冬キャンプで作る北欧のクリスマス料理。甘くて温かい「エイブルスキーバー」と「リッスンゴゥ」でヒュッゲな時間を楽しもう!【後編】

公開日:2021 / 12 / 14
最終更新日:2021 / 12 / 27

千年以上前のヴァイキングの時代より、冬至祭(ユール:Jul )を祝ってきた北欧の人々。暗くて寒い冬の折り返し地点となるこの日を盛大に祝ってきました。さらにキリスト教伝来後は、冬至祭とクリスマスが融合し、独特なクリスマス文化を築き上げてきました。

12月になると「アドベントカレンダー」でクリスマスまでのカウントダウンをし、北欧ならではのクリスマス料理を楽しみます。

今回は北欧のクリスマスに食べられる甘くて美味しいスイーツをキャンプで作ってみました!

デンマークのクリスマススイーツ「エイブルスキーバー」

エイブルスキーバーパン
デンマークではクリスマスシーズンになると、「エイブルスキーバー(Æbleskiver)」と呼ばれるお菓子が良く食べられます。「りんごの薄切り」という意味のこのお菓子は、たこ焼きのような見た目のパンケーキ。

初めてデンマークのクリスマスマーケットで見た時には「なんでデンマークにたこ焼きが? 」と驚きました。

伝統的な食べ方ではりんごやりんごジャムが添えますが、現在ではラズベリーやコケモモ、ベリージャムなど各々好みのジャムを添えることが多いです。

「エイブルスキーバーパン」と呼ばれる、たこ焼き器のようなフライパンで作られるこのお菓子は、クリスマスマーケットでも人気の商品です。筆者のデンマーク人の友人は「クリスマス料理でエイブルスキーバーが一番好き!」と言うほど。

エイブルスキーバーの材料(2人分)

  • 小麦粉:350ml
  • 塩牛乳(もしくは生クリーム):300ml
  • 砂糖:小さじ1
  • 塩:少々
  • 卵:2個
  • ベーキングパウダー:小さじ1/2
  • カルダモンパウダー小さじ1と1/2
  • ※なくてもOK

  • フライパンに塗るオイル(バターでも可):適量

粉類はあらかじめ軽量して、袋に入れて持っていくとキャンプで調理の手間が省けますよ。

調理手順

  1. 粉類と牛乳(もしくは生クリーム)、バター、卵を混ぜ合わせる
  2. たこ焼きを作る容量で順に生地を焼いていく

エイブルスキーバーパン
今回はデンマークで買ったエイブルスキーバーパンを使って焼いて16 個ほど作り、りんごジャムを添えて食べました。

たこ焼き器で十分作れますし、ホットケーキミックスでお手軽に作ることができるので、キャンプでの朝ごはんやちょっとしたおやつにいかがでしょうか。

ちなみにオススメはパンが熱々のうちにする「追いバター」。とっても美味しいですよ。

デンマークでは、前回書いた「冬キャンプで作る北欧のクリスマス料理。「フレスケスタイ」と「グリュッグ」でヒュッゲな時間を楽しもう【前編】」で紹介した、北欧のクリスマスホットワイン「グリュッグ」と一緒に楽しまれているようです。

北欧の妖精ニッセと食べるミルク粥「リッスンゴゥ」

リッスンゴゥ
日本ではなかなか馴染みのないミルク粥ですが、北欧をはじめとするヨーロッパでは親しまれています。

北欧の国々は季候・土地の関係でお米が栽培できず、クリスマスなどのお祝い事で食べる贅沢品としてミルク粥を食べていたそうです。

ご飯が甘いなんて最初は驚きましたが、スイーツだと思えばなかなか美味しいミルク粥「リッスンゴゥ(Risgrød/デンマーク語、Risgrød/ノルウェー語)」。

※スウェーデンでは「リッスングロート(Risgrynsgröt)」、フィンランドでは「リィーシプロー(Riisipuuro)」と呼ばれています。

北欧の国々では伝統的に、クリスマスイブのランチに食べるそうです。

リッスンゴゥの材料(2人分)

  • 生米:1/2合
  • 水:300ml
  • 牛乳:300ml
  • バター:10g
  • アーモンド:一粒
  • レーズン:大さじ1
  • ※なくてもOK

  • 塩:大さじ1/3
  • 砂糖:大さじ1
  • シナモンスティック:1本
  • ※シナモンパウダーでもOK

調理手順

  1. お米を研いで水とバターを入れてフタをせずに中火で煮込む。
  2. ふつふつしてきたら米が鍋底にこびりつかないように混ぜ、フタを半分した状態で弱火で10分煮込む。
  3. 牛乳とシナモンスティック(またはパウダー)、レーズン(なくてもOK)を入れて中火に。
  4. ふつふつしてきたら弱火で20分煮込む。
  5. 塩と砂糖を入れて味を整え、アーモンドを入れてゆっくり混ぜる。

一粒だけ入れたアーモンドが当たった人は、次の年にいい事があるという言い伝えがあるそうです。


煮込む時間が長いので、焚き火や炭火でゆっくりコトコト作るのも良さそうです。トッピングはお好みでシナモンパウダーや追いバター、塩などを足します。

北欧の国々では、ニッセ(Nisse/デンマーク語・ノルウェー語)と呼ばれる妖精がサンタクロースの役割を果たし、子供たちにプレゼントを配ります。
※スウェーデンではトムテ(Tomtar)、フィンランドでは「トントゥ(tonttu)」と呼ばれています。

ちなみにクリスマスイブの夜、テーブルの下や納屋にこっそりミルク粥を置いて、妖精ニッセにお裾分けしていたという伝統があるそう。妖精と同じミルク粥を食べるなんて、なかなか素敵ですね。

体の内側から温まるので、冬キャンプの朝ごはんやちょっとしたおやつにぴったり。子供たちも喜びますよ。

冬キャンプで北欧のクリスマス気分に浸ろう

北欧の人々は「『冬至祭(ユール:Jul)』こそ世界のクリスマスの原型だ」と言うほど、自分たちのクリスマス文化に誇りを持っています。

古くから「冬至祭(ユールJul)」がはじまると、「ユールログ」と呼ばれる大きな薪を燃やし、ご馳走とお酒を準備して悪霊を追い払うための宴会を開いていました。

キャンプサイトで焚き火を眺めながら、北欧のクリスマス料理でいつもと違うクリスマス気分に浸ってみませんか。

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みう

キャンプ、登山、ハイキングやスキーが趣味の元エンジニア。週末に車中泊仕様の愛車ジムニーに乗ってあちこち出かけています。

北欧の国デンマークで1年間、現地流アウトドアを現地の学校で学びながら満喫。

Instagram:@miu_jn3tbz
ブログ「デンマーク徒然日記」:https://note.com/miu945

デンマークの仲間と北欧ネイチャーツアーを日本人向けに展開中。北欧の氷河に抱かれた大自然や、そこに根付くアウトドア文化に触れる普通の観光では味わえない旅を提供します。

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