小さな車でキャンプに行くための3ヶ条
以下にあげる3つを実践する事で、積載能力の低い車でも、家族でのキャンプが可能です。
1. キャンプ道具を最小限に絞り込む
キャンプ道具を検索すれば、様々な便利ツールを目にする事ができます。
アウトドア用品店でも、豪華なグランピングができるような道具が、沢山展示してあります。
しかし、それらが全て必要なのかと言うと、そんな事はありません。
人数分の寝袋と、その人数が横になれるスペースが確保できるテントさえあれば、最低限のキャンプは可能です。
2. 道具選びは収納サイズも大事!
積載力の乏しい車に積み込むには、収納サイズが1番大事です。
キャンプ道具を通販などで買う人も多いと思いますが、表記されている寸法が、道具の収納時の寸法かどうか、道具の公式サイトを念のために確認したり、実物を確認できるキャンプ用品店に、足を運んだりする事をおすすめします。
登山用のキャンプ用品は、コンパクトで軽量なのでとても良いのですが、高額になるのがネックです。
車への積載のみを考えれば、軽量である必要はないので、用途に合わせて選びましょう。
3. キャンプ場選びが道具削減になる!
木陰が多いキャンプ場や、炊事場に大きな屋根のある施設、食事ができるテーブルや椅子があるキャンプ場もあります。
木陰や屋根があれば、タープは不要です。また、テーブルや椅子が備え付けられているなら、それらも持って行く必要がありません。
マットやインフレータブルベッドも、あれば快適度は増しますが、キャンプサイトの地面が芝生のようなキャンプ場を選べば、テントに直接寝袋でも寝る事は可能です。
夏場のキャンプは、薄い寝袋1枚で可能なので、ちいさな車でキャンプデビューをするにはおすすめの季節です。
秋から冬にかけては、日差しの厳しさも和らぎタープいらずで、ここもおすすめの季節ですね。虫も居なくなりますし。
標高の高いエリアですと、夏場でも朝夕の冷え込みがあるので、比較的低地のキャンプ場を選ぶ事をお勧めします。
荷物を厳選するポイント
タープを持たないという選択肢も
キャンプで必須と思われているタープですが、年間30日ほどキャンプをしていた私は、実はタープを所有していません。
理由は単純。タープがあるメリットより、タープを積むスペース的なデメリットの方が大きいと判断しているからです。
これは私が、キャンプ場では自然をまるごと楽しむと言うスタイルで、わざわざ屋根を持っていかなくてもいいよね、と考えているからです。
雨が降ったらどうするの?と聞かれる事もありますが、前記したように、炊事場などに屋根のあるキャンプ場を選べば問題ありません。
また、雨が降ったら近場の温泉施設や、食事処に避難するという潔い選択もありだと思います。
最近の主流のテントには、前室幕を上げてポールで保持する事で、小さな前室ができる物が多いので、ここで簡単な調理や食事も可能です。
ちなみに私は、スノーピークの「アメニティドームM」を使用しています。
スノーピーク テント アメニティドームM
現在、スノーピークから、タープとカマボコ型テントがセットになった「エントリーパックTT 」が販売されていますが、1人で設営する事を考えると、自立するアメニティドームに軍配が上がるでしょう。
椅子はヘリノックスなどの軽量チェア
キャンプで焚火を囲み、ゆっくりとグラスを傾ける。
キャンプの醍醐味ですよね!
その際に活躍するのは、座り心地の良いチェアです。
私は、Colemanのフットレスト付きのリクライニングチェア(現在は販売されていません)を愛用していましたが、ヘリノックスの「チェアワン」をキャンプ場で試させて貰ったところ、収納時のコンパクトさに反して、座り心地の良さに驚愕しました。
ヘリノックス チェアワン
低いチェアは、足を投げ出してリラックスして座れる上に、テーブルも低い物で良くなる!
