これからキャンプをはじめようと思った時に必ず通る道は、どんなテントを選べばいいのかという悩み。
はじめまして、新潟県の老舗アウトドア専門店WESTでキャンプ用品のバイヤーをしている加藤です。
アウトドアが大好きな私が、少しでも皆さんのお役に立つ情報をご提供できればと思い、不定期ですが情報発信をさせていただきます。
初めてのテント選びのために、まずは知っておきたいテントの種類をご紹介します。みなさんのテント選びの参考にしてみてください。
テントの形は好みでいいの?
一般的なファミリーキャンプに使われているテントのタイプは大きく分けるとドーム型、ツールーム型、ロッジ型、ワンポール型、この4種類に分かれます。
トータルバランス重視のドーム型テント
一番普及しているタイプでスノーピークのアメニティドームなどもこのタイプ。就寝スペースは260×260cm前後が一般的。キャンプ場のレンタルテントもほとんどがこのタイプ。
2本のフレームを本体に差し込むとクロスした4本の足で安定して自立し、設営の初期段階でテントの形になってくれるので、気分的にも安心ですね。
フライシートをかけて完成すると流線形のシルエットになり、風を受け流すので耐風性が高く、設営も簡単。重量も10kg以下が多く、軽量でトータルバランスが高いので普及しているのも納得できます。
リビングと寝室が一体化したツールーム型テント
基本構造はドーム型とほとんど同じで、1.5~2倍程度の組み立て作業がプラスされたものがほとんど。一昔前まではドーム型からステップアップして買い替える方がほとんどでしたが、設営のしやすいカマボコ型が仲間に増えたことで、初めてのテントにツールームを選ぶ方も増えてきました。
虫よけになるメッシュ部分が夏のキャンプに便利そうに見えますが、真夏のキャンプだと意外と中は暑くなることも…。テントの外でもすごせるように、Mサイズのオープンタープもバックアップに用意しておけば装備は完璧です。
実は汗をかかずに設営ができる涼しいシーズンこそ本領を発揮します。昼間は適温でも日が暮れると急激に気温がさがり、とてもそとでは食事していられないことも多くあります。
空気がおいしく、紅葉も楽しめるような高原のキャンプ場だとよくある話ですが、ツールームならリビング内でパネルを閉じればある程度の保温力があるので天候や気温の変化への対応力の高さが一番の魅力ですね。
Reisa6は設営しやすいカマボコ型ツールームの代表格。デザイン性も妥協しないヨーロッパブランドのファミリーテントがカマボコ型の人気を不動のものに。
日本別注のJapan-Beigeは今でも入手困難なレアモデルとして注目を集めています。
高い居住性を誇るロッジ型テント
年配のベテランキャンパーさん達にはおなじみの渋いスタイル。昔はこの形が一般的でした。
現行品だとogawaのロッジシェルターⅡなどが根強い人気を誇っています。
箱型に切り立った形状なので室内が広く使え、開放的に過ごせる点と、なんといっても見た目がレトロでかわいらしいデザイン。素朴でノスタルジックなスタイルはキャンプの原風景すら感じさせます。
鉄のフレームを使用するので重量も20kgを超えるものがほとんど。初心者の最初のテントとしてはあまりオススメしませんが、絶対に無理というほど難しいわけではないのでスタイルが気に入ったなら、是非チャレンジしてみてください。
軽量で耐風性の高いワンポール型テント
NORDISKなどに代表される、おしゃれキャンパーの代名詞のように思われがちなテントですが設営法はシンプルで、さらに耐風性もとても高く、特殊なイメージとは違い実用性も十分。背が高いのでテント内でくつろいだり、着替えをするときもストレスを感じないのも嬉しいポイント。
注意点は、自立しないテントなので沢山あるペグダウンを全てしっかりと打ち込む必要がある点。
ふもとっぱらキャンプ場のように地盤が固いキャンプ場では強靭なペグと打ち込む力の強いハンマーがあると安心。
まとめ
テント選びは大きなお買い物になるので、当然みなさん慎重になってしまいますよね。
店頭で沢山のお客様の購入に立ち合い、その後のキャンプライフのご報告も聞いていると慎重になりすぎて前評判だけで判断して無難なテントを購入したけれど、やっぱり思い切って一目惚れしたテントにすればよかった…。なんて話もよく耳にします。
正しい知識があれば、どのテントとも上手に付き合っていけるはずなので、自分の好みに合わせたテントをお選びいただくのが一番だと思います。自分が惚れたテントなら多少の不便にも目をつむれるものですしね。
気に入ったテントなら扱いの難しさにはすぐ慣れるし、逆に簡単だからといって好きでもないテントにお金を出すのはもったいない!
非日常を楽しむためのキャンプに使う道具だからこそ、好みや個性を楽しみましょう!