北欧の夏は22時を過ぎでも外が明るく、人々は大好きな太陽の下で過ごすことが多くなります。シンプルで可愛い雑貨や家具に囲まれて、自宅やレストラン、カフェのテラス席で「北欧ごはん」を楽しみます。
また、ピクニックやキャンプでも、太陽の光を浴びながら、ランチやおやつを楽しむ人が多く見られます。
森で獲れるキノコやベリー、ジャガイモや豊富な乳製品、ソーセージをはじめとする肉製品などで作られる北欧ごはん。
今回はキャンプで簡単に作れる、北欧ごはんのひとつ、日本とは少し違うパンケーキのレシピを紹介します。
スウェーデンのパンケーキ「Pannkaka(パンカーキャ)」
世界中で食べられているパンケーキは、北欧でも親しまれています。
スウェーデンをはじめとする北欧のパンケーキは少し独特で、ベーキングパウダーを使わず薄く焼き上げます。そんな北欧パンケーキはもちもちとした食感が特徴的。生地も甘くないので、焼き上がったら好みのトッピングをたっぷり添えて頂きます。
材料(8枚分程度)
- 卵2個
- 小麦粉250cc(約140g)
- 牛乳600cc
- 砂糖小さじ2
作り方
- 卵、牛乳、粉類の順にボウルに入れ、混ぜ合わせる。
- スキレット(もしくはフライパン)にバターを溶かし、生地を流し入れる。この時、スキレットを回しながら生地を薄く均一に広げる。
- 表面がプツプツしてきたらひっくり返す。
- 焼き上がったら皿の上に移し、冷めないようにアルミホイルなどをかぶせておく。
生地が水っぽいので、小麦粉が沈澱しないように混ぜながら焼いていきます。材料はあらかじめタッパーやジップロックなどに小分けにして持っていくと、キャンプ場で手間が掛からず調理ができます。
パンケーキ自体の甘みが少ないので、トッピングはジャムや砂糖、ベーコンやチーズなど幅広くチョイスしましょう。炭火でもガスコンロでも手軽に作れるので、お好みの方法で焼き上げて下さい。
出来上がったパンケーキに好みのトッピングをたっぷり添えてくるくる巻いたり、四角く折り畳んで食べるスウェーデンのパンケーキの食べ方。おやつはもちろん、朝食にもランチにもなれそうです。
デンマークなどでも親しまれているパンカーキャ
文化が近い北欧の国々。パンカーキャはスウェーデンだけでなく、デンマークなどでも親しまれています。焚き火でも作れるので、焚き火Fika*(フィーカ)やHygge**(ヒュッゲ)でのお供の大定番。
わいわい準備しながら焚き火の音を楽しんで、好みのトッピングを添えたパンカーキャを食べる時間は至福のひとときです。
(*)Fika(フィーカ):スウェーデン語でコーヒー休憩をさす言葉。スウェーデン人は1日に何回も、甘いものと一緒にFikaを楽しみます。
(**)Hygge(ヒュッゲ):デンマーク語で親しい人やお気に入りの物、空間に囲まれてリラックスすることを表す言葉。定義は少し曖昧です。
クリスマスマーケットなどのイベントでも、パンカーキャの屋台が出てきます。寒い中、焚き火にあたりながら自分で生地を流し入れて焼き上げ、トッピングを添えて食べるパンカーキャは幸せの味がします。
フィンランドのパンケーキ「Pannukakku(パンヌカック)」
パンケーキは通常フライパンで焼きますが、フィンランドにはオーブンで焼き上げるパンケーキ、その名もパンヌカックがあります。
ベーキングパウダーを使わないところはパンカーキャと同じですが、パンカヌックは小麦粉に対して牛乳や卵の量が多くむっちりとしたパンプディングのような食感に。
材料(4人分)
- 卵2個
- 小麦粉100g(強力粉50g, 薄力粉50g)※薄力粉だけでもOK
- 牛乳500cc
- 砂糖大さじ2
- 溶かしバター50g
作り方
- ダッチオーブンをプレヒーティングしておく
- 卵、牛乳1/2、粉類の順にボウルに入れ、混ぜ合わせる。
- 残りの牛乳1/2と溶かしバターを入れてよく混ぜ、生地を30分ほど寝かせる。
- ダッチオーブンに生地を流し入れ、下は弱火〜中火、上は中火〜強火になるように炭を置く。
- 30分程度、ダッチオーブンで加熱。
完成したら切り分け、ジャムや粉砂糖を添えていただきます。生地が緩いので、きれいに切れないこともありますが、味は変わらないので気にしないで大丈夫ですよ。
ちなみに本場のレシピでは、バターが多くて重く感じてしまうかもしれません。バターをレシピの半量程度に減らしても、パンプディングのような食感を味わえるので、胃の調子や好みに合わせてバターの量を調整してください。
今回は10インチのダッチオーブンに、厚さ2cm程度のパンケーキが出来上がるように作りました。
ほかのサイズのダッチオーブンを使う場合には、生地の厚さが変わるので、焼き加減や焼き上がり時間などを工夫してみましょう。
太陽の下で、北欧ごはんにチャレンジ
都市と自然の距離が近い北欧の国々では、驚くほど日常的にキャンプを楽しめます。そんな北欧の国々と日本と北欧はシンプルな味付けの食事や、自然に親しむ文化など意外と共通点が多いです。
日本でも北欧でも、ヒュッゲなキャンプは自分次第で楽しめるもの。太陽の下で、北欧ごはんを食べながらゆったりと過ごしてみてはいかがでしょうか。