満点の星空のもと大スクリーンで好きな映像を楽しむ。
実はプロジェクターの進化でいとも簡単に実現可能。初心者キャンパーでも楽しめる手軽なアウトドアシアターのメソッドをお届け。
アウトドアシアターはこんなに素敵
映画館といえば決まった時間にはじまり周囲の方への配慮が必要な空間。でもアウトドアシアターなら全てが自由。(キャンプ場のレギュレーションは守る必要があるので音に関するルール等は事前にご確認を)好きなタイトルを好きな時間に好きなチェアで楽しめます。
そして何よりありえないほどの解放感を味わえるフィールドが選び放題。想像してみてください、星降る山の映画館、湖畔の映画館、海の映画館に観客は自分たちだけ。
フード&ドリンクもご自由に
アウトドアシアターではフード&ドリンクの持ち込みだってOKです。なんならシアターで作りながら食べちゃってください。この点の自由さもホームシアター以上。
映画のグルメシーンでは同じものが食べたくなってしまうもの。作品と同じ料理を再現するエンタメ野外料理みたいな遊びも楽しいですよ。シーンに合わせたフィールドを選んでジブリ飯映画会なんていかがでしょう?
野外映画に必要なたった三つのもの
「スクリーンとプロジェクター」本当はたったこの二つでアウトドアシアターは作れます。とはいえプロジェクターの電池量は限られていて個体差もあります。実際に長時間キャンプ場で映画を楽しむ環境を作るという意味で、三つ目に電源(バッテリー)を加えます。
キャンパーにとって新たに必要な装備といえばプロジェクター程度。現在では実用可能な製品でだいたい3万円前後。野外映画を楽しめて家のサブディスプレイとしても使えると考えれば購入しても良い値段ではないでしょうか。
革命的に小さいプロジェクターが可能性を急拡大
このサイズ感、お解りいただけるだろうか。コーラの350ml缶よりも小さいこのプロジェクターは150 ANSIルーメンで使用十分のスペック。このサイズで最大なんと100インチの大画面を作り出します。
このコンパクトさならザックにパッキングしてトレッキングでも映画館をつくれます。しかも内臓電池による動画再生時間は最大約4時間(wifi利用時は約3時間)。決まった映画だけを1、2本観るなら外部バッテリーさえ必要ないスペックです。
外部端末を必要とせずYoutube視聴が可能なのでスマホも必要ありません。今回は実際に、この小さすぎる映画館『Anker Nebula Capsule Pro』を使ってアウトドアシアターを作ります。
Anker Nebula Capsule Pro
<製品仕様>
製品寸法: 約120 x 68 x 68mm
製品重量:約470g
入力:Quick Charge 2.0/9V-2A
アウトドアシアターHOW TO
いよいよアウトドアシアターのHOW TO。キャンパー初心者でも本当にかんたんにできるのでご安心ください。「テントを一人で立てる自信がない」そんな方こそ、キャンプで宿泊する前にまずは半日キャンプのアウトドアシアターから楽しんでみるのもいいかもしれません。
スクリーンを設置する
専用のスクリーンはいりません。収納性も考慮するとただの白い布でOK。薄手の帆布だと扱いやすく安価ですね。ユザワヤのようなクラフトショップで手に入ります。プロジェクターで投影する画面のインチサイズよりやや大きめの大きさを用意します。
専用ロープもいりません。テントで使うガイラインで、左右の木やポールに四隅を結んでテンションをかけるだけ。下二本のラインはペグダウンだと調整がより自由です。
ノットに自信のない方は事前に布と引綱を用意しておくと安心。用意した白い布の四隅に穴を開け、できればハトメで止めます。(大したテンションはかけないのでざっくりで良いならハトメも必要なし)5mm前後のパラコード、もしくは綿のより紐を3mほどの長さで4本用意しておけばOK。
現地で時短したいという方は引綱の端にカラビナをつけておけておけば現場でノット回数が減ります。左右に木があるフィールドかどうか、ポールを立てる必要があるかどうかは事前にイメージしておくとスムーズです。
<用意するもの>
- スクリーン用の白い布(薄手の帆布等)
- ガイラインもしくは3mほどのパラコードか綿のより紐×4本
- 必要に応じてハトメ、カラビナ、ペグ
プロジェクターを台に乗せる
スクリーンからプロジェクターまでの距離はプロジェクターの推奨値を基準に、照射しながらプロジェクターを動かして映像が見えやすい距離を選びます。キャンプサイトのレイアウト等も考慮します。
ここで重要なのがプロジェクターを置く台の高さ。ふだん使っているキャンプテーブルでもいいのですが、現地で上下の高さ調整ができる、もしくは台の角度を調整できる必要があります。『Anker Nebula Capsule Pro』のようにカメラの三脚にセットできるプロジェクターなら三脚を使うととっても楽。
もし高さ調整のできない台しか無い場合には、台の前面下部に高さを出すものを敷いてプロジェクターの角度をつけます。
バッテリーや出力端末にセットすれば素敵空間のできあがり
アウトドアシアターを構成する最小単位なら「スクリーン+プロジェクター」、ある意味すでにできあがっています。あとは内部電池を補うために外部電源に接続する、もしくは出力端末を使用する場合にそれらと繋げるだけ。実際にテントを立てるよりも少ない手数で、あっという間にプライベート映画館の完成です。
ハンモックチェアはチートなスクリーンスタンド
フィールドに丁度良い木が無さそう、タープポールでスタンドを作るのもちょっと難しそう、そんな方はハンモックチェアを使えばそのままスクリーンスタンドとして使えます。“チェア”としても使える角度調整ができる点がポイント。
スクリーンとして使わない場合はハンモックやチェアとしてサイトで使える上に、一台車に積んで置けばフィールドを選ばずどこでも気軽にアウトドアシアターを作りやすくなるのでおすすめチートです。
Sifflus 3WAY自立式ポータブルハンモック
<製品仕様>
サイズ:2450×780×850mm
重量:8,5kg※ハンモック使用時
収納時サイズ:1150×170×125mm
収納時重量(約):9,75kg
耐荷重(約):100kg以下
スクリーンはタープやシェルターでもOK
なるべく荷物を減らしたいという方、山岳出身の私も同感です。そういうソリッドな視点でアウトドアシアターを作るなら、荷物を増やさずタープやシェルターをスクリーンを代用に。プロジェクターが小さいのでミニマル装備でのアウトドアシアターだって可能です。
ローカスギアのTarp X等が一枚あると世界が広がります。展開も一瞬で畳みやすく、パッキングスペースはちょっとした隙間でOK。無駄なく汎用性が高いソリッドさはスペックの高さであり、ローカスギアの魅力を体現しています。ローカスギアほど「使えてかっこいい」という表現がしっくりくるブランドもなかなかありません。
Locusgear Tarp X Duo Sil
<製品仕様>
サイズ:長さ290cm x 幅290cm
収納時サイズ:長さ23cm x 幅14cm
重量:470g(ペグ、ポール、ガイライン除く、スタッフサック込)