夏休み本番、キャンプへ出かける方も多いでしょう。テンション上がる中、気を付けたいのが事故や病気、ケガです。アウトドアライター/日本オートキャンプ協会公認インストラクターのSAMさんにご協力いただき、キャンプ場にある意外に見落としがちなリスクをまとめました。
1.台風
夏のお出かけ前には、天気予報で台風情報などをこまめにチェックしましょう。海や山で台風に遭遇すれば、大きな事故になりかねません。楽しみにしていたキャンプを諦めるのはつらいところですが、台風が予測されるならば、勇気を持って中止する決断も大切です。
2.天気の変化
台風が来ていなくても、どんなに天気が良いように見えても、いつ天気の悪化に見舞われるかわかりません。特におそろしいのが「ゲリラ豪雨」です。
キャンプ場で、水がたまりやすい窪地でのテント設営は、できるだけ避けたいところ。また、川の中州に取り残されるリスクは、再三報道されている通り。本当に注意が必要です。
突然やってくるゲリラ豪雨ですが、予兆がないわけではありません。急に冷たい風が吹いてきたり、暗く黒い雲が見えたとき、雷鳴があったときは、豪雨の可能性があります。
3.水の変化
特に気を付けたいのが水難事故。川の近くのキャンプ場なら鉄砲水、海の近くなら高波に注意しましょう。危険を感じたら、すぐに水のそばを離れ、可能な限り危険が少ない高台に避難してください。
予見が難しいのは鉄砲水。まわりの天気が良くても、上流が荒れ模様だと、川の水位が一気に増します。流れが濁ってくる、木の枝などゴミが多くなる、などが鉄砲水の予兆です。
また、平穏時でも川には思わぬ急な流れの部分があります。一度流れにハマると抜け出せなくなってしまいます。小さな子どもを一人にしない、大人でも泥酔状態で入水しないなど十分に気をつけましょう。
4.体調の変化
ふだんとは環境ががらりと変わるキャンプ場では、気温の変化に慣れなかったり、遊びすぎたりで、体調の変化も起こりやすくなります。そんなときにはまず無理をせず、休息をとることが一番大事です。また、それぞれに合った常備薬を、忘れずに持参することもおすすめします。
5.動物
キャンプ場によっては、カラスがとてもやっかいな存在です。就寝時、食材を放置していると、翌朝荒らされている・・・・・・なんてことも。
SAMさんは、食材置き場として、
クルマ、もしくはテントの前室などひと気がある保管場所が有効
としています(夏休み!安全・安心を確保して楽しい思い出を!)。スクリーンタープを閉めていても、場合によってはシートを破って中へ侵入することも。
6.盗難
キャンプ場はキャンパーたちの良心でなりたっている小さな社会。しかし、一方ではキャンプ道具はむき出しになっており、管理が難しいのも事実です。外部からの出入りも容易な環境にあります。
貴重品は身につけるか、車の中で保管しましょう。もちろん、車の施錠は忘れずに。
7.車の事故
車が乗り入れられるオートフリーのキャンプ場。基本的に信号や標識はなく、公道ではないので道交法は通用しません。最低限の規則はありますが、あくまでキャンパーたちの判断にゆだねられています。そんな中で、過去には悲しく痛ましい事故もありました。
SAMさんは、
①車と人が共生するオートキャンプ場において、車は絶対に人に合わせる基準に下りなければならない。公道上の車の立ち位置を持ち込んではならない。
②オートキャンプ場では車の行動する一定の範囲があり、常にそうでない場所との差異をキャンパーは必ず認識し、注意を怠らない。またその認識の難しい若年層がいるなら、保護すべき立場のキャンパーが常時監視する。
としています(西湖のキャンプ場における事故から改めての教訓)。
「キャンパー相互誰もがが見て見ぬふりはしないということ」とSAMさん。危険を察知した人が行動する、という意識で安全担保は全員があたるべきだとしています。
8.小さな油断
さて、ここまでキャンプ場に潜むさまざまなリスクをご紹介しました。一番大きなリスクは、キャンパー自身の心の中にあります。
油断で判断が遅れると、命取りになりかねません。危険を察知したら、早めに判断し、即座に避難などの行動に移しましょう。
心の準備をしたら、いざキャンプ場へ! まずは安全・安心を確保してこそ、楽しい夏の想い出が待っています。
参考・出典
本稿は、アウトドアライター/日本オートキャンプ協会公認インストラクターのSAMさんに協力・監修をいただき、制作しました。下記に、事故に関する注意喚起が記載されています。ぜひ、お読みの上、夏のキャンプを楽しんでください。
夏休み!安全・安心を確保して楽しい思い出を!
繰り返してはならない悲しきキャンプの事故 ~ウエルキャンプ西丹沢の教訓
西湖のキャンプ場における事故から改めての教訓