こんにちは、自家焙煎珈琲Old Lanterns Caféの岸本です。
自分に合ったコーヒードリッパーはありますか?
ペーパードリップ(バネットやテトラ含む)、メタルフィルター、キャンプでのイメージが強いパーコレーター、直火エスプレッソのマキネッタ。
凝ったところでネルドリップ、サイフォン、味の再現性が割とお手軽なフレンチプレス、エアロプレス、新しいところではアメリカンプレスなどコーヒーの淹れ方、抽出方法は多種多様です。
それでは、キャンプで美味しいコーヒーを楽しむには何が大事でしょうか?
手軽さや見た目でしょうか?
答えは、好みの味わいのコーヒーに合ったドリッパー選びです。
「いやいやキャンプスタイルが第一でコーヒーの味は二の次!」とおっしゃる方もいるかと思います。
そこは何の為にキャンプをしているのか?で、意見が別れるところでもあり、ご自分のキャンプスタイルに合わせて選んでいただけたら良いと思います。
うちのキャンプスタイルには絶対ケメックス!とか、そういうこだわりも絶対に大事ですからね。
代表的な4つのドリッパー
今回はファミリーキャンプを想定し、コンパクト性を重視しない前提で代表的なドリッパーを紹介します。
代表的なドリッパーと言えば、コーノ式、ハリオ式、メリタ式、カリタ式の4つ。
この4種のドリッパーを味わいの軽い順に紹介します。
※ここで言う味わいの軽いというのは、濃度ではなく、苦味と酸味の割合と考えて下さい。
酸味は軽いイメージ、苦味は重いとは言いませんがあくまでイメージです。
(1)メリタ式コーヒードリッパー
メリタ式コーヒードリッパーは、形状が台形で穴が1つ。
じっくりと抽出することができ、蒸らしの後は一気に抽出量のお湯を入れるだけでいいので一定の味わいにしやすいです。
ちなみにメリタとは1908年にこのドリッパーを考案したドイツ人女性のメリタ・ベンツさん名前が由来。
(2)カリタ式コーヒードリッパー
ペーパードリップと言えば、まず頭に浮かぶのはこのカリタ式コーヒードリッパーではないでしょうか。
形状が台形で穴が3つ。ドリッパー内に余分にお湯を滞留させず、割と早く落ちていきます。雑味やエグ味が出にくく、スッキリした味わいになります。
メリタ式・カリタ式のドリッパーは、浅煎り、中煎りの豆と相性がいいです。また、中深煎りや深煎りを薄めにしたり、あっさりめに仕上げたい時にも有効です。
(3)ハリオ式コーヒードリッパー
ハリオ式コーヒードリッパーは、形状が円錐で大きめの穴が1つ。
全体に螺旋状のリブ(ドリッパーの内側の突起部分)があり、注ぐ湯量によって味わいの調節が比較的しやすく、浅煎りや中煎りのコーヒー向き。
(4)コーノ式コーヒードリッパー
コーノ式コーヒードリッパーは、円錐型ドリッパーを発明した元祖で(ハリオは特許が切れた後に発売)ハリオより小さめの穴が1つ。
中心からコーヒーを抽出していくのでボディ感のある比較的味わいがしっかりしたコーヒーが抽出することができます。
中深煎り、深煎り、極深煎りなどに向いており、ネルドリップに近い味わいが出せます。
リブの長さが違うタイプが3種類用意され、浅煎りから深煎りまでカバーできるように選べます。
Old Lanterns Caféでもコーノ式円錐フィルター3種をメニューに合わせて使い分けをしています。
あっさりした香味のメリタ式から、しっかりした濃さ(ボディ感)やコクが出るコーノ式まで紹介しましたが、深煎りが好きな方には迷わずコーノ式をおすすめしたいです。
そして第5のドリッパー「ウェーブ型」
今までは、この4種類のコーヒードリッパーがメインストリームでしたが、今から10年前の2010年にカリタから発売されたウェーブ型が加わりました。
ウェーブがあるのはペーパーでドリッパーの内側にはリブも何も無く、底部に3等配の穴があるだけです。
3つ穴台形のカリタ式よりしっかりした味わいになります。
そのウェーブ型のドリッパーの内側にリブを付けたのが、コーヒー界のAppleと称された「ブルーボトルコーヒー」の2代目ドリッパーでした。
カリタのウェーブドリッパーより滞留する時間を省き雑味が出にくい構造になっていますが、濃い目が好きな人には物足りないかも知れません。
こだわりのコーヒー器具からペーパーレスも登場
今のように手軽なペーパードリップが普及する前の昭和の高度経済成長期の喫茶店には、ネルドリップ(布製の濾過器)やサイフォンを使うお店が大半を占めていました。
今では、そういう器具や挿れ方にこだわったお店でしかお目にかかることは少なくなりましたが、ネルやサイフォンは今でも販売されており、どちらも多少技術を要します。
キャンプでは対価を払って飲むお客様に出す訳ではないので、技術云々は置いといて、最高の雰囲気を味わえる抽出器具だと思います。
昇る朝陽を見ながらポコポコとサイフォンで淹れたコーヒーを飲む。
またはネルドリップでポタポタとじっくり淹れる濃いめのコーヒーを淹れて焚き火を見ながらコーヒーを飲む。
想像するだけで癒されます。
ただ、どちらも注意すべき点があります。
サイフォンはガラス製ですので運搬や洗い場での取り扱いには細心の注意が必要です。
またネルは布に付着しているコーヒー成分が酸化しないように水洗いした後は小さなタッパーなどに水を張り常に浸けておく必要があります。
その他に近年注目されてきたペーパーレスドリッパーやメタルフィルター、フレンチプレスがあります。
メタルフィルターはペーパーレスだからエコロジーというイメージが強いですが、メリットはそれだけじゃないのです。
コーヒー成分に含まれる旨味成分のひとつに油脂分があるのですが、ペーパードリップだと、この油脂分はペーパーに吸着されて抽出されませんが、メタルフィルターはこの油脂分をも抽出してくれます。
ネルドリップも同じです。どう違うのかと言うと油脂分のおかけで口当たりがまろやかになり、トロみすら感じます。
このようにコーヒーには様々なドリッパー、抽出方法があり実に面白いですよ。
いろいろ試しながら苦味、深み、コクと甘味をキャンプフィールドで堪能してみてください。