キャンプ場で寝泊まりすると聞いたとき、真っ先に思い浮かべるのは「テント泊」かと思います。ですが、実際にはキャンプ場での宿泊方法はさまざま。別荘のような木の家を借りたり、アメリカンなトレーラーハウスに泊まるなど、一味違うキャンプを楽しめる方法はたくさんあります。
今回は、だれもが知る泊まり方から、知る人ぞ知る泊まり方まで、キャンプの宿泊方法を一挙まとめます!
1.テント
定番中の定番、テント。初心者の方は、「宿泊するには寝心地が悪そう」とイメージされるかもしれませんが、ふかふかの寝袋や、折りたたみ式のベッドにも似た「コット」を使えば、快適な寝心地があっさりと実現できます。風や木々のざわめき、虫の声などを間近で聞きながら眠りに落ちる感覚は格別の一言。
設営する楽しさと設営を任せる気軽さ
キャンプサイト(※キャンプ場内のテントを立てられるスペース)にみずからテントを張るのが主流ですが、あらかじめテントが設営された「常設テントサイト」もあります。
自然の中に小さな家を建てる楽しさか、手間のかかる設営をスキップしてすぐにくつろげる気軽さか、皆さんはどちらを選びますか?
2.ティピー
テントは知っていても、ティピーは名前すら知らない方が多いのではないでしょうか。ティピーとは、アメリカやカナダのインディアン部族が使っていた移動式の住居。円錐型の形状で、かわいらしいトンガリ屋根が特徴です。天井が高く、テントより一回り大きいサイズ感。
ティピーを常設したキャンプ場があるほか、近ごろはティピーと形の似た「ワンポールテント」も人気を博しています。
冬に強みを発揮するティピー
ティピーの大きな強みは、寒さに負けないこと。その秘密は、穴の空いた天井にあります。
木の骨組みを放射状に並べ、上から革のシートで包むだけのティピーには、どうしても天井部に隙間が生まれます。この穴が、えんとつの役割を担ってくれます。空気の逃げ道ができるため、一酸化炭素中毒を起こす危険性もなく、ティピーの中でも火を扱えます。内側に囲炉裏があるティピーもあり、寒さをしのぎながら料理も楽しめます。
ただし、雨の日には雨漏りしてしまうので、空模様には気をつけましょう!
3.コテージ
コテージとは、一戸建てを貸し切って宿泊する施設のこと。複数の部屋を持ち、シャワーやトイレ、ベッドやキッチンなどの設備も整っているため、貸別荘のように使えます。
呼び名は諸説ありますが、「ログハウス」との明確な違いはありません。山小屋風の施設は「ロッジ」と呼ばれることもあります。
充実した設備がさまざまな楽しみ方を実現
プライベートな空間を確保できるので、ファミリーやグループでの利用に向いています。北欧を思わせるおしゃれな外観に、テラスやデッキ、バルコニーなどをそなえている場合も多く、景色やムードを満喫したい方にもおすすめです。ダッチオーブンなど、家にはないキッチン用品をレンタルし、豪勢なアウトドア料理を楽しまれる方もいます。
4.バンガロー
バンガローは、木造の小屋のような宿泊施設。コテージや後述のロッジと比べて、小規模に作られているのが特徴です。シャワーやトイレ、寝具などの設備がそなわっていないワンルームタイプがほとんど。
呼び名は諸説ありますが、「ケビン」「キャビン」と呼ばれることも多いです。
小規模ならではの強み
設備面では見劣りしがちなバンガローですが、簡易的だからこそ価格が安く、気軽に利用できるのが強み。テントを張るのが苦手な方、準備の手間を省きたい方、荷物の量を減らしたい方などにおすすめです。
5.パオ(ゲル)
提供:PICA富士吉田
パオとは、モンゴルの遊牧民が使っている移動式住居。中国語の「包(パオ)」に由来しており、モンゴルでは「ゲオ」と呼ばれます。ぽってりとした丸屋根と、不思議な雰囲気を放つ民族柄の内装が特徴です。
テントのような見た目ですが、キャンプ場に常設されているゲルは、ベッドなどの設備が整っている場合が多いです。バンガローとほとんど変わらない利便性で使えます。
6.トレーラーハウス
トレーラーハウスとは、牽引型の車にシャワーやトイレ、キッチンやダイニングテーブルをそなえつけた「キャンピングトレーラー」を、定住する目的で設置したもの。電気や水道を引いており、内装も家と遜色ないため、「タイヤのついた家」とも呼ぶべきおしゃれな宿泊施設です。アメリカでは車の黎明期から存在します。
宿泊施設でキャンプは変わる
宿泊施設の違いは、キャンプの過ごし方を左右します。落ち着いて家族水入らずの時間を過ごせるコテージや、異国情緒を楽しめるパオ、歴史を感じる囲炉裏で食事できるティピーなど、さまざまな宿泊施設を使って、新たなキャンプスタイルを探しましょう!