LANTERNをご覧のみなさま、こんにちは。ウイケンタと申します。本名です。連載第三回目です。僕が何者でこの連載がどんな内容なのかは連載第一回目のコラムを参照ください。
「何をしにソロキャンプに行くの?」と問われれば「朝ご飯を食べに行く」と答えます。僕はソロキャンプでは朝ご飯を重要視しています。
あまりにも重要視するあまり前回のコラムが思っていたよりも長くなってしまいまして、まだ予定の半分しか書いていないのに文字数をオーバー。前後編に分けることになりました。書いている本人も「まさか朝食だけでこんなに書けるとは」と思っています。
後半を書くにあたり、前半のコラムを読み返してみたのですが「焦がしたパンをバターでびしょびしょにするのが好き」くらいしか書いていませんでした。しかし、まぎれもない事実です。
後編はキャンプで食べる和食のお話
今回は和食のお話をします。そうです、我々の主食であるお米の話です。昔、僕が少年の頃、ボーイスカウトでキャンプをすれば絶対に飯盒炊爨がありました。しかし、今はキャンプでパンも食べるし、様々な麺も食べるようになりました。
アウトドアブームで便利な料理器具もたくさん出て、選択肢が増えたのです。結果、初心者の中には「お米を研ぐのが億劫」「火加減が分からない」「失敗したときのダメージが大きい」という理由で「お米を炊く」という行為の敷居を高く感じている人がいらっしゃるいます。
しかし、お米はびっくりするくらい簡単に炊けるのです。
必要なのはシングルバーナーと蓋つきの鍋です。最近はメスティンが定番ですね。でも、既に蓋つきの鍋を持っているなら買い足す必要はないと思います。本当に蓋さえあればどんな鍋でも上手に炊けます。
コツと言うほどのものではありませんが、強いてポイントを挙げるとすれば2つ。
1つ目は「お米にしっかり吸水させること」です。「夏場は30分、冬場は1時間」と言われていますが、お米によっても違ってきます。夏は1時間、冬は1時間半くらい吸水させると安心です。吸水さえしっかりできればよほどの事が無い限り失敗しません。
僕はお米やお水の量はいつも感覚で入れていますが、心配な人はメモリ付きのシェラカップを使うと安心です。
ユニフレーム(UNIFLAME)や無印良品のシェラカップには、一合の目盛りがついているので便利です。お水の量はお米の好みの硬さや、新米や無洗米によって変わってきますが、はじめは基本である200mlで試しに炊いてみて、二回目から好みに調整しましょう。
2つ目のポイントは火加減です。吸水させたお米を強火にかけて、沸騰したら(噴きこぼれてきたら)弱火にして放置。蓋の隙間から蒸気が出なくなったら火を止めて数分放置して蒸らします。
失敗する人ははじめから終わりまでずっと強火で炊いています。火加減の調整は1回だけ。沸騰したら火を弱めるだけです。実際にやってみると「なんだ、こんなに簡単なのか」と思うはずです。心配な人は中の状態を何度か確認してOKです。
よく「赤子泣いても蓋取るな」と言いますが、あれは「蒸らし」の段階です。炊いてるときは蓋を取って中の状態をチラッと確認するくらい問題ありません。
炊いている途中、鍋から微かにお米の焦げる匂いがしたらおこげができています。余談ですが僕はおこげはあまり好きではありません。焦げてないふっくらしたお米が好きです。
心の中で「おこげ、もてはやされ過ぎでは?」「本当にみんな焦げた米が好きなの? ありがたいと思っているの?」と常々思っています。前回のコラムで「パンは苦みが出るくらい焦がして食うのが好き」と書いているのに、勝手なもんです。
次のページでは、キャンプで作るわんぱく朝ごはんのメニューやキャンプギアを選ぶ際の判断基準についてお話します。