初めまして、自家焙煎珈琲Old Lanterns Caféの岸本です。
今回からLANTERNさんでキャンプとコーヒーの楽しみ方について書かせていただきます。
みなさんがキャンプで美味しいコーヒーを楽しんでもらえたらと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
キャンプ×コーヒーの出会い
まずは簡単に自己紹介をさせていただきます。
大阪在住でキャンプ歴は約30年です。
ビンテージコールマンと珈琲が大好きで、若い頃はオフロードバイクでモトクロスやエンデューロのレース活動や、林道ツーリングと山を走り回っていました。
キャンプを始めたのも丁度その頃からです。
コーヒーの経歴としては、高校時代に大阪ミナミの繁華街の喫茶店でアルバイトをしていて18歳でカウンターに立たせてもらい、お客様にカリタの3穴ドリッパーでコーヒーを淹れていました。
そしていつか珈琲ショップをやりたいと夢見るようになってましたが、思うように行かないのが人生で家の事情もあり、いつしか夢は夢のまま胸の奥に仕舞い込んでいました。
そんな僕が2013年に店舗を持たなくてもできる!と始めたのが移動式コーヒースタンド、Old Lanterns Caféだったのです。
2016年にはコールマン ・ジャパンの日本法人40周年記念のコーヒー豆の依頼を受けたり、コールマンのイベントでドリップセミナーを開催しました。
↓ドリップセミナーの様子はこちら↓
アウトドア・コーヒー・スタンドのはじまり
コーヒースタンドをスタートして、初めてキャンプ場で営業させてもらったのは滋賀県の「マキノ高原キャンプ場」でした。
営業開始してコーヒーを淹れている時に林間サイトから足早にこちらへ向かって来る人がいました。
そして開口一番
「あー、やっと美味しいコーヒーが飲める!いい香りに誘われて来ました。」
と安堵の表情で言われました。
この時、来て良かった!そう思ったことを今でも鮮明に覚えています。
と同時に、キャンプで飲むコーヒーは美味しいはずでしょ?とも思いました。
ドリップしながらその方から少しお話を聞くと、良い景色や雰囲気の中で飲むコーヒーは美味しい…けど、それは感覚的な話でお味は決して美味しいコーヒーとは程遠いそうです。
意外とキャンプで美味しいコーヒーを飲めていないキャンパーさんは多いのかも…とふと思いました。
そう思うと、美味しいコーヒーを提供するだけではなく、美味しいコーヒーの淹れ方やコーヒー器具もキャンパーさんたちに広めて行こう!そう思いました。
ここまでが、私がアウトドア・コーヒー・スタンドを始めるきっかけになったお話です。
そして、今からお話するのは世界初の円すい形ドリッパー、コーノ式ドリッパーを使用したOld Lanterns Caféの標準的な淹れ方、しっかりした味わいになる淹れ方をご紹介します。(メーカー推奨の淹れ方とは異なります。)
KONO式の珈琲サイフォン株式会社は世界で初めて耐熱ガラス製のサイフォンを発明した会社でもあり、そのお話はまた追い追いと。
キャンプでしっかりした味わいのコーヒーの淹れ方
1.今回は苦味のある深煎り
まずコーヒー豆ですが、今回は苦味のある深煎りでお話します。
キャンプで使う標準的なカップで150cc、マグカップで約200ccで考えた時、一杯分の豆の量は10gで100ccで計算してください。
150ccのコーヒーを淹れるならコーヒーメジャーで1杯半です。
2.ハンドミルで豆を挽く挽き目はとても大事
次にハンドミルで豆を挽くのですが、挽き目はとても大事です。
ミルの種類によって挽き目の調整方法は異なるのですが、ハンドルのすぐ下にある歯車形状の薄いナットか臼歯の下のダイヤル式などがあり、どちらも右に回すと細かくなり、左に回すと粗くなります。
目安はグラニュー糖の粒ほどの大きさになるように調整しましょう。
調整のポイントは出来上がったコーヒーが薄いと感じたら細かく、苦い、渋いと感じたら挽き目を粗く調整します。
3.ペーパーを先に濡らす?濡らさない?
挽いた豆をドリッパーに移すのですが、ここでも意見が分かれます。
みなさんも聞いたことがあると思いますが、ペーパーをあらかじめお湯で濡らすか、濡らさないか?これも考え方の問題なのですが、まず白いペーパーで試してみてください。
濡らさないでドリップすると最初に抽出される濃いエキスがペーパーに染み上がって行きます。
それに対してあらかじめ濡らしたペーパーは既にお湯が染みているので、ペーパーを染み上がって行かずにサーバーにダイレクトに落ちて行きます。
抽出が終わった後のペーパーの色の違いを見れば歴然です。
しかしこの議論、お湯で濡らした方がペーパーの匂いがしないから良いと言う人もいれば、濡らさなくても匂いはしないと言う人もいて、この問題は永遠に決着することは無いでしょう。
そして、ドリッパーに挽いた豆を移したら、左右に揺すって豆の粉の表面を平らにしてください。これ、結構大事なんですよ。
4.いよいよドリップ開始
さて、いよいよドリップ開始です。
円すい型のドリッパーでは、まず中心に細くお湯を落とします。
もしくは点滴でポタポタとゆっくり染みさせて行くのもOKです。
ゆっくり粉全体にお湯を染み渡らせたら、注湯を止めて約30秒蒸らします。
5.蒸らし後、2投目の注湯は「の」の字を500円玉くらいの大きさで描くように
そして2投目の注湯、これもまず、中心に落として「の」の字を500円玉くらいの大きさで描くようにドリップします。
2~3周「の」の字を描いたら中心で止めます。
3投目以降も同じように中心から「の」の字を描いて中心で終わる。お湯が、サーバーに落ちて行くスピードに合わせて注湯する量も加減しながら、「の」の字を描いてドリップしていきます。
この時に一番注意をしなければいけないことは直接ペーパーにお湯をかけないことです。
直接ペーパーにお湯をかけてしまうと、コーヒーの粉の中を通らないでお湯が落ちてしまうため、コーヒーが薄くなってしまいます。
今回はしっかりした味わいのコーヒーの淹れ方なので、絶対にペーパーにお湯をかけないようにしてください。
なお、意図して薄いコーヒー(アメリカン)を淹れるなら、直接ペーパーにお湯をかける方法もありです。
6.目標の抽出量になったら、ドリッパーを上げて抽出を終える
それを繰り返して目標の抽出量になったら、ドリッパーにお湯が残っていてもドリッパーを上げて抽出を終えてください。
これで美味しいコーヒーの出来上がりです。
また、落とし切る前に終えるか、落とし切って終えるかも考え方次第なのですが、落とし切ると雑味やえぐ味まで落ちてしまうと言う方、または「それも味わいのひとつ」と考える方、コーヒーに正解はありません。
それぞれアリだと思います。
それでは是非実践してみてくださいね。
Old Lanterns Café コーヒー講座の第2回目は「ドリッパーの種類と味わいの違い」です。