北欧の国アイスランド。氷河と火山で有名なこの島国には、手付かずの雄大な自然が広がっています。
「北欧アイスランドでレンタカーキャンプ。温泉が楽しめる火山の島で「キャンプ×旅」を体験してみた【前編】」で紹介したように、この国には島をぐるっと周れるリングロードが整備されており、手軽にキャンピングカーや乗用車をレンタルできる環境が整っているので、観光客も気軽に「キャンプ×旅」を楽しむ事ができます。
今回はアイスランドでのキャンプ×旅で楽しめるご当地グルメやアクティビティ、施設のお役立ち情報を紹介します。
アイスランドキャンプで楽しむご当地グルメ
北欧の島国アイスランドは、誕生から間もない若い島なので土が溶岩の上にうっすらと積もる程度しかありません。そのため植物も苔や草、低い木がほとんどで、農業をするのに厳しい環境です。
しかし島の近くに暖流と寒流がぶつかる潮目があるので、アイスランドは世界でも有数な漁場を有しており、タラをはじめとする魚介類が多く水揚げされ、地元の人々に親しまれています。
また、人口の3倍以上の羊が放牧されていて、リングロードでは羊に遭遇することもしばしばあります。アイスランドの羊はミネラルや栄養たっぷりの苔や草、野菜のハーブをたっぷり食べて育つので、肉が柔らかく良質。スーパーで手軽に買うことができます。
世界で1番物価が高いと言われるアイスランドは、外食がとても高くランチでも1食4,000円ほどしますが、スーパーでは比較的、お手頃な値段で食材を調達できます。
というわけで、アイスランドでのキャンプ×旅では、道中でスーパーに立ち寄り、野菜やパン、羊肉や干しダラなどの食材を購入して、キャンプ場で調理するのがおすすめです。
ちなみにアイスランドは日本と同じく捕鯨国なので、値段は張りますが鯨肉を楽しむこともできます。
高緯度に位置する北欧アイスランドでは、夏は夜10時過ぎ、冬は午後3時ごろに日が落ちます。燃えるような真っ赤な夕日を見れる時間帯にキャンプ場に到着して、お酒やコーヒーを飲みながら1日を振り返り、今夜のご飯に思いを馳せるのはなかなか乙なものですよ。
アイスランドの「キャンプ×旅」で楽しめるアクティビティ
アイスランドには、この記事では書ききれない程多くのアクティビティスポットがあります。ここでは首都レイキャビク近郊にある「ゴールデンサークル」と呼ばれる地帯にある、2つのハイキングスポットを紹介します。
温泉が湧く川へハイキング
日本と同じく、アイスランドは火山活動が活発な島国。島内には天然温泉があちこちで湧いています。
ゴールデンサークルに位置するレイキャダール渓谷(Reykjadalur)。このレイキャダール渓谷の登山口から片道90分程かけて歩いた場所に、天然温泉が湧く川があります。
この温泉へのアクセス方法は自らの脚を使った登山のみ。源泉の熱湯と川の水が合流した場所にあり、上流にいくほど熱い温度、下流にいくほどぬるい温度になっています。ちなみに放牧されている羊が近くまで寄ってくることがあります。
天然温泉に入るために登山で程よく運動し、その後温泉でゆっくり癒される。まるでマッチポンプなような楽しみ方ですが、アイスランドを代表する苔むした溶岩が広がる大地と天然温泉、両方を楽しめるオススメスポットです。
北欧をはじめとするヨーロッパの温泉は男女混浴で水着着用が基本なので、仲間や家族みんなで楽しめます。ちなみにレイキャダール温泉には、衝立で囲われた着替えエリアがあるので安心ですね。
大地が裂ける場所「ギャオ」でハイキング
ゴールデンサークルにあるシンクヴィトリル(Þingvellir)国立公園には、散策用の木道が整備されており、川や滝、山を眺めながらハイキングを楽しめます。
この場所には深い大地の裂け目(アイスランド語で“ギャオ”)が広がっています。実はこのギャオ、日本列島を支える北米プレートとユーラシアプレートの起点となる場所なんです。この場所で裂けたプレートが、日本で合流するまでに海底に沈み込んでいるのです。
海に囲まれた島国で、魚介類を好み、火山や温泉も多いという北欧アイスランドと日本。地形的にも深い繋がりがあるんですね。
多種多様なアウトドアアクティビティ
都市と自然の距離が近い北欧の国々の中でも、特徴的なアイスランド。ハイキングだけでなく氷河クルーズや滝めぐり、乗馬や登山などを楽しめます。
独特で雄大な自然と、その自然を楽しむ文化、環境が整っているアイスランド。北欧の国々の中で最も自然享受権*に制約がありますが、ここには観光客でも気軽に好みのアウトドアアクティビティを楽しめる環境が整っています。
旅に役立つリングロード沿いの施設
売店併設のガソリンスタンド
リングロード沿いにはガソリンスタンドが各所に設置されているので、特に燃料切れの心配をせずにアイスランド1周のキャンプ旅が楽しめます。
売店が併設されている事が多いので、コーヒーやアイス、軽食をここで調達できます。
洗車スペースやゴミ捨て場があるので、旅の途中で出たゴミを捨てたり、ガソリンを満タンにするついでに車の汚れをキレイに落とす事ができます。
キャンプ場のお役立ち設備
アイスランドのキャンプ場には場所によって様々な施設がありますが、どこのキャンプ場でも無料で給排水設備を利用できます。
ちなみにアイスランドの水道から出る水は地下水を組み上げたミネラルウォーター。気軽に美味しい水を飲むことができます。前編で書いた通り、お湯のほうの蛇口を捻れば温泉水が出てくるアイスランドは本当に贅沢。ふんだんに自然の恵を享受できます。
旅が終盤に差し掛かるキャンパーたちは、ドネーション(寄付)エリアに使いきれなかった食材や調味料を残していくことが多く、思いがけないグルメに巡り会えることもあります。
地球を感じる島、アイスランドで「キャンプ×旅」をしよう
日本から遠く離れた北欧の国、アイスランド。北海道とほぼ同じ大きさのこの島国は、7日間あればリングロードをほぼ1周して無理せず楽しみ尽くせます。
日本との共通点も多く、魅力的な自然やアウトドアアクティビティがたくさんあり、それを気軽に楽しめる設備が整っています。
いつか北欧アイスランドで「キャンプ×旅」を楽しんでみてはいかがでしょうか。