突然ですが、皆さんは何を使って火起こしをしますか?
もちろん、「ライター」と答える方が多いと思います。
ファイヤースターターやきりもみ式など、原始的な発火道具を愛用している人もいるかもしれません。
今回、僕がご紹介するのは「ファイヤーピストン」という火起こし道具。
この道具、空気を圧縮して火種を作ることができるアイテムなのです。
ファイヤーピストン(圧気発火器)とは?
原始的な発火道具には、きりもみ式などの「摩擦式」や、ファイヤースターターなどの「火打石式」などがあります。
「ファイヤーピストン」もその内の1つです。
起源は諸説ありますが、ライターなどの現代的技術が発達する前、東南アジアを中心に使われていた発火道具だと言われています。
その後、ヨーロッパに伝来していき、「ファイヤーピストン」は金属製の前近代的な道具へと進化します。
現代では、あまり馴染みのない道具ですが、そのアイディアは「ディーゼルエンジン」に応用されていたりと、意外と僕たちの身近で使われています。
ファイヤーピストンの仕組み
「ファイヤーピストン」は、「圧気発火器」とも呼ばれています。
「圧気」という言葉から分かる通り、この道具は空気を圧縮することで火種を作り出します。
空気は圧縮すると、それを押し返そうとする圧力が強まり、同時に温度も急激に上昇します。
理科の授業で習ったことがあるかもしれません。
「ファイヤーピストン」はこの原理を利用した発火道具であり、筒状の棒を使うことで、空気が逃げない状況を作ります。
「ファイヤーピストン」は、筒状のシリンダーと、そこに押し入れる棒から構成されています。
この構造により、シリンダー内の空気を圧縮することができます。
棒の先には可燃物を入れる窪みがあり、その部分の温度が発火点を超えることで火種ができます。
竹で作った水鉄砲を想像すると分かりやすいと思います。
棒で、竹筒内部の水に圧力をかけ、小さな穴から押し出しますよね。「ファイヤーピストン」はその穴がない器具だと考えればいいでしょう。