キャンプ用品を最初に手に取る時、テントや寝袋と同じぐらい悩むのが燃料系の道具。こんにちは、Campeenaの安井直子です。
ガソリンにするのか、ガスにするのか…。我が家の場合は自宅がガス調理器具だったので、ガスのツーバーナーに決定し、ランタンも自ずとガスランタンに決まりました。しかし、キャンプ用のガス缶について詳しく知らずに買ったせいもあり、後から人づてに知ったことがたくさん!!
最初から知っておきたいけど意外と知らないガス缶のことを、愛知県豊川市に本社のある新富士バーナー(SOTO)の坂之上(さかのうえ)さんに質問してみました。
OD缶とCB缶はどう違うの?
SOTOの場合、2種類のCB缶(CassetteガスBombe)と1種類のOD缶(OutDoor)を販売しています。
CB缶は入手しやすく自宅でも使えるため、気軽にお手に取っていただけるガスだと思います。OD缶はアウトドアでの使用に対応するために作られているので、丈夫に作られていて火力も安定しやすいのですが、その分お値段もお高めです。
CB缶にはレギュラーガス(ブタン)とパワーガス(ブタン&プロパン)、OD缶にはパワーガストリプルミックス(ブタン&イソブタン&プロパン)があり、それぞれ中に入っているガスの配合が違います。3種類のガスは沸点※(ブタン-1℃ イソブタン-11.7℃ プロパン−42.1℃)が違うので、配合によって使用できる気温・季節に違いが出ます。
※沸点とは液体から気体に変わる温度
寒い季節に火力が落ちるのは何度から?
メーカーによってガスの配合が違い、最適温度の設定も違っていますので…あくまでもSOTOの場合ですが、レギュラーガスは10度を下回ると火力が下がってきます。
ただ、マイクロレギュレーター付きの器具でしたら、気温によって火力が落ちにくい設計になっていたりしますので…一概に「何度から」とはご説明できませんが、10℃を下回るようでしたら、耐寒性のあるガスに変えていただいた方がいいと思います。
直射日光・炎天下以外に注意が必要な保管場所はありますか?
ガス缶の注意書きにもありますが、砂地やコンクリート、アスファルトの上なども危険ですので注意が必要です。特に砂浜は、日が当たらなくなってからも、砂はなかなか冷えませんよね。夕方のBBQでもガス缶をじかに地面に置かないなど、十分注意してください。
ガス缶カバーって、火力減少に効果はあるの?
基本的にガス缶カバーは「おしゃれアイテム」ですね。ガス缶をじかに雪の上に置いて使用する際などには、雪によって缶が冷やされるのを予防する効果がありますが、通常使用時ではガス缶を保温する効果はあまりありません。缶自体が熱を出しているわけではありませんし、カバー自体が発熱するわけでも無いので、あくまでも外気の冷たさを伝えにくくする、おしゃれアイテムです。
長時間使用で火力が落ちるドロップダウン現象を予防するなら、ガス缶を途中で交換するしかありません。
また、寒い季節の朝、ガスがつきにくくなるのを予防するなら、寝袋の端に入れて温めるといいですよ。
高地に行くとガスがつきにくくなるのはなぜ?
色々な要因が考えられると思いますが…、高地は平地よりも気温も気圧も低いことが多いですよね。その日のお天気などにもよるので何とも言えませんが、一般的に標高1,500~2,000m以上になってくると着火器具がうまく働かなくなり、ガスがちゃんと出ていても点火しづらくなってしまいます。高地に行く際には、フリント式のライターやマッチなど、着火器具も準備するといいです。
photo by tomokko107
まとめ
ガスは便利な半面、使い方や特性をきちんと知らないと、その性能を活かしきることができないということがよく分かりました。
各メーカーさんのカタログに、熱量や光量のことだけでなく、使っているガスや気温などの条件もちゃんと書かれていますので、今一度、使用する前にはちゃんと注意事項を確認したいものですね。そして、見た目のデザインや使い勝手も重要ですが、自分達のキャンプスタイルに最適なものを選ばないといけません。
上手に付き合って、安全にキャンプを楽しんでいきたいと思います。