今回レシピを紹介する「シュークルート」は、塩漬け豚肉、ベーコン、ソーセージといった熟成された豚肉を、乳酸発酵させたキャベツの漬物と白ワインで煮込むフランス アルザス地方の郷土料理です。
アルザスはフランスの北東、ドイツと隣接する場所にあり、過去にはドイツの領土となっていたこともあります。そのため、シュークルートもドイツ料理の影響を色濃く受けています。
塩漬け豚肉の用意に手間はかかりますが、その後は煮込むだけでアウトドアでも簡単に作ることができ、肉、野菜、炭水化物を一皿でとれる手間のかからない料理。シュークルートと前菜を用意するだけで、とても豪華な食事になります。
合わせるお酒はやっぱり白ワイン!
ベーコンと豚バラ肉を使うので、脂っこい印象を受けるかもしれませんが、キャベツの漬物と白ワインの酸味でさっぱりと食べられるため、万人受けする料理です。また、肉の旨味がたっぷりとしみ込んだキャベツの漬物が隠れた主役。このレシピでも多めの分量にしていますので、たっぷりと味わって欲しいと思います。
お酒と合わせるなら、やっぱりアルザス名産の白ワインで! そのほか、リンゴでつくった炭酸のお酒シードルやレモンサワーなど、さらりとした味わいのお酒が合うと思います。もちろん、ソーセージやベーコンと相性抜群のビールもおすすめです。
シュークルートの材料(4~5人分)
5日~1週間前に用意するもの
塩漬け豚肉
- 豚バラ肉:400g(もしくは豚肩ロース肉)
- 塩:10g(粗塩なら小さじ2、細塩なら小さじ1と2/3)
- 砂糖:4g(小さじ1)
肉の重さに対し、塩は2.5%、砂糖は1%を使用します。
当日に用意するもの
- 塩漬け豚肉:400g(上の材料で作ったもの)
- ブロックベーコン:150~200g
- ソーセージ:8~10本(120~150g)
- ザワークラウト:600g
- 玉ねぎ:中1個(250g)
- 白ワイン:250cc
- 水:150cc
- サラダ油:大さじ2
- 粒黒コショウ:10粒(なければ、あらびき胡椒4つまみ)
1つまみは“3本の指でつまむ”量です。
つけあわせ
作り方
5日~1週間前
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豚バラ肉を保存するための袋に、入りやすいサイズに切り分けます。(長さ12~15cmくらい)
豚肩ロース肉を使う場合、大きい塊のままだと塩が中心までしみこみにくいため、5cmほどの厚さに切り分けてください。
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肉の重さに対して、2.5%の塩、1%の砂糖を、肉にまんべんなくふりかけ、塩や砂糖が残らないようしっかりと肉に揉みこみます。
塩は保存のためにも必要となりますので、精密な計りがない場合には少し多めにふっておきましょう。
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よく味をしみこませ、空気に触れて悪くなるのを避けるため、肉を薄手のビニール袋に入れます。水を張った鍋にいれて空気を抜きながら、ビニール袋の口をねじって結びます。
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冷蔵庫で5日以上保存します。
中心まで味をしみ込ませ、旨味を凝縮させるために5日ほど塩漬けする必要がありますが、1週間以上は保存しないようにしましょう。使いきれない場合には冷凍で保存を。
余った塩漬け豚肉はベーコンのように使えます。炒めものや煮込み料理のほか、クリームやトマトのパスタに加えるのもおすすめです。
当日
- つけあわせのじゃがいもは洗った後、串(もしくは細い箸)がすっと通るくらいに茹でておきます。
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玉ねぎは繊維に沿って1~2mmに薄くスライスします。
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鍋にサラダ油をひき、下の写真のように玉ねぎがしんなりとするまで、中火で5~10分くらい炒めます。
ザワークラウトをほぐすと結構なボリュームになるため、大きめの鍋を用意するとよいでしょう。
また、酸味のある食材を長時間煮るため、酸に弱いアルミの鍋は避けること。ダッチオーブンなど鋳鉄の鍋も表面の酸化と油の皮膜がしっかりできていないと、錆びることがあります。一般的なステンレスの鍋をつかえば間違いないでしょう。 -
ザワークラウトの酸味を少し抜くため、水をかけながらほぐします。最後にしっかりと水気を絞ります。
今回使用したザワークラウトの瓶詰めが海外製品のためか、ふたが堅く開けるのにとても苦労しました…。力のある人がいない場合は、家で一度ふたを開けてから持っていくほうが良いかもしれません。
- ザワークラウトを「4.」にいれ、熱くなるまで2~3分炒めます。
- ザワークラウトをはしによけ、塩漬け肉とベーコンを塊のままうずめます。白ワイン、水、黒コショウを粒のまま加え、ふたをしてごく弱火で1時間煮込みます。
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時間がたったら、鍋にソーセージを加えてふたを閉め、弱火で5分おいてソーセージが温まったらできあがりです。
この時、鍋に水分はほとんどないと思いますが、ソーセージをうずめないでも蒸気で暖まります。生タイプのソーセージや太いソーセージを使う場合には、ソーセージを入れてから15分ほどおいて様子を見てください。
肉を人数分に切り分け、つけあわせのじゃがいもを添えて出来上がりです。
肉はなるべく大きな塊のままお皿に盛り、各自で切りながら食べると満足感がありおすすめです。
フランスの郷土料理「シュークルート」キャンプでお試しを
熟成された肉の旨味たっぷりで、満足感いっぱいのシュークルート。
大きな肉を切り分けながら食べると気分が盛り上がり、アウトドアにぴったりな料理ですので、ぜひ作ってみてください。