さまざまな製品が展開されている寝袋。夏用から冬用、頭をすっぽり覆うタイプから布団のように使えるタイプまであるので、初心者の方はどれを選ぶべきか迷ってしまうかと思います。今回は、LOGOS東京店の店長・高橋さんに、寝袋の選び方からおすすめアイテムまで教えてもらいました。
寝袋のタイプはたったの2つ
見た目も性能もさまざまな寝袋ですが、大きく2つのタイプに分類されます。
封筒型
名前の通り、封筒のような長方形型の寝袋を指します。
使い心地は布団に近く、はじめての方も使いやすいでしょう。寝つけるか不安な子どもにもおすすめです。
側面をジッパーで開閉できるため、半身だけ体を出すなど、温度調節がとても簡単。夜は蒸し暑く、明け方にかけて急速に冷え込む夏のキャンプに向いています。
生地は人口の化学繊維が中心。肌触りの良さや速乾性に優れたアイテムが、数多く開発されています。
マミー型
マミー(mummy)は日本語でミイラを意味し、頭まですっぽりと覆う形状の寝袋を指します。
足先に向かってすぼまっていく形状は、体のラインに密着するように作られており、熱を逃しません。抜群の保温性が、秋から冬にかけて活躍します。
寝袋の内側は、体温を反射する仕組みのため、必要以上の暑苦しさも感じません。
生地はダウンタイプがほとんど。つるつるとした感触が苦手な方は、内側に毛布やタオルケットを敷くと心地良く眠れます。
場所や季節に合った寝袋の選び方
寝袋の製品情報を見ると、「適正温度」という項目が記載されています。こちらは、記載されている気温までは防寒できることを意味し、温度が低いほど防寒性が高く、温度が高いほど暑さに強くなります。
LOGOSでは、-2℃や0℃など、防寒性に優れたアイテムをおすすめしています。
理由は簡単で、暑さは温度調節できますが、寒さは調節できないため。
寝袋をはだけて使うなど、暑さを緩和する方法はあります。一方、寒さ対策は、アイテムの防寒性に依存します。用意したアイテムが防寒性に優れていなかった場合、予想外の冷え込みに対応できません。
夏のキャンプ場は、明け方にかけて冷え込みます。特に芝生のあるキャンプ場。湿気を吸った芝生が、朝日に当てられて一斉に水蒸気を生み出し、大気を冷やしてしまいます。
不測の事態にそなえて、夏でも防寒性の高いアイテムを用意しておくと安心です。
封筒型のおすすめ寝袋
2in1・Wサイズ丸洗い寝袋
2つの寝袋がセットになったアイテム。
2種類の使い方が用意されています。1つは、それぞれをシングルサイズの寝袋として使うこと。もう1つは、寝袋同士をジップで結合し、ダブルサイズの寝袋として使うこと。
ファミリーの方におすすめです。キャンプ場の夜は暗いため、別の寝袋で寝ていた子どもが、「怖いからママ(パパ)と寝たい」と潜り込んでくることもしばしば(笑)。寝袋をつなぎ合わせて一緒に眠りましょう。
適正温度は0℃で、春・夏・秋と初冬まで使えるアイテム。中綿には軽くてやわらかい化学繊維・ダイナチューブファイバーを採用しています。洗濯機での丸洗いにも対応した素材で、速乾性も抜群です。
マミー型のおすすめ寝袋
ウルトラコンパクトアリーバ
マミー型としては珍しく、初心者の方におすすめの寝袋。
非常にコンパクトに作られており、収納時には最小で18×28cmまで圧縮できます。荷物の扱いに慣れていない初心者の方にとって、かさばらないのはうれしいポイント。
洗濯機での丸洗いにも対応しています。マミー型は、手洗いやクリーニング店を使っての洗濯が主流。こちらは家庭用の中性洗剤で洗えるため、簡単に清潔さを保てます。
適正温度は2℃、-2℃、-6℃、-15℃の4種類を用意。
防災用のアイテムとして購入される方も増えています。特に雪国に住んでいる方は、大雪の日に車で一夜を過ごさなければならない……なんてハプニングもあり得ます。トランクの中に一式そなえておきましょう。