なのではないでしょうか?
北海道根室市では、ふるさと納税を考えるきっかけがあります。
ふるさと納税について考える機会を作る自治体があります。2016年度北海道内の納税額1位の「根室市」。
根室市では、ふるさと納税についての講演や先進事例、寄附金の使い道などを考える「2017地方創生とふるさと納税サミットin根室」を2017年7月24日に開催しました。
日時:2017年7月24日(月)
会場:根室市総合文化会館
▽根室市が考える「ふるさと納税の未来」。どのように寄附を頂き、それをどう市民に還元しているのか。実際に根室市役所の担当の方にお話しを聞かせていただきました。
ふるさと納税制度は、「故郷への感謝」や「地方を応援したい」という思いを実現可能にするために創設されています。
寄附をいただいた自治体は、そういった寄附者の思いに応える責任があり、いただいた寄附金を「何に」「どれくらい」活用したのかをしっかりと公表しなければなりません。透明性を確保し、「まちの変化」を伝えることで、それに寄附者が共感し、また寄附しようと思っていただくことが重要だと考えます。寄附→公表→共感→寄附→・・・といったサイクルが、ふるさと納税制度の本来の姿であり、制度の健全な発展を目指すにはこの形を追い求めていく必要があると思います。
ふるさと納税を振り返り考える根室市。具体的な寄附金の活用事業については、次のページで紹介します。