ピラフの親戚が中央アジアで進化!ウズベキスタンの「プロフ」はゴロっとお肉&ニンジンの炊き込みごはん【キャンプでつくる世界のレシピ vol.2】

公開日:2021 / 03 / 05
最終更新日:2021 / 05 / 14

日本でも洋食としておなじみのピラフ。ミックスベジタブルやハムなどがあれば手軽にできるので、家庭で作る方も多いかもしれません。

ピラフはとても古い時代から食べられているため、世界のどこで生まれたかは諸説あり定かではありませんが、ペルシャ文化とともにトルコのピラウ、インドのプラオ、イランのポロウと少しづつ名前を変えながら広まりました。さらには、ペルシャ文化圏に隣接する地域にも伝えられ、ロシアのプロフ、ウイグルのポロなど、ユーラシア大陸の広い地域で食べられています。

実は、これらの料理は日本のピラフとは作り方が違います。日本のピラフは炊きあがったご飯を炒めて作りますが、ユーラシア大陸で食べられているピラフの多くは、肉などの具材と生米をあわせて炊きあげる料理となっています。

ニンジンやレーズンの入った甘い炊き込みごはん「プロフ」

今回紹介するレシピは、ウズベキスタンでプロフと呼ばれている料理。乾燥した気候のウズベキスタンではお米が高価な食材のため、プロフは結婚式などのお祝いの日に振舞われ、みんなが食べるのを楽しみしている特別な料理です。

プロフにはいろいろな種類がありますが、ポピュラーなものとしては羊肉とニンジンを具材とし、スパイスとしてクミンが加わります。さらに味のアクセントと、リッチさをだすためレーズンを加えることもあります。

今回は日本人に受け入れやすい牛肉を使ったレシピを紹介しますが、羊肉が好きな方はぜひラムチョップなどに代えて挑戦してみてください!

作り方は具材を炒めた後に、お米を入れて炊くだけと意外に手がかからず、サラダを添えれば栄養バランスのいい食事となりますので、アウトドアの昼食におすすめしたい料理です。

材料(4~5人分)

プロフの材料

  • 牛肩ロース肉:250〜300g
  • 玉ねぎ:中3/4個(約250g)
  • 人参:中1本(約200g)
  • ひよこ豆:茹でたもの100g(なくても可)
  • レーズン:50g(なくても可)
  • 米:2合(容量360cc、重さ300g)
  • 水:360cc(吸水前の米と同じ容量)
  • クミン:粒 小さじ1強(約4g)
  • サラダ油:大さじ3(約36g)
  • 荒塩:大さじ1、細塩なら大さじ1弱(約15g)

牛肉の代わりに、お好みで羊肉をつかってもよいでしょう。ラムチョップなどは購入もしやすくおすすめです。骨の付いた肉を使う場合は量を2~3割増やしてください。

レーズンとひよこ豆はお好みで。食事に甘い食材を入れるのは好き嫌いもありますので、レーズンは炊きあがった後に個別にプラスしても大丈夫です。

本場では、出来上がりに“鍋底にたまるほどの油”を加えますが、このレシピでは油を少なめにアレンジしています。それでも多いと感じる人もいるかと思いますので、油が苦手な方はレシピの半分くらいに、肉の脂身の量が多い場合にも、油の量を減らしてみてください。

また、塩は食材の量によっても変わるので目安として考えてください。

トマトときゅうりのサラダの材料

  • トマト:中2個
  • 胡瓜:2本
  • 玉ねぎ:中1/4(約80g)
  • レモン:1/2個
  • 一味唐辛子:3つまみ(約 0.8g。お好みで)
  • 荒塩:2つまみ(野菜の量によってかわるので目安として)

※1つまみは“3本の指でつまむ”量です。

ドレッシングをつかわず、塩とレモンでシンプルに味付けをすると、少し油の多いプロフをさっぱりと食べられおすすめです。

つけあわせ

  • 無糖ヨーグルト:300g(お好みですが、目安として1人前 約75g)
  • 一味唐辛子:適量

作り方

プロフの作り方

今回、内径26cmのフライパンで作ってちょうどよいサイズでした。

もし、大きめのフライパンがなければ、鍋で作るのが良いと思います。

  1. 米をといでおく。
    肉は2.5cm角に切る。
    玉ねぎは縦に8等分してから、繊維を断ち切る方向に3~4mmにスライス。
    ニンジンは長さ4~5cm、幅1mm、厚さ2~3mmの拍子切りにする。
  2. 冷たいフライパンにサラダ油とクミンを入れ中火にする。小さな泡がでるまで1分ほど火にかける。

    クミンから泡がでてきたところ

  3. 玉ねぎを加え強火にして、玉ねぎが少し透明になるまで3分ほど炒める。

    玉ねぎが少し透明になってきたところ

    玉ねぎが少し透明になってきたところ
  4. 玉ねぎを周りに寄せ、中央に肉を加える。火を強めの中火にして、肉を1面づつしっかり色づくまで焼く。

    肉の全面が色づいたところ

  5. 塩、ひよこ豆、ニンジンを加え、強火にする。ニンジンが柔らかくなり、底の汁がほぼなくなるまで炒める。

    ニンジンが柔らかくなり、汁がぼぼなくなったところ

  6. 具材を平らにならし、レーズン、米の順番で加える。このとき全体を混ぜ合わせずに、米が上に重なるようにする。水を加える。

    食事に甘い食材を入れるのが苦手な人がいる場合には、レーズンは炊きあがった後で入れましょう。

    米と水を加えたところ

  7. ふたをして、中火で20分炊く。(焦げた匂いがしたら途中で火を止め、時間までおいておく)

  8. 底をみて水分がなくなっていれば、全体を混ぜ合わせ火を止める。
    ふたをして5分蒸らしてできあがり。

    炊き終わり、底の水分がなくなっているところ

トマトときゅうりのサラダの作り方

  1. きゅうりを縦に4等分し、1.5cm角に切り分ける。
    玉ねぎは1/4個を縦に2個に切り分け(玉ねぎ1個とすると8等分)、繊維を断ち切る方向で1~2mmにスライスする。
  2. 「1.」のきゅうりと玉ねぎに、塩を混ぜなじませておく。
  3. トマトを1.5cm角に切り「2.」とあわせ、レモンを絞って全体を混ぜればできあがり。


プロフには、お好みで無糖ヨーグルトや一味唐辛子を添えます。ご飯にヨーグルトをかけるのは上級者むけで、慣れないとおいしく感じないかもしれません…

ヨーグルトやレーズンといった好みの分かれそうな食材は、様子を見ながら試してみてください。

西アジア、中央アジア、インドなど広い地域で食べられている、炊き込み式のピラフ。やはり、広い地域で受け入れられている料理には普遍的なおいしさがあると思います。

お米を使っていることもあり、日本人の味覚に合う料理だと思いますので、ぜひ挑戦してみてください。

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小笹 翼

LANTERN 編集部の料理担当。

読む本の9割が料理本のレシピ本マニア。食べたことない料理や食材は Do It Yourself の精神で生きてます。

今まで読みためた知識を活かして、分かりやすく再現しやすいレシピを書きたいです!

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