と言う事で、我が家のチェアとテーブルは低い物で揃え直したため、積載スペースもぐっと減らす事ができました。
因みに、ヘリノックス「チェアワン」を購入しようと調べていて、「ナチュラム」オリジナルのハイランダー「アルミコンパクトチェア」を見つけ、ヘリノックスの半値以下だった事もあり、試しに買ってみたのですが、これが秀逸で追加購入し、家族で使っています。
4年弱使っている現在でも問題ないので、耐久性も問題なさそうです。
ラゲッジ寸法にピッタリなテーブル
テーブルも、様々なタイプの物があります。
積載寸法のみで言えば、天板がロールアップできるタイプの物が良いでしょう。
私も小物を置くのに使っています。
ですが、小さな子どもが食事をするには、天板が平面の方が、引っ掛けて物をこぼすリスクも軽減できるので、メインのテーブルは天板を2つに折るタイプの物を使っています。
私が使っている、「山善 キャンパーズコレクション サイドフォールディングテーブル」は、収納サイズが61×32×7.5cmと、MINIコンバーチブルの小さなリアラゲッジの寸法にピッタリなので、大活躍しています。
山善 キャンパーズコレクション サイドフォールディングテーブル
スペースを取らない調理器具
潔く外食という手も
我が家では普段の食事は、私が作ります。
余談ですが、息子が幼稚園に通った3年間、1日も欠かさずにお弁当を作り続けたので、卒園の際にもう終わりなんだ、と思った瞬間、涙が溢れました。
これからは給食と言う、人様の作ってくれた食事を毎日食べると言う事に、親の手から離れる事を実感したのです。
そんな訳で、キャンプに行った時くらい、ワイルドに肉や魚など、地の物を手に入れて焼くだけと言うシンプルな料理にする事にしています。
また、カヤックなどの遊びをメインにしている時は、潔く温泉施設や道の駅などの、食事処や市販のお弁当を活用したりもしています。
焚火台
近年、直火を禁止しているキャンプ場が増えてきました。
焚火台は必須アイテムでしょう。
私はキャプテンスタッグの「ヘキサ ステンレス ファイアグリル」を使っていますが、薄く折りたためて、荷物の間に詰め込めるので、おすすめです。
キャプテンスタッグ ヘキサ ステンレス ファイアグリル
底部には炭受皿もあり、また下部からの空気取り込みもできて、薪や炭の火の回りも良しと、機能面も十分満足できるものです。
また、焼き網がついているので、2~3人のBBQなら調理可能です。
ガスコンロ
私は学生時代に、北海道2ヶ月放浪の旅の際にホームセンターで購入した、30年物のイワタニプリムスのコンロ(廃盤)を今でも愛用しています。
簡単な料理だけだとしても、コンロは1つあると便利です。
プリムスのウルトラバーナーなど、小さく折り畳めるコンロもあるので、ひとつ用意しておくと良いでしょう。
ダッチオーブンなどの鉄鍋はどう?
重たい鉄鍋に油を塗り込んで育てながら、キャンプ場でダイナミックな料理を作る!憧れる方も多いと思います。
これはこれで、ひとつの趣味として確立した分野でもあるので、車への積載云々より、こだわって良いツールだと思います。
私は、トータルで考えて、多重構造のステンレス無水鍋の、大型フライパンと小型ソースパンをそれぞれ1つずつ持っていきます。
小型の圧力鍋があれば、それでも良いでしょう。
理由は単純で、屋外では風などの影響でガスコンロの熱が逃げやすいので、少ない熱量で短時間で調理が可能になれば、持っていくガスボンベの量も減らせるからです。
私は学生時代から、一人暮らしをする際に母が持たせてくれた、「AMWAY QUEEN」の多重構造のステンレス無水鍋を使っていますが、他のキャンプ仲間と比べて、ガスボンベの消費量が半分以下でした。
一合のご飯なら、10分程で炊けるうえ、使用後の手入れも楽なので、とても重宝しております。
その後、色々な調理器具を使ってきましたが、多重構造のステンレス無水鍋では、「AMWAY QUEEN」と「ビタクラフト」が群を抜いて使い易く、耐久性もあると思います。
圧力鍋の場合、パッキンなどの分解清掃の手間があるので、その点は注意が必要です。
また、登山用のコッフェル(取手が折り畳めて重ねて収納できるアルミ製鍋)も収納面では良いと思いますが、調理器具としては使いづらく感じるので、私はオートキャンプにはおすすめしません。
こだわる部分と妥協する部分を明確に!
例えばランタン。燃料をシュコシュコ圧縮し、マントルを空焼きする点火の儀式も、楽しいものです。
ただ、単純に積載の事を考えると、躯体の大きさや燃料が必要な事もあり、LEDの方が荷物は半分で済みます。
キャンプは趣味性が高いレジャーなので、こだわりたい部分は妥協せず、他の部分で荷物を減らした方が楽しいでしょう。
こだわる部分と妥協する部分を明確にする事は、限りある人生を、どう自分の色で輝かせるかに通じるところがあり、人生の幅を広げてくれるように思います。
何でも全部持って行けて、全部あるよ、というキャンプスタイルも快適ですが、不自由や不便さの中で、知恵や工夫を楽しむのも、キャンプの醍醐味の一つでしょう。
目の前の小さな車に、何をどう積むか、テーマと哲学を持ってキャンプを楽しもう!と言ったら大げさでしょうか?