全国の緊急事態宣言が解け、キャンプ場の再開も始まっています。
日常に「ニューノーマル」とも言われる新しい生活様式が適用されていくと同様、アウトドア、キャンプにも新たな様式が展開されています。
それらは過去のキャンプの課題であった「モラル」「マナー」に大きく関わってきます。
アフターコロナの今だからこそ、それらを改めて問い直すいい機会と捉えここに前編・後編の2回に分けて考察をしてみたいと思います。
今回はその前編です。
アフターコロナで、モラルやマナーに「エチケット」が加わった
本当に大変な時間を過ごしました。もちろん全てが元通りになったわけでもなく、そしてまだまだ解決できていないことが多い日々が続きます。
しかしやっと「STAY HOME」が解け、段階を踏みつつではありますがようやくアウトドアに飛び出していくことが出来るようになりました。待ちに待ちましたね!
しかし世の中同様、全てが今まで通りとはいきません。
キャンプをするうえでとても大切な「モラル」と「マナー」。
アフターコロナのキャンプはそこに新しい観点が加わりました。
一つめはモラルにおいてです。新型コロナへのさまざまな対策が盛り込まれているキャンプ場の「ガイドライン」や「お願い」が発信されています。今までの守るべきルールに加え、新たにそれを遵守することが重要な課題です。
もう一つがキャンプ場での過ごし方の指針となる「ソーシャルディスタンスのあり方」。これをしっかり行うことが今後の大きなマナーの課題です。
そして「モラル」「マナー」に加えて新たに意識すべきこと、それが衛生の管理=「エチケット」。
新型コロナウイルスで知った、目に見えないものへの様々な対策の意識。キャンプ場ではパブリックであるトイレ、サニタリーなどでこれを強く意識しなければなりません。
この課題はキャンプ場に全てを任せるのではなく、キャンパー個人個人が積極的な対策を取ることでより安全なキャンプをすることが可能になっていきます。
アウトドアのソーシャルディスタンスは離れるだけが本来ではない
上記でいうモラルに関しては、コロナ対策を含めて利用者全員がキャンプにおいて守るべき絶対的なものです。
しかしマナーはそうではなく、あくまでも利用者同士、あるいはキャンプ場と利用者の相対的な理解によって作られるなかなか難しいものです。お互いがお互いを意識して共調しなければマナーが成立しません。
例えば、マスクの着用。なにがなんでもマスク着用、これはありません。むしろこれからの季節、マスク着用を守り抜いて熱中症のハイリスクを背負ってしまったらとんでもないことです。
そもそも換気がいい野外においてはマスクを外すチャンスに恵まれています。自分のサイトではマスクを外し、おいしい空気をいっぱいに吸い、おいしい食事を充分に楽しむ、むしろそのためにキャンプに来ているはずですから。
いっぽう、炊事棟、管理棟は話が別。ここではマスクを着用することで互いの安心が生まれます。なので、どのタイミングでマスクを外し、どのタイミングが必要なのか、自分と周りとの意識を合わせる、そこが「マナー」ということになります。
ソーシャルディスタンスも、金科玉条「2m」という数字に踊らされるのではなく、自分にとって快適であり、他者にとっても快適である距離感はなにか、つまり目的は離れることではなく、それぞれが快適である空間を調和させることがアウトドアにおける「ソーシャルディスタンス」なのではないでしょうか。
キャンプにおいてはこの「モラル」と「マナー」が混同されやすく、簡単に言えば、社会の規範も含めた絶対的なルールを守ることが「モラル」(例:禁止行為を侵すこと、場内及び自然を荒らすこと、さらに言えば犯罪行為)で、先にも書いた通り「マナー」はキャンプ場の構成員同士が相対的に気を配ること(例:サイト周囲への迷惑行為、共用施設での迷惑行為、管理人やスタッフに無理を強いることなど)を意味します。
コロナをきっかけに、そもそものモラルやマナーはなんであったのか、なかなか意識ができていなかったエチケットを含め、キャンプの過ごし方を見直すいい機会にしたいものです。