ガスを燃料とするキャンプ道具を買おうと思ったときに気になるのがガスカートリッジの規格。CB缶、OD缶とありますがご存じでしょうか?上記写真、左の長細いものがCB缶(Cassette Gas Bombe)、右の背の低いものがOD缶(OutDoor)です。
この二つの違いや互換性、注意点などを、愛知県豊川市に本社のある新富士バーナー(SOTO)の坂之上(さかのうえ)さんに聞いてみました。
※今回はガスカートリッジについての記事になります。実際の火力についてはガス機器本体のスペック、外気温、気圧、風などにより変わってきます。
CB缶(Cassette Gas Bombe)、OD缶(OutDoor)の違いって何?
CB缶 | OD缶 | |
---|---|---|
火力 | 低 | 高 |
寒い場所での使用 | 火力が弱まる | 安定して使用できる |
値段 | 250gの物で100円~300円程度 | 250gぐらいの物で500円程度 |
サイズ展開 | 250gが一般的 | だいたい110g,250g,500g程度の3種類を展開しているメーカーが多い |
買える場所 | アウトドアショップ・ホームセンターなど (アウトドアメーカーではないCB缶は100円均一やコンビニなどで購入できる物もある) |
アウトドアショップなど |
※使用するガスカートリッジの種類、使用する時の外気温、使用する機器などによって表の通りでない場合があります。
中に入っているガスについて
CB缶、OD缶ともに入っているガスは同じノルマルブタン、イソブタン、プロパンのどれかが配合されて入っています。違いはその配合比率です。それぞれのガスの特徴は下記の通りです。
沸点とは液体が気化する温度です。バーナーやストーブは気化したガスに着火して使用しますので沸点が低い方がより寒い所でも使用できるということです。
つまりプロパンが多く入っていれば火力が強く、低い温度でも使えるということです。それならCB缶にもプロパンをたくさん入れればいいのでは?と思いますよね。ところがプロパンは内圧が上がりやすいので頑丈な入れ物が必要になってきてしまいます。
外見の違い
CB缶は蓋の部分、筒の部分、底の部分の3パーツ、OD缶はボディの部分と底の部分の2パーツでできていて、かしめている(接合している)部分の少ないOD缶の方が丈夫にできています。
アウトドアで使うことを想定されている丈夫なOD缶のほうがプロパンを多く配合することができるので、高火力で低い温度でも使用できる商品が多いのです。
寒さに強いCB缶
CB缶にもイソブタンやプロパンが含まれている製品(ソト(SOTO) の場合パワーガスという名称)があり、外気温が10度くらいに下がっても火力が弱くならない物もあります。
前述した内圧の関係でOD缶の方がプロパンの配合比率を多くすることができるので、10度を下回るような寒い環境の場合はOD缶の方が向いています。
ただ、OD缶にも寒さに耐えられる限界があります。0度を下回る環境の場合はガソリンを燃料とする燃焼機器が使われることが多いようです。
SOTOハイパワーガス3本パック ST-7601
プロパン配合のパワーガス
1.パワーアップ 2.寒冷地での使用可 3.最後まで強い強火力 4.安全で快適使用
全国で幅広く販売している新富士バーナーブランド「SOTO」「Do-Ga」「Shinfuji Burner」のカセットガスが「SOTO製品専用容器(カセットガス式)」としてお使いいただけます。
CB缶、OD缶ってどう使い分ければいいの?
上記のようにCB缶、OD缶ともに特徴が違います。夏に平地のキャンプにしか行かないのであればコストパフォーマンスのよいCB缶がおすすめですが、寒い山の上や冬キャンプをする方はOD缶のほうが向いています。行く季節や場所によってガスカートリッジを選ぶのがよさそうです。
また、使いたい機器に合うカートリッジがCB缶、OD缶のどちらなのかなども考慮しないといけませんね。
CB缶とOD缶って互換性はあるの?
変換アダプターや充てんアダプターなどが売っていたりしますが、メーカー指定外のガス缶を使用したり、充てんする行為は非常に危険なのでやめましょう。万が一事故が起こっても自己責任となります。
ガス機器と違うメーカーのガスカートリッジを使ってもいいの?
同じメーカーのガスカートリッジを使ってください。その理由は下記の通りです。
- 保証の対象にならない
JIA(一般財団法人 日本ガス機器検査協会)に認証された燃焼機器はそのメーカー指定ガスカートリッジを使って安全性の検査をします。他のメーカーのガスカートリッジですと本来想定されている使い方と違うので万が一事故が起こった時に別メーカーを使っていると保証の対象にならないことがあります。 - ガス漏れなどの危険性がある
ガスの配合率が違うので本来のスペック通りの火力にならない場合があります。他にもガスの接続部分がうまくいかずに火が付かなかったり、ガス漏れしてしまうなどの危険性があります。
上記のように他社メーカーのガスカートリッジを使うことはリスクがあるので、使う機器はメーカーを統一してしまったほうが持ち物を減らせそうですね。
次のページではガスの使用期限についてやガスカートリッジの残りが知りたい、などちょっと気になったことをまとめてみました。