絶景に出会うこともあるキャンプ場の朝散歩
時間があるので、顔を洗ったら早朝に散歩します。
林道や川沿や海岸を30分だけでもいいので歩き回る。何もない山道や川沿いでも「早朝に野山を歩く」という行為はそれだけで非日常感がありますし、時々、思わぬ絶景に出会えることもあります。キャンプサイトに戻ったら、運動したついでに不要なものは簡単に撤収することをおすすめします。なぜなら動けば動くほど腹が減るからです。
では、実際にソロキャンプの朝ご飯は何を食べているのか紹介していきます。どれも驚くほど簡単です。「それって料理って言うの?」と言われれば「それを言っちゃあ、お終いよ」と返します。
まず、絶対に用意していただきたいのはシングルバーナーです。
汚いシングルバーナーで恐縮です(12年くらい使っています)。「キャンプでは焚き火で調理をしたい!」という方もいると思います。しかし、焚き火は火加減が非常に難しいのです。
朝ご飯は「炊く・煮る・焼く・温める」など、作るものによって色々な火加減が必要です。火加減が難しい焚き火だと難易度が高くなるのです。それに、朝から焚き火をするのは実は稀です。冬は暖を取るために朝起きたらまず焚き火をしますが、それ以外の季節は朝は焚き火をしないことも多いです。
撤収の時間、薪が燃え尽きる時間、焚き火台が冷める時間など様々な時間を逆算しなければいけないからです。それに、薪が足りなくなると何もできません。拾いに行くにしても天気がいいとは限らないのです。それでは薪を残しておこうとしても、夜の焚き火が楽しくて薪を使い切ることは「焚き火あるある」なのです。
可燃性のアルコールを燃料とするアルコールストーブという手もあります(これまた汚いアルコールストーブで恐縮です)。しかし、ここでも火加減が容易で火力も強く初心者にも扱いやすいシングルバーナーに軍配が上ります。
そうなると「アルコールストーブを持っている人の意味が分からない」と思われる方もいらっしゃると思いますが、アルコールストーブの最大のメリットは「故障のリスクが極めて少ない」ということと「燃料となるガス缶が必要ないため荷物がコンパクトになる」ことです。
僕はキャンプ場ではなくリュック一つで行う野営の時だけはシングルバーナーは持ち歩かずにアルコールストーブだけを持っていきますが、キャンプ場で使ったことは数えるくらいしかありません。あくまで、シングルバーナーが故障したときの予備なのです。
色々と書きましたが、アルコールストーブは単純にかっこいいです。無骨な見た目で「お湯沸かすくらいしかできないぜ」という頑なな感じに惹かれる男性は多いのではないでしょうか。
シングルバーナーとは別に用意していただきたいものがあります。
焼き網です。これはユニフレーム(UNIFLAME)のミニロースターです。僕のソロキャンプには欠かせないアイテムです。手のひらより少し小さい絶妙なサイズ感。
シングルバーナーに置くとこんな感じです。五徳が小さいバーナーでもしっかり安定します。ちなみに持ち手は本体側に折りたたむことができるのでコンパクトになります。
朝ご飯はご飯を炊くときもあればパンを焼くこともあります。パンを焼く場合、このロースターがちょうどいいのです。網と炎の間に入るメッシュがバーナーパッドの役目を果たすので全体をきれいに焼くことができます。
これさえあれば好きな焼き加減にパンを焼くことができます。強火で表面だけ焦がして中は温まる程度でも良いと思いますし、水分なんか全部飛んでしまうのではないかと心配になるくらいじっくり弱火で焼いても良いと思います。なんせソロキャンプです。「焼き過ぎじゃない?」とか「焦げてるじゃん」と言ってくる人はいません。
ちなみに僕は少し苦みが出るくらい焦がした焼き加減が好きです。ロースターで焼いていると白い煙が上ってくるのですが、それが「焦げ」の合図です。いつも白い煙が出てから焦げすぎていないか何度も確認しながらおっかなびっくり焼いています。
食パンですが、最近は一袋に2枚入り等も見かけるようになりました。しかし、スーパーで買うとだいたい1袋6枚とか8枚入っています。全部食べられません。
パンは防御力が低く、キャンプギアの中に放り込んで持ち帰ろうとすると高確率でぺしゃんこになりますし、クーラーボックスで持ち帰るにしても内容量があるので邪魔です。なので、家で冷凍したパンを必要な分だけクーラーボックスに入れておきます。そうすると朝食時には解凍されています。便利です。
厚めのパンを強めに焦がして、バターをたっぷり塗ったらバタートーストです。キャンプで使用するバターはチューブタイプのものが便利です(あれ、厳密にはバターじゃないらしいのですが細かいことは気にしません)。
バターでパンがびしょびしょになってしまうくらい塗って食べるのが正解だと思います。甘いものが好きな方はここにさらにジャムを乗せてもいいし、チューブのあんこを乗せて食べるのもいいと思います。
カロリーが気になりますが「朝ご飯はいっぱい食べたほうが一日を元気に過ごせるので消費カロリーが多くなり、結果的に痩せる」という聞いたことあるようなないような理論を信じてたくさん食べましょう。
パンだけじゃ味気ない場合はスープです。
ソロキャンプのおススメは粉を溶かすタイプではなくパウチで売っているもの。コンビニや KALDI で売っています。春夏は冷やして、秋冬は湯煎で熱々にしてシェラカップに注ぐだけです。湯煎がめんどうであればシェラカップに注いだものを直火で温める方法が一番簡単です。
パンとスープ。なんとも地味な絵面です。しかし、パンの隣にスープがあるだけでずいぶんと朝食としてのグレードが上った気がします。スープの力は偉大です。
コーンスープとパンが揃ったらもちろんこれです。いつもこの瞬間、もしかしたらパンはコーンスープを浸して食べるために作られたのではないかと思っています。
行儀悪いかもしれませんが、ソロキャンプです。誰からも何も言われません。好きなだけ浸して食いましょう。パンはしっかり焼いて、バターやスープにジャブジャブに浸してびしょびしょにしてからガブガブ食べるのが一番おいしいのです。
グループキャンプでホットサンドを作る時、パンの耳を落として作る場合があります。僕の持っているホットサンドメーカーは耳を落とさないとパンが入らないです。そんな時も、パンの耳をロースターで焼いてスープに浸して食べます。スープはパンの耳の救済措置でもあるのです。
もう少しボリュームが欲しい方はこれです。コンビニやスーパーで好きなサラダとベーコンを買います。
今回は卵サラダとベーコンですが、ポテトサラダでもマカロニサラダでもゴボウサラダでも良いです。ベーコンじゃなくてハムでもウインナーでもカニカマでも良いです。つまり、何でも良いのです。好きな組み合わせを探してください。
ベーコンはロースターで焼きましょう。パンだけではなくベーコンやハムやソーセージも焼ける。魚も焼ける。練り物も焼ける。厚揚げも焼ける。これがソロキャンプでミニロースターを手放せない所以です。
焼いたパンにベーコンと卵サラダを乗せ、好きなだけ黒コショウを振ったらオープンサンドの完成です。
具材をパンに乗せただけなのですが「オープンサンド」という言葉にすると急に料理感が出ます。もちろんもう一枚パンを焼いてサンドイッチにしてもOKです。グループキャンプならチーズを加えてホットサンドにしても良いですね。
ちなみにこれは僕が持っているホットサンドメーカーです(汚く感じる方もいると思いますが、精一杯磨いてこの状態です)。
一回で二枚焼けるものです。これだと、1回の使用で2人分完成するのでグループキャンプの時は重宝しますが、ソロキャンプにはオーバースペックなのです。最近はソロキャンプにもぴったりなホットサンドメーカーも出ています。連結部分が外れ、フライパンとしても使用しやすい物も出ています。
自分のキャンプスタイルにちょうどいいスペックのものを探すのがおススメです。
コンビニのサラダですが、まあまあな量がありまして、これだけでも割とお腹が膨れます。半分に折って食べてようが、このまま端から食べようが、どうやったってどうせボロボロこぼれます。少し大きめのお皿の上で豪快にガブリと食べるのが正解だと思います。
これはコーヒーセットです。僕は365日コーヒーを飲みます。しかし、コーヒーにこだわりを持っているかと言われると実はそうでもありません。昔ながらの喫茶店が出す、酸味が弱く、苦いコーヒーが好きです。
さらに、僕は真冬以外はアイスコーヒーをガブガブと飲むのが好きです。なので、豆はその場でガリガリと挽くことはせず、挽いてある豆を持っていきます。
最近はアウトドア用に色々なコーヒーが出ています。自分好みのコーヒーを探してリピートしています。ソロキャンプは「せっかくなら」と何もかもこだわってしまう傾向があります。でも、いかに引き算をして楽をするか? 時間に余裕を持つか? が僕は重要だと思っています。
ちなみにこれはケトルの先に付ける器具です。地味な存在ですが、これが割と重宝します。
お湯が細く出るようになります。アウトドア用のケトルってお湯がドバドバ出るのでホットコーヒーのドリップには向いていません。これがあると上手にドリップできます。ドリップ以外にもカップラーメンにお湯を入れるときも便利です。おススメです。
ここまでパンの話ばかりしてしまいましたが、実は洋食は前置きのようなものです。なぜなら、パンよりもこれから書く和食の方が朝食コラムの「本題」でもあります。しかし、予定よりもたくさん書いてしまいましたので、続きは次回連載にて。
↓ 後編はこちら! ↓
何をしにソロキャンプに行くのかと問われれば…「朝ご飯を食べに行く」と答えます(後編)【ソロキャンプ連載 #3】