空や自然を観察するのも立派な遊びのひとつ。天気のことわざ、観天望気(天気俚諺とも)は、迷信のようでいて意外に根拠があるものもあります。ここで紹介するのは、そのごく一部ですが、これらを頭に入れて自然を観察するのも面白いものです。地域や地形によっても異なるので、あくまで予想ではありますが、明日の天気がわかれば「雨が降りそうだから道具は片づけておこう」とか「冷えそうだから温かくして寝よう」など、アクションを起こすことができます。遊びの延長で自然の変化にアンテナを伸ばすきっかけにもなります。
晴れの予報
夕焼けになったら
夕焼けが赤く見えるのは、低い位置にある太陽からの光は、大気中を通る距離が長くなり、赤い光だけが届くため。西に沈む太陽の光がきれいに赤く見えるということは、西に雲がない、空気が澄んでいるということです。日本では天気は西から崩れるため、西に雲がない=明日は晴れ、となる場合が多いです。
煙が東にたなびいたら
焚火の煙が東にたなびくのは、西風が吹いているということ。冬、西高東低の気圧配置のときに西風が吹くと低気圧が列島に近づけず、晴天が続くというのが、その理由です。地形によって風向きが変わるので参考まで。また、春は北風、夏は南風が晴れの兆しといわれています。
夕方、クモが巣を張ったら
明日が晴れると感じたクモが、さっそくエサを採るための巣をつくる、ということだと言われています。雨の日の前はクモは巣をつくらないとも言います。クモの巣の天気予報としては、朝露がついたら晴れというのもあり、夜空に雨雲がなかったため、朝方冷え込み朝霧が出た=高気圧に覆われているという場合があります。
雨の予報
高い山に雲がかかったら
富士山のように高い独立峰に笠のようにかかる雲は「笠雲」と呼ばれるもの。上空の風が強いか、空気が湿っているときに見られ、気圧の谷が接近している可能性が高いです。太陽や月に笠(暈)がかかったときも、雨が降ると予想できます(温暖前線が近づいているときに起こる)。
入道雲が出たら
夏によく見られる入道雲は、正しくは積乱雲といい、上空の大気が不安定なときに出現します。強い上昇気流によって巨大になり、雲の上部が気温氷点下もの高さに達し氷の粒がつくられます。夕立程度からゲリラ豪雨のような大雨、落雷、嵐のような突風をもたらす怖い雲です。
飛行機雲が長くたなびいたら
飛行機が飛んだ後に雲がしばらくの間、残るのは、上空の大気が水分を多く含む、湿った空気だから。低気圧や前線が近づいていると考えられます。天気は下り坂、雨になると予想できます。うろこ雲やイワシ雲と呼ばれる「巻積雲」も、天気に変化が起こるサインです。
ツバメが低く飛んだら
湿気が出てくると蚊などの羽虫の羽根が水分を含んで、低い位置を飛ぶようになります。そして、それをエサにするツバメも低い位置を飛ぶ、というもの。トンボが低く飛ぶときも同じ。乾いた空気は視界がよいため、トンビが空高くを飛んだら晴れ、というのもあります。
星がまたたくと
星がチカチカまたたくのは、上空で密度の違う空気が複雑に流れているときに起こる現象。上空に強い風が吹いている、大気が不安定な状態です。朝気温が上がって上昇気流が起こると、その上空の大気が下がってくるため、風が強くなり、雨が降る兆しとされています。
まとめ
キャンプは天気によって楽しみ方が大きく違ってきます。可能な限り天候の変化を予測することで、事前に雨対策の準備をしたり、子供と遊びの計画を立て直したりと、天気予想は、より充実したアウトドアライフをおくるための重要なスキルなのかもしれませんね。天気と上手く付き合うためにも、日頃から空を観察して天気を予想してみるのはいかかでしょうか。