これからの暑い季節になると、少しさっぱりしたものを食べたくなりますね。中国の料理というと油を使った炒めものを想像するかもしれませんが、家庭で作られる料理は簡単であっさりとしたものも多くあります。
今回は中国の野菜を使った料理を3品紹介します。どれも食欲をかきたてる味つけですので、夏の前菜としてメニューに加えてみてはいかがでしょうか。
香菜ととうがらしのサラダ 老虎菜
老虎菜(ラオフーツァイ)はかなり強面の漢字がならんだ料理名ですが、香菜(パクチー)、唐辛子、ネギなどを合わせたサラダで、香りも辛味もかなり強い料理です。
羊肉をよく食べる中国の東北地方の料理で羊肉との相性がよく、メインに羊肉のクミン炒めなどを作れば、癖のある料理が好きな人にはたまらない組み合わせとなります。
材料(3~4人分)
- 香菜(パクチー):3株(約50g)
- 万能ネギ:1/2束(約50g)
- キュウリ:1本(約100g)
- 鷹の爪:6本
辛めの分量にしていますので、お好みで加減してください - 鶏ガラスープの素:顆粒のもの小さじ1/2(約1.5g)
- 粗塩:ひとつまみ(約1g)
- 酢:小さじ1/2
- ごま油:小さじ1
- サラダ油:小さじ1
油はごま油、サラダ油どちらかのみでもかまいません。
ひとつまみは3本の指でつまむ量です
本来は尖椒(ジャンジャオ)という青唐辛子を使うのですが、今回は手に入りやすい乾燥した鷹の爪を使います。
本格的な味を目指すときには、青唐辛子と万願寺とうがらしの細切りをあわせたものを50gくらい使うと良いでしょう。
また、鶏ガラスープの素がないときには、「うまみ調味料 少々」と「塩 少々」をあわせたものに代えるか、うまみ調味料は入れずに塩のみを足す形でもかまいません。
少々は2本の指でつまむ量です
作り方
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香菜と万能ネギは根を落とし、4-5cmの長さに切る。
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胡瓜は薄く皮をむき(少し残っていてもかまわない)、長さ3-4cm、太さ3-4mmに細く切る。
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鷹の爪は種を抜き、縦方向に2-3mmの細切りにする。
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食べる直前に切った食材と調味料全てをボウルに入れ、よく混ぜ合わせれば出来あがり。
酸味が効いたシャキシャキ食感のジャガイモ炒め 土豆丝
土豆丝(トゥドウスー)の土豆はジャガイモ、丝は糸という意味で、細切りジャガイモの料理ということになります。中国定番の家庭料理で主食としてたべられるほか、お酢を強めに効かせると前菜にもピッタリな料理となります。
ジャガイモのシャキシャキした食感と酸味は、炒めものよりもサラダのといった雰囲気もあり、始めて食べるととても驚くのではないでしょうか。
材料(3~4人分)
- ジャガイモ:2-3個(約400g。できればメークイーン)
- ピーマン:1個(約50g)
- 酢:大さじ1
- サラダ油:大さじ1
- 粗塩:2つまみ(約2g)
- 砂糖:小さじ1(約3g)
- ニンニク:1/2かけ(お好みで)
- 鷹の爪:1本(お好みで)
作り方
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ジャガイモは皮をむき、3mmくらいの細切りにする。水に10~15分ほどさらしておく。
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ピーマンは種を抜き、縦に4mmくらいの細切りにする。
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鷹の爪は種を抜き、2-3mmの輪切りにする。
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ニンニクは包丁の腹で潰しておく。
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フライパンを温め、サラダ油、鷹の爪、ニンニクを入れて弱火で1分ほど香りが出るまで火にかける。
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ジャガイモと酢を加え、ジャガイモが透き通るまで中火で3分ほど炒める。
あまり炒めすぎずジャガイモのシャキシャキとした食感が残るようにする。
ジャガイモが透き通ったようす -
塩と砂糖を加え、全体をかき混ぜたら出来あがり。
火が入りすぎないよう早めにお皿に移す。
じゃがいもを切ったあとにさらしておくと表面のデンプンが抜けベタつかず、よりシャキシャキとした食感を楽しめます。
蒸し茄子のゴマペーストで和え 拌茄泥
拌茄泥(バンチェンニー)の拌は混ぜ合わせる、茄は茄子、泥はペースト状という意味で、細かく刻んだ蒸し茄子をゴマペーストと和えた北京の夏の料理です。
出来あがりは泥のようにも見えて少し悪いのですが、茄子の甘み、ゴマの濃厚さ、ニンニクの香りが一体となった、とてもおいしい前菜です。
トルコやギリシアでもペーストにした茄子に水切りしたヨーグルトとオリーブオイルを加えたパトゥルジャン・エズメという料理がありますが、これの中国バージョンといったところでしょうか。どちらもお酒を飲む人にとってはたまらない一品となります。
材料(3~4人分)
- 茄子:3-4本(約400g)
- 白練りゴマ:大さじ3(約40g。芝麻醤でもよい)
- ニンニク:1かけ
- 粗塩:1つまみ
練りゴマは商品によって硬さが変わってきますので、“柔らかめのハチミツ”くらいの硬さになるよう、ごま油を加えて混ぜ合わせてください。硬さを調節したものを上記の分量使います。
作り方
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ニンニクはすりおろし、練りゴマ、塩と合わせておく。
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ナスは皮をむいて1-2cm角の棒状に切り、色が変わらないよう水につける。
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鍋に5mmほどの少量の水と茄子を入れ中火にかける。水が沸騰してから10分ほど柔かくなるまで火にかけ蒸し煮にする。
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蒸し上がった茄子を1cmくらいの大きさに刻み、タレをかけて出来あがり。
食べるときによく混ぜてから食べてください。
本来は蒸し器を使ったほうが味がよく仕上がりますが、アウトドアで作るのであれば少量の水で蒸し煮にするとよいでしょう。
蒸した後に刻む茄子の大きさはお好みで。ペースト状になるまで細かく刻む場合もありますが、今回は練りゴマと茄子の味のコントラストが味わえるよう1cmくらいの角切りにしています。
日本でおなじみの中華料理とは違い、中国の家庭料理には油を多く使わずに簡単に作れるものも多くあります。
今回は食材の組み合わせや調理方法に意外性があり、食べてみると新しい美味しさがを発見できる料理を選んでみました。隣の国にもかかわらず意外に知らない調理方法があるのはおもしろいですね。
いずれも手に入りやすい材料で作れますので挑戦してみてください。