虫の被害から多くの子どもたちを守っている湘南自然学校の斎藤泰幸さん。初心者キャンプに多いに役立つ、アウトドア大ベテランの虫よけ(虫除け)ノウハウを聞いてきました。
キャンプで気を付けたい虫は?
キャンプ場で被害に遭う確率が高い虫です。最近話題になるマダニのように、藪に潜む小さな虫は、「近寄らない」以外の対策が困難なので、ここでは省略しています。
蚊
言うまでもない「困った虫」の代表格。池や水たまり、川の流れが弱い淵の近くに発生しやすく、テントはできるだけ離れて設営したほうがよいでしょう。
ブヨ(ブユ、ブト)
キャンプ場でよく見かけるのは、蚊より大きくハエより小さいくらいのサイズです。人の身体を口で噛んで吸血します。蚊に刺されるより、痕が大きく、強いかゆみが残ります。
蜂
ミツバチ、アシナガバチ、スズメバチなど。中でもオオスズメバチの危険度は高く、土の中に巣を作ることが多いと言われています。
ムカデ
私も経験がありますが、刺されると30分くらいは動けなくなるほど痛いんです! 山よりも海辺のキャンプで多く見かけます。
基本の虫よけ(虫除け)対策
スプレーなど虫よけ(虫除け)アイテムを、と考える前に、危険を回避するとても大事な虫対策。
蜂対策はできるだけ薄い色の服で
黒や赤など、濃い色の服は蜂に狙われやすいと言われています。理由は定かではありませんが、白や水色など、薄い色の服のほうが無難。帽子もできれば色の薄いものがベターです。
蜂が近くに来て、手で払ったりするのは得策ではありません。蜂が、攻撃されていると勘違いして、反撃してくる可能性があります。静かに、じっとして通り過ぎるのを待ちましょう。
靴やバッグの中身をよく確認
私自身の経験ですが、海のキャンプで靴の中にムカデが入っていることに気づかず、そのまま履いて刺されたことがありました。ムカデに限らず、靴やバッグの中に虫が潜んでいる可能性は十分にあります。
靴を履くとき、バッグの中から洋服を出して着るときは、必ず逆さまにして振るなど、虫がいないことを確認してからにしましょう。
湘南自然学校が実際に使う虫よけ(虫除け)アイテム5
子どもに持参するよう推奨したり、スタッフが実際に使っている虫よけ(虫除け)アイテムです。写真は湘南自然学校で実際に使っている携帯救急セットの中身。
虫よけ(虫除け)スプレーはリキッドタイプが◎
虫よけ(虫除け)には、リングやシール、電池式の蚊とりなど、多彩な製品があります。個人的に一番手軽で効果を実感しているのは、やはり肌に直接付けるタイプの虫よけ(虫除け)スプレーです。
ただし、広範囲に噴霧するタイプより、手のひらに付けて広げるミストやローションタイプのほうを、親御さんにすすめています。
噴霧するタイプだと、虫に向かって吹いて遊ぶ子がいます。それでは当然効果はありませんし、スプレーがあっという間になくなってしまいます。ファミリーでも、リキッドタイプのほうが、何かと手間いらずではないでしょうか。
累計200万本突破の大人気商品!天然成分100%で、デリケートな6ヶ月以降の赤ちゃんから使用できる虫除け。
テントの中はワンプッシュの虫よけ(虫除け)で
湘南自然学校では、子どもたちだけでテントやコテージに寝泊まりします。この環境は特殊かもしれませんが、火を使う蚊取り線香は危険なので使いません。
代わりに、最近私たちの愛用しているのが、1日1回ワンプッシュするだけでOKの「蚊がいなくなるスプレー」です。ワンプッシュだけで蚊が来なくなるなんて信じられませんが、実際テントの中でも快適に過ごしています。
虫刺されには少しお高めの「ムヒアルファEX」など
蚊やブヨに刺されたときは、「ムヒ」「キンカン」などに代表される、一般の虫刺され薬を塗ります。実感しているのは「高いものを選んだほうがよい」ということ。
たとえば「ムヒ」には、「ムヒアルファEX」のような上位商品があります。似た成分で、リーズナブルなジェネリック薬も販売されているので、薬局で相談してみましょう。
抗ヒスタミン薬(塗り薬)「新レスタミンコーワ軟膏」
かゆみ、かぶれや虫さされに効能のある抗ヒスタミン薬の塗り薬を常備しています。私たちが使っているのは、「新レスタミンコーワ軟膏」です。ムカデや蜂に刺された後、1日数回塗ってケアします。
ポイズンリムーバー
一家にひとつ持っておきたいのがポイズンリムーバーです。
傷口に吸い出し口を当て、レバーを引いたり、ピストンを押すことで、皮膚の下にある毒を吸い出せます。蜂やムカデなど強力な毒を持つ虫に刺されたときの応急処置に、用意しておくとよいアイテムです。