北欧アイスランドでレンタカーキャンプ。温泉が楽しめる火山の島で「キャンプ×旅」を体験してみた【前編】

公開日:2021 / 08 / 24
最終更新日:2021 / 09 / 03

アイスランドは炎と氷の国と呼ばれるほど、活発な火山や氷河が広がる北欧の島国です。溶岩に覆われたこの国は島自体がまだ若いために土が少なく、苔生(こけむ)した大地が広がっています。

アイスランドという名前や北欧の国ということから、極寒の大地とイメージされることが多い国ですが、実は日本のように四季があり、メキシコ湾から北上する暖流のお陰でカナダやロシア北部に比べて温暖な気候となっています。

雄大な氷河や、氷河から流れる水でできた迫力のある滝、火山活動の恩恵である温泉や間欠泉、海洋プレートが生成される場所など、北欧アイスランドにはため息が出るような魅力的な絶景が広がっています。

遠い北欧の国ですが、暖流と寒流がぶつかる漁場が近くにあるために魚介類がよく食べられていること、あちこちに沸いている温泉が親しまれていることなど、日本とも共通する文化がいくつかあります。

今回はそんな北欧の国アイスランドで楽しめる「キャンプ×旅」の魅力について紹介します。

アイスランドをぐるりと巡るリングロード


雄大な自然が広がるアイスランドは観光大国として有名で、1年を通して観光客を広く受け入れています。島をぐるっと1周できるリングロードが整備されているので、地の利がない観光客でも気軽に旅を楽しめます。

リングロードは道幅が広く、看板やガソリンスタンド、道の駅などの施設が道路沿いにたくさんあるため、キャンピングカーや乗用車、自転車、バイクなど、それぞれのスタイルで「キャンプ×旅」を満喫できます。

気軽に利用できるレンタカー


アイスランドの国際空港があるケプラヴィークの街にはレンタカーショップがたくさんあります。

一般的なバンスタイルの車を、車中泊できるように改造した2人〜4人乗りの車や、4人〜6人乗りのキャンピングカーなど、豊富な選択肢が用意されています。

自分のスタイルにあった車を借りたら、いざキャンプ旅のスタートです!

ちなみに、マニュアル車が一般的なヨーロッパですが、オートマ車も少ないながら取り揃えられています。

左ハンドルに加えて右側通行と、日本とは異なる交通環境なので注意しながら運転していきます。幸いリングロードは道幅も十分にあるので、すぐに慣れて旅を楽しむことができました。

人口より羊の数が多いと言われているアイスランドでは、あちこちで放牧されている羊に出会えます。この羊達、海風が運んだ塩を舐めるためにリングロード上に出てくることがあるので、十分に注意しましょう。

車に気付けば自分から逃げてくれますし、塩を舐めるのに夢中で気づいてくれない場合でも、クラクションを鳴らすと慌てて逃げていきます。

アイスランドのキャンプ場事情

北欧の国々では、「みんなの自然をみんなで楽しみ、みんなで守る」という考えに基づいて「自然享受権」と呼ばれる慣例法が整備されています。このため、私有地や国有地でも各人が自由にキャンプやベリー、きのこ摘みを楽しめるんですが、アイスランドはこの自然享受法に関する制約がとても厳しくなっています。

(各国の自然享受権の自由度については【北欧のアウトドア事情】みんなの自然をみんなで守って楽しむ「自然享受権」についてという記事で詳しく書いています)

アイスランドは島がまだ若く、土や木が十分に育っていないために、自然に負荷がかかると回復に莫大な時間がかかります。そのためキャンプ場以外でのキャンプ泊が法律で禁止されていて、車中泊にもこれが適用されます。

リングロード沿いにはたくさんのキャンプ場があり、1泊1,500-2,000ISK(約1,300~1,800円)程度で宿泊でき、トイレや水場、キャンピングカーの給排水設備も整えられているので、「キャンプ場以外でキャンプ禁止」の制約があっても問題なく快適なキャンプが楽しめます。

キャンプ場はほとんどが予約無しで宿泊でき、フリーオートサイトなので好きな場所を探して設営することができます。キャンプ場はレンタカーショップで渡されるマップや専用アプリで検索できますが、載っていないキャンプ場もたくさんあります。

未掲載のキャンプ場の情報は、ガソリンスタンドや道の駅、道中の看板などでも集めることができ、アナログスタイルで探すというRPGゲームを体験するような気分で楽しめます。気軽に検索できるキャンプ場に行くか、RPGスタイルでキャンプ場を探すか、自分のスタイルでキャンプ旅を楽しみましょう。

キャンプ場によっては、アイスランドグルメが楽しめるバーが併設されているので、地元の味を楽しむことができます。

アイスランドはタラが有名なので、地ビールとともにアイスランド風味の干しダラを味わうことができますよ。

キャンプ場ではアイスランド人も観光客も自然を感じながらゆっくりと過ごし、地平線に沈む夕日や星を観察しています。

国や文化が違っても、「自然を感じてリラックスする」のは世界共通。時には旅人同士でおしゃべりを楽しみながら、アイスランドでのキャンプを楽しんでいました。

温泉大国、アイスランド


アイスランドは日本と同じく火山活動が活発なので、あちこちで温泉が湧いています。

有名な温泉施設だけでなく、キャンプ場内に天然温泉が湧いている所もあるので、温泉を探しながら旅を楽しむことができます。ちなみに、アイスランドをはじめとするヨーロッパは水着を着用しての男女混浴なので、家族や仲間と一緒に温泉を満喫できます。

また、地熱発電が盛んなアイスランドでは、シャワーから出てくるお湯も温泉*! 入浴施設がないキャンプ場でも、基本的にシャワーがあるので、誰でも温泉を楽しめます。

キャンプ×温泉の組み合わせは、日本でも馴染み深い文化。遠い北欧の国で、日本と共通の文化を楽しみながらキャンプの旅を満喫するの、なかなか楽しいですよ。

*アイスランドの地熱発電とシャワー事情
地熱発電はマグマに熱せられた地下水を地表に汲み上げ、地下水の蒸気でタービンを回す発電方法。アイスランドでは地熱発電に利用した熱水を各家庭に供給しています。

この熱水は、温泉と同じ泉質なので、温泉と同様に利用できます。台所でもお風呂場でも、蛇口からは硫黄の香りのする天然温泉が出てきてるなんて、羨ましいですよね。

さて、この記事ではアイスランドの「キャンプ×旅」の魅力について紹介しました。

次回の後編では、アイスランドの「キャンプ×旅」で楽しめるハイキングなどのアクティビティ、アイスランドグルメやアイスランドの絶景スポットを紹介する予定です。

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みう

キャンプ、登山、ハイキングやスキーが趣味の元エンジニア。週末に車中泊仕様の愛車ジムニーに乗ってあちこち出かけています。

北欧の国デンマークで1年間、現地流アウトドアを現地の学校で学びながら満喫。

Instagram:@miu_jn3tbz
ブログ「デンマーク徒然日記」:https://note.com/miu945

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