今回紹介するのはグリーンピースと熟成させた塩漬け豚肉を使ったリゾットです。
イタリアのリゾットは少し芯を残したアルデンテで作られることが多く、鍋につきっきりで少しづつ水を足したり、食卓に出すタイミングが難しい料理ですが、リージ・エ・ビージは柔らか目に炊いたほうがおいしいリゾット。
お米と水を一度に鍋に入れて煮るだけで作れるため、手がかからずアウトドアにもおすすめです。
肉の熟成香とグリーンピースの香りがマッチしたリージ・エ・ビージ
イタリアのヴェネト州で食べられる春のリゾット、リージ・エ・ビージ。
ヴェネト州はアドリア海に面したヴェネチアが州都となっており新鮮な魚介類が有名です。
また、川に挟まれた広い平地は高級米の産地となっており、お米料理に馴染みの強い地域でもあります。毎年お米の収穫時期には50万もの人が集まる収穫祭も開かれ、お米の生産者からさまざまなリゾットが振舞われます。
豚肉の熟成香は青い野菜の香りと相性がよく、グリーンピースとあわせることで香りをより強く感じられます。
中国でも塩漬けして干した豚肉「咸肉(シェンロウ)」を使った同様の料理があり、グリーンピースともち米を炊く豌豆咸肉糯米饭(ワンドウシェンロウノウミーファン)や、チンゲン菜と米を炊く咸肉菜饭(シェンロウサイファン)が食べられており、熟成肉と青い野菜の組みあわせは定番となっています。
ベーコンや塩をした豚肉でもよいのですが、細切れや切り落としのパンチェッタであれば安く買うことができますので、ぜひ香りの相性の良さを楽しんでみてください。
材料 2~3人分
- グリーンピース:むき身 50gくらい(鞘つきなら120gくらい)
- パンチェッタ:50gくらい
- 玉ねぎ:小1/2個(約90g。大きいものなら1/4)
- 米:1合(容量180cc、重さ150g)
- パルメザンチーズ:40g
- オリーブオイル:小さじ4
- 荒塩:小さじ1/2(約2.5g。細塩なら小さじ1/2弱)
- 水 720cc(お米の4倍量。炊きあがりの様子を見て調整)
もし、鞘つきのグリーンピースが手に入るなら、鞘を茹でたお湯でリゾットを作るとグリーンピースの香りを補強できるためおすすめです。
パンチェッタが余ったときにはベーコンと同じように使ってみましょう。
グリーンピースもしくはアスパラガスと組み合わせて使うのがとくにおすすめで、パンチェッタを炒めて油を引き出してから野菜を加えて蒸し焼きにしたり、軽めのクリームベースのスパゲッティと一緒に加えて使ってみてください。
作り方
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パンチェッタは長さ2~3cm、4~5mm角に切る。
玉ねぎは3~4mmの細かめのみじん切りにする。
パルメザンチーズはすりおろす。
グリーンピースが鞘つきの場合は豆を鞘から取り外し、鞘は別にとりおく。 -
水720ccを沸かす。グリーンピースの鞘がある場合は、沸騰したお湯に鞘を入れ5分ほど煮出してから鞘を取りのぞく。
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鍋を温めオリーブオイルの半量(小さじ2)をひきパンチェッタを入れる。強めの弱火で2分ほど炒めて油を引き出す。
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玉ねぎを入れ強めの弱火で2分ほど炒める。
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米を入れ中火で2分炒める。(米は洗わずに使う)
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塩を全量入れ、沸かしたお湯を加え沸騰するまで強火に。沸騰したら弱火に落とし、蓋はせずに小さな泡がぽつぽつと上がるくらいの状態を保つ。
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お湯を入れ10分たったらグリーンピースを入れる。途中お米が水面から顔を出したらお玉1杯くらいづつ水を足しながら、お米の芯がなくなるまで炊いていく。
お米が水面から顔を出した水を足すタイミング -
始めにお湯を入れてから芯がなくなるまでの目安は約20分。芯がなくなたらパルメザンチーズを入れて全体を混ぜる。
炊きあがりの水分量 -
器によそい、残りのオリーブオイル(小さじ2)を回しかけてできあがり。
リージ・エ・ビージはグリーンピースの甘さと、パルメザンチーズのクリーミーな味が優しい、芳醇な香りを味わうリゾットです。
主食としてはもちろん、お酒を飲んだ後の“しめ”としてもすんなりお腹に収まります。パンチェッタとパルメザンチーズが入っているため軽めのワインとも相性がよく、酸味がそれほど強くない白ワインに、少な目によそったリゾットをあわせるのも素敵ですね。
グリンピースが旬の春に作ると一層おいしくできますので、ぜひ試してみてください